さまざまな歴史を背負う史跡や雄大な自然が残る場所など、多種多彩な名所がそろう日本国内の世界遺産をまとめてご紹介します。暫定リストに掲載された候補地もチェックしてくださいね。
<目次>
- 日本の世界遺産全26カ所一覧リスト
- 北海道・東北地方の世界遺産
- 関東地方の世界遺産
- 中部・北陸地方の世界遺産
- 関西地方の世界遺産
- 中国地方(山陽・山陰)の世界遺産
- 九州・沖縄地方の世界遺産
- 世界遺産 暫定リスト
日本の世界遺産全26カ所一覧リスト
登録名 登録年 所在地法隆寺地域の仏教建造物 1993年 奈良県
姫路城 1993年 兵庫県
屋久島 1993年 鹿児島県
白神山地 1993年 青森県、秋田県
古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市) 1994年 京都府、滋賀県
白川郷・五箇山の合掌造り集落 1995年 岐阜県、富山県
原爆ドーム 1996年 広島県
嚴島神社 1996年 広島県
古都奈良の文化財 1998年 奈良県
日光の社寺 1999年 栃木県
琉球王国のグスク及び関連遺産群 2000年 沖縄県
紀伊山地の霊場と参詣道 2004年 和歌山県、奈良県、三重県
知床 2005年 北海道
石見銀山遺跡とその文化的景観 2007年 島根県
平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群― 2011年 岩手県
小笠原諸島 2011年 東京都
富士山―信仰の対象と芸術の源泉 2013年 静岡県、山梨県
富岡製糸場と絹産業遺産群 2014年 群馬県
明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業 2015年 山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、岩手県、静岡県
ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献- 2016年 東京都
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群 2017年 福岡県
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産 2018年 長崎県、熊本県
百舌鳥・古市古墳群 -古代日本の墳墓群- 2019年 大阪府
北海道・北東北の縄文遺跡群 2021年 北海道、青森県、岩手県、秋田県
奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島 2021年 鹿児島県、沖縄県
佐渡島の金山 2024年 新潟県
手つかずの自然が残る知床【北海道】
北海道で最初に登録された世界遺産は知床(しれとこ)。アイヌ語の「シリエトク(大地の突端)」という言葉が語源といわれています。オホーツク海に突き出した知床半島には、原生林に覆われた手つかずの自然が残り、知床五湖、温泉が流れるカムイワッカの滝、オシンコシンの滝、知床峠などで知床の自然に触れられます。
また、羅臼(らうす)やウトロからの観光船に乗れば、陸路では行けない知床岬を見ることも可能です。
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縄文時代の人々の暮らしをたどれる遺跡群「北海道・北東北の縄文遺跡群」【北海道・青森・岩手・秋田】
およそ1万6000年前より1万3000年ほど続いたとされる縄文時代。その前の旧石器時代に、生きるために移動を繰り返しつつ暮らしていた人々が、竪穴式住居で定住するようになりました。また、土器や弓矢を作って動物の狩猟を行うなど、日本独自の方法で生活様式を変化させていきました。そんな縄文時代の人々が暮らしていたことを示す貴重な痕跡が、現在も北海道と北東北に残っており「北海道と北東北の縄文遺跡群」として2021年に文化遺産に登録されました。
復元した竪穴式住居や大型掘立柱建物が間近で見られる三内丸山遺跡や、集団墓の痕跡と想定される大湯環状列石など、合計17の考古遺跡が北海道南部と北東北の各地に点在しています。
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世界最大級のブナ林、白神山地【青森・秋田】
東北で最初に世界遺産として登録された秋田県と青森県にまたがる白神山地。自然遺産として登録されています。ブナの原生林が世界でも類を見ないほどの大きさで今も残っていることが世界遺産登録の理由ということもあって、核心地域へは一般の観光客・登山客が気軽に入ることはできません。その代わり緩衝地域と呼ばれる周辺に名所がそろっています。
ブナ林の中にあるくろくまの滝(日本の滝百選)、暗門の滝では、自然の中に身を委ねられますし、神秘的な色合いを見せる小さな湖が点在する十二湖など、時間をかけて訪れたいところばかりです。
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浄土思想による寺社と美しい庭園が残る平泉【岩手】
平安末期、都から遠く離れた東北で強大な勢力を誇った奥州藤原氏。拠点とした平泉では、仏教の文化が根付くとともに、中尊寺(ちゅうそんじ)や毛越寺(もうつうじ)など歴史的価値の高い寺社が建立され、現代に至っています。金色に輝く中尊寺金色堂や浄土思想に基づく景観が残る毛越寺の庭園などが貴重と判断され、2011年に「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-」として文化遺産に登録されました。
奥州藤原氏の存亡に大きく関わりを持った源義経にまつわる歴史も踏まえて、ゆっくり歩きたい街ですね。
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はるか昔から信仰を集める日光【栃木】
関東で最初に世界遺産として登録されたのは「日光の社寺」。徳川家康公をご祭神とする日光東照宮、はるか昔から信仰を集めてきた日光の氏神である日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)、輪王寺(りんのうじ)の二社一寺が文化遺産として登録されています。
三猿、陽明門、眠り猫がある日光東照宮、神橋、華厳の滝など、見どころが多くありますね。
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名だたる建築家が日本に遺した近代建築運動の結晶、国立西洋美術館本館【東京】
数多くの博物館や美術館が集まる東京・上野。その中の一つである国立西洋美術館本館は、1959年に開館した美術館で、印象派の絵画や彫刻など西洋美術の作品を幅広く展示公開しています。この建物を設計したフランスの建築家ル・コルビュジェは、ヨーロッパを中心に斬新な近代建築の建物を数多く造り、それらがのちの建築に大きな影響を与えたということで、フランスの取りまとめで世界遺産へ推薦。
2016年に「ル・コルビュジエの建築作品 - 近代建築運動への顕著な貢献 -」として文化遺産への登録が叶い、国立西洋美術館本館も構成資産の一つとして世界遺産に登録されました。
展示作品の増加に対応して、無限に広げられるよう設計された建物の構造にも注目しながら美術鑑賞を楽しみたいですね。
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世界でもっとも遠い島、小笠原【東京】
東京の南方洋上1000キロの沖に浮かぶ小笠原諸島。父島・母島・兄島・聟島(むこじま)など、家族の名前が付けられた島々から構成されています。小笠原諸島は、大陸と地続きになったことがないため、動植物が独自の進化を遂げて多くの固有種が生息する世界でも希有な環境です。この貴重な環境が評価され、2011年に世界自然遺産として登録されました。
東京・竹芝桟橋から小笠原海運のおがさわら丸に乗って片道24時間かかり、世界でもっとも遠い島ともいわれる小笠原。手つかずの自然を体感すべく、1度は訪れたいところです。
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絹の歴史を後世に語り継ぐ「富岡製糸場と絹産業遺産群」【群馬】
明治時代、日本の輸出品の要となった生糸。近代的工場として初めて造られた富岡製糸場で生まれた高品質の生糸は絹として世界中に輸出され、その後に生み出された技術も世界中に広がり、絹の産業を支えてきました。そんな絹の歴史を後世に伝えようという動きから、中心となった富岡製糸場と絹産業に関わる3つの史跡が「富岡製糸場と絹産業遺産群」として2014年に世界文化遺産として登録されました。
明治以降の近代産業遺産としては国内初の登録。115年の操業停止後も大事に保存されてきた富岡製糸場の美しい赤レンガの建物が印象に残ります。
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誰もが知っている日本一の山、富士山【静岡・山梨】
静岡県と山梨県にまたがる標高3776メートルの日本一の山、富士山。日本人なら誰もが知っている富士山。その美しい風景と周辺を取り巻く寺社の歴史が世界遺産に値するとの評価を受け、2013年に文化遺産「富士山 -信仰の対象と芸術の源泉」として登録されました。
富士山域はもちろんのこと、富士五湖や富士山本宮浅間大社、忍野八海、白糸の滝、三保の松原などの名所が世界遺産を構成する資産に含まれています。
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懐かしさを感じる合掌造りの風景、白川郷と五箇山【岐阜・富山】
中部・北陸地方で初めて世界遺産に登録されたのは「白川郷・五箇山の合掌造り集落」。日本の農村の原風景とも言える茅葺き屋根の合掌造りの民家が五箇山(富山県)の相倉、菅沼地区と白川郷(岐阜県)の荻町(おぎまち)地区にまとまって残っています。
一部の合掌造りの民家は、有料で内部を見られますし、白川郷では荻町城址の高台より、合掌集落が点在する風景を見下ろせますよ。
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日本最大の金山の遺構が今も残る佐渡【新潟】
日本海で一番大きな島、佐渡。この島では古くは平安時代に砂金の採取から始まり、江戸時代から平成まで実に388年の長期にわたって金を生産し続けた金山がありました。佐渡の金が世界中に流通していたこと、金山の遺構が坑道も含めて現在も残るなど鉱山を中心とした人々の営みの痕跡の数々が未来に継承すべき場所として評価されたことから、2024年に「佐渡島(さど)の金山」として世界文化遺産に登録されました。
構成遺産の一つである相川金銀山では、金山の坑道を有料で見学でき、江戸時代と明治以降の採掘方法の違いなどを知ることができます。構成遺産からは外れましたが、奉行所など鉱山に関連した施設跡も多く、金が採掘されていた頃のにぎわいに思いを馳せられます。
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