しりとりの効用
普段見聞きした言葉をしりとり遊びの中で使うことにより、意識に上らせ使える言葉として定着することができる。こうすることで語彙が豊富になるのだ。したがって漫然としりとりをしていても効果は薄い。おとながリードして上手にしりとりを! |
例えば、
しりとり→りんご→ごりら→らっこ→こぶた→たぬき→ねこ
というように覚えている決まったパターンになりがちだ。
そこで親が遊びに加わりパターンにない単語を使って流れを変える必要がある。その際に「それどういう意味?」と聞かれたら意味を説明してやろう。聞いたことがあっても意味を知らなかった単語がわかるようになる。
しりとり遊び・初級編
前述のパターンを破るため「しりとりのり」から始めるのをやめる。慣れてくれば「り」から始めても問題ないのだが、子どもが慣れないうちは別の言葉から始めよう。親は自分の番になったらできるだけ長い言葉を言おう。例えば「ちきゅうぎ」「じどうかいさつ」など。子どもは2~3文字の単語ばかり言うので、長い言葉を使うと「おやっ」という顔をする。
そうしている内に子どもも真似をして長い言葉を言ったときはすかさず「すごーい。難しい言葉知ってるね。」と誉める。するとできるだけ長い言葉を探そうとする。それが狙いなのだ。
しりとり遊び・中級編
ここで登場するのが「しばり」だ。まずは「文字数しばり」から。幼児はまず「3文字しばり」から。つまり2文字の言葉は使わず3文字以上でないといけないことにして遊ぶ。「こま」「まり」などが使えなくなる。小学生なら4文字しばりから始める。「りんご」「ごりら」「こあら」などしりとり定番の言葉が使えないので苦労する。しかし4文字以上のしばりでは、引き出しに入っていたけれどあまり使わない言葉が活用される効果がある。例えば「あいさつ」「やくそく」などだ。そして「これも慣れてくると「ちか(地下)」はダメでも「地下鉄」「地下室」など下に違う言葉を付け足して、派生語をどんどん使い出すようになる。
そうなったら次の段階へ。親は同じ音から始まるように返すのだ。それも五十音の始めの音よりも後の音の方が難易度が高い。ラ行を狙うと効果がある。「スチール」「スマイル」「あまがえる」など「る」を集中攻撃。子どもは「ルビー」くらいしか知らないと答えられない。その場合はヒントを出そう。ヒントはスリーヒントクイズのように出すのが良い。
スリーヒントクイズとは3つのヒントを出して正解を導くクイズ。例えば「うさぎ」だったら
- 動物です。
- はねる動物です。
- 耳が長いよ。
わが家のしりとりでは「る」は、「留守番電話」「ルックス」「ルーズソックス」「ルーレット」「ルームサービス」「ルッコラ」など登場し、なかなかネタ切れにならない。
しりとり遊び・上級編
上級編ではしばりを文字数ではなくジャンルにする。食べ物とか生き物、地名などのように。これはなかなか難しい。ポイントはあまりジャンルを狭くしすぎないことだ。例えば地名を国名としてしまうと種類が少なく苦労するだろう。都市名や山や河川なども対象にすればかなり広がる。慣れない内は地図帳を見ながらすると、地理の勉強にもなってなお良いのだ。息子は世界一長い首都名のスリランカの「スリジャヤ・ワルダナ・プラコッテ」を持ち出してきて親に対抗したものだ。
また、生き物をいわゆる動物としてしまうと苦労する。昆虫や微生物も含む生物全般ならある程度続く。地理同様に生物図鑑を併用すると理科の知識も増える。この遊び方は小学生向き。幼児なら総合スーパーで売っている物、置いてある物というようなイメージしやすい絞り方がいいだろう。
上級まで「しりとり」で遊べるようになると、いつまでも続けられるので終わらないようになる。わが家では往復2~3時間の外出でも「しりとり」で退屈しないで過ごすことができた。だから携帯ゲームはわが家には不要なので持っていない。他に「なぞなぞ」でも同じように時間を使うことができる。
親子のコミュニケーションを取りながら、語彙力もつけられる「しりとり」を是非試して頂きたい。