◆「縁」と「相性」
小学校受験では中学以降の受験と決定的に違いがあります。それは合格不合格について「縁がある」「縁がない」という言い方をすることです。合格すれば「ご縁があって入学許可を頂くことができました。」、不合格だと「ご縁がなかったので残念でした。」と言います。
何故こんな言い方をするかというと、合否が学力テストのように実力で決まる訳ではないからです。ペーパーや課題は受験生をふるいにかける役割は持ちますが、合否は学校の望む生徒・家庭であるかということで決まります。
だからこそ志望校選択が重要で、中学に比べより一層「校風」に合う合わないが大きな意味を持ちます。入学してから楽しく学校生活を送れるかどうかにも関わってきます。したがって、向いてない学校に合格しても無理して通っては、受験に成功したと言えないので志望校選びは慎重にしなくてはなりません。
◆学校のタイプ
学校にもタイプがあります。小学校そのものの校風・雰囲気も大事ですが、別の見方として系列の学校がどのような学校であるかも見逃せません。
・伝統のある超有名(難関)私立大学附属小学校(幼稚園)
・有名私立大学附属小学校(幼稚園)
・教育学部や保育系学部のある小学校・幼稚園
・中学あるいは高校までで上級学校は進学校の付属小学校
・上級学校は男子校あるいは女子校の共学小学校
・国立大学付属小学校
など。系列の上級学校のタイプの違いは入試のスタイルにも現れます。・有名私立大学附属小学校(幼稚園)
・教育学部や保育系学部のある小学校・幼稚園
・中学あるいは高校までで上級学校は進学校の付属小学校
・上級学校は男子校あるいは女子校の共学小学校
・国立大学付属小学校
難関大学の附属であれば入試は大変厳しく、加えて家風や親の職業・収入も選抜の重要な要素となる学校があります。一方進学校の系列小学校ではペーパーは難しく知能重視の入試を行ったりします。
異なるタイプの学校をいくつも受験するのは効率的でなく、お子さんにとっても大きな負担となるでしょう。ですからそれは避けなければなりません。
◆教育環境の選択
そしてもう一つ、ご自分のお子さんにはどのような教育環境が望ましいと思って、受験するのかはっきりすることです。
「高校・大学入試もなくのんびりさせたいから」という理由で難関私大附属を受験することは、小学校入試の熾烈さを考えると甘いのではないでしょうか。大学入試では難関と言えなくても有名校の入試は一筋縄でいかないと聞きます。
「将来進みたい道を選ぶのに大学は自分で決めて欲しいけど、大学受験までは入試のない学校で充実した学校生活を送って欲しい」から高校までの学校を選ぶというのは「有り」だと思います。
ご家庭で考えられているお子さんに望む教育環境と志望校での学習環境にギャップがないかどうか再点検して見てください。
◆相性の見分け方
ある幼児教室のメルマガで紹介されていた学校を見る方法に感心しました。それは入学式を見に行くというものです。もちろん入学式は部外者は立ち入り禁止です。しかし両親と連れ添ってやって来る「学校により選抜された」お子さんを見ることができます。そして両親の姿も見ることが出来るわけです。入学許可された家庭に共通するイメージをつかめるというわけです。
ここで違和感を抱くことがなければ相性のいい学校と言うことができますし、入学する子供達に共通する点は何かを知ることができます。そこでご自分のお子さんが向いているかどうか、あるいは合格するにはどんなところを伸ばせばいいかがわかります。
入試や学校説明会でも志願者に共通する傾向を感じることが多々あります。入学式は合格者の集まりなので、よりはっきり出るのかも知れません。試してみる価値はあります。今年の入学式はもう無理なので、少なくとも学校説明会には足を運びましょう。
最後に、少子化で今の子供達が大学受験する頃に、難しい大学はそう多くないかも知れません。12年未来の選択も現在しているのだという意識を持って志望校選択に望んで頂きたいと思います。