メンタルヘルス

Q. 「お守りの効果」に、科学的に意味はあると言えますか?

【精神科医が回答】お守りを持つことは無意味で、効果やご利益などはないと思っていませんか? 実は精神医学の立場から見ると、お守りによる「効果」は、あながちないとも言えません。分かりやすく解説します。

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド

Q. お守りに「効果」はありますか?

お守りの効果は?

お守りを持つことで、期待できる「効果」とは?


Q. 「お守りに、科学的な意味などはないと思っていますが、初詣で神社に行くと、何となく買ってしまいます。受験生などは、お守りをカバンにぶらさげていることが多いですが、やはり持っているだけで、安心できるものなのでしょうか?」
 

A. 精神的な「プラセボ効果」が、よい結果につながる可能性もあります

お守りの「効果」や「ご利益」は、古くから信じられています。実際によい結果が得られ、成功体験になっている人もいるでしょう。科学的実証はありませんが、精神医学的に見れば、お守りなどを信じて持つことは、まったく意味がないこととも言えません。

「プラセボ効果」という言葉を聞いたことはありませんか? 実際には何も効果がない偽薬でも、効果がある治療薬だと信じて飲むことで、本当の薬を飲んだかのような変化が起こることです。信じることが心身に影響を及ぼすことは、科学的にもよく知られています。

お守りなどを信じない人にとっては、ナンセンスに思われるかもしれませんが、信じて持つことは、お守りが「効果」を発揮するために、必要なことです。

学業成就であれ、商売繁盛であれ、日ごろからお守りを信じて持ち歩き、前向きな気持ちでそれらに取り組んでいくことで、望んでいた結果が手に入れられることもあるでしょう。

一方で、「このお守りを持っていれば、きっと大丈夫」と強く信じる気持ちは、「このお守りがないと、うまくいかない」という思いにもつながります。大事な日にそれを忘れてしまうことで、集中できず、本来の力が発揮できない、ということにもなりかねません。

お守りを含め、何か心のよりどころにしているものがある方は、場合によってはそのもの自体が、自分の弱点になってしまう可能性があることにも、ご注意ください。
 
お守りには効果がなく無意味だと考えている方は、「持ち方によっては、気持ちをポジティブにし、前向きな行動を促してくれるツール」だと考えるのが、ちょうどよいのではないでしょうか。

さらに詳しく知りたい方は、「お守りに効果はあるのか…ご利益を信じる心理・精神医学的な注意点」をあわせてご覧ください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます