そんな時、どうすればいいのか。今回は、親に貯金がなさそうと感じた時の具体的な対策をご紹介します。
高齢の親に貯金がなさそうな兆候をキャッチしよう
高齢の親に貯金がなさそうな兆候はいくつかあります。たとえば、以下のような点が見られたら、貯金が不足している可能性があるのではないでしょうか。●生活費全般の削減
以前は購入していた物品やサービスを急に買わなくなったり、安価な食材だけを選ぶようになったりしたとき。適切に冷房や暖房を使わず、我慢しているように見えるとき。
●贅沢を控えるようになった
もともと、外出が少ない人もいますが、以前と比べ外食や、旅行などに行かず、家に閉じこもりがちになったとき。
●健康管理に積極的でない
定期的な健康診断に行かない、体の調子が悪くても病院に行きたがらないなど、医療費の支払いを避けているように感じるとき。
●家の修理が滞っている
家の屋根や配管の修理を長期間放置しているなど、メンテナンスを後回しにしているとき。
これらの兆候に気づいたら、どのように対策すればいいでしょうか。まずは以下のような方法を試してみましょう。
高齢の親に貯金がなさそうと気づいた時の対策1:親とオープンな対話を試みて収支を明確に把握する
高齢の親に貯金がなさそうと気づいたときは、話しづらいことかもしれませんが、思い切って現在の資産状況や収入、支出を聞いてみましょう。お互いの将来の安心のためと説明し、協力をお願いしましょう。親名義の銀行の通帳、オンラインバンキングの記録などを見せてもらうことで、具体的な預貯金の額が把握できます。それ以外にも、保険契約など資産となる情報を教えてもらいましょう。
収入源としては、公的年金、個人年金保険などをチェックしましょう。また、支出は、日常の生活費、医療費、その他の支出をリストアップして、毎月のキャッシュフローを明確にしましょう。さらに年一回支払っている自動車税、固定資産税、損害保険料などもリスト化しておくと、毎月必要な支出だけでなく、年間の支出も洗い出すことができます。
高齢の親に貯金がなさそうと気づいた時の対策2:生活費の見直しと削減
親の支出をチェックしてみると「節約はすべて行われていて、できることはもうない」と思えるかもしれません。しかし、よく見るとそれらは目先の支出に対する節約ばかりで、もっと効果的な見直しをしていない可能性もあります。たとえば、高齢の親であれば、通信費の見直しがまだだったり、不要なサブスクリプションサービスが解約されていなかったり。また自動車は維持費がかかります。運転する機会が減っている場合であれば手放してしまえば、以後、維持費はかからなくなります。少しでも節約できる費用がないか探しましょう。
高齢の親に貯金がなさそうと気づいた時の対策3:収入の確保
親が元気であれば、「パートやアルバイトで働く」「地域のシルバー人材センターに登録してみる」など、親自身ができそうな範囲で収入を得られるように促してみましょう。最近は人手不足ということもあり、シニア向けの仕事は多くあります。働くことで、体を動かしたり、人と接したり、規則正しい生活ができたりします。収入を得られるだけでなく、健康維持、生きがいなど、様々な効果も得られるためおススメです。
自立と話し合いの重要性
40~50代の子どもが親と離れて暮らす場合、子ども自身も自分の生活も守る必要があるので、定期的な金銭援助は難しい場合も多いでしょう。高齢の親には基本的に、自立して生活してもらう必要があります。その点をお互いに理解したうえで、将来についてオープンに話し合い、将来に向けた具体的なプランを立てていきましょう。親が自立して生活を送れるようサポートしつつ、できる範囲で助け合える関係を構築しましょう。