ジェニファー・コネリーとチラシ集めに夢中でした
――All Aboutでは取材した俳優さんに映画生活について伺っているのですが、普段、映画館で映画鑑賞はされますか?安田:最近は行っていないです。子どもの頃は映画館へ行っていたんですけどね。スティーブン・スピルバーグ監督の全盛期で『E.T.』は見ました。あとシルベスター・スタローンの『ロッキー』も見たかな。ただ映画館に通って見まくったというタイプではなかったです。
――でも『E.T.』『ロッキー』という大ヒット作をちゃんと見ていらっしゃる。
安田:僕は北海道の室蘭出身ですが、僕が住んでいたところは、当時、映画館が1つしかなかったので、上映されるのは全国公開のヒット作が多かったんです。
そうそう、映画雑誌の『ロードショー』(集英社)は買っていましたね。ジェニファー・コネリーが大好きだったので彼女のピンナップ目当てに(笑)。映画好きというより、雑誌に出ているハリウッドスターを見るのが好きだったんです。あと、チラシを集めていました。
――チラシ集めは楽しいですよね。
安田:『ロードショー』の広告にチラシの通販があって、それを購入していました。印象に残っているチラシは、ウディ・アレン監督の『マンハッタン』。モノクロで、ブルックリン側からマンハッタンをベンチで眺めている2人の人物の後ろ姿の写真でした。センスのいいデザインだったので今でも覚えています。
社会派のエンターテインメント映画としての面白さ
――では最後に、完成した映画を見た感想をお聞かせください。安田:考えさせられる社会派の一面もあるのですが、エンターテインメント映画としても面白かったです。原監督は撮影監督もやっていた方なので、やはり監督のクリエイターとして手腕が存分に楽しめる、お客さんを飽きさせない作品だと感じました。
表向きはサスペンスミステリーのくくりになるのかもしれませんが、僕はジャンルレスな作品だと感じましたね。映像も素晴らしいので、ぜひ劇場の大きなスクリーンで見ていただきたいです。
撮影・取材・文:斎藤香
安田顕(やすだ・けん)さんのプロフィール
1973年12月8日生まれ。北海道出身。演劇ユニット「TEAM NACS」のメンバー。数々の舞台、ドラマ、映画で活躍。主演映画は『俳優 亀岡拓次』(2015)『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』(2018)『愛しのアイリーン』(2018)『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』(2019)『私はいったい、何と闘っているのか』(2021)。近作は『とんび』『ラーゲリより愛を込めて』(いずれも2022)。最新の仕事として安田顕が企画・プロデュースする林遣都との二人芝居『死の笛』(2024年7月)がある。
『朽ちないサクラ』2024年6月21日(金)より全国ロードショー
愛知県平井市在住の女子大生がストーカーに殺された。実は警察が女子大生のストーカー被害届の受理を先延ばしにしていた事実が発覚。加えて事件があったとき、警察は慰安旅行に行っていたことが地元の新聞にスクープされる。県警広報広聴課の森口泉(杉咲花)は、新聞記者の親友・千佳に慰安旅行のことを話したため、彼女が記事にしたと疑うが、彼女は認めなかった。千佳は身の潔白のために調査を開始する。しかし、彼女は何者かに殺されてしまう……。
原作:柚月裕子『朽ちないサクラ』(徳間文庫)
監督:原廣利
出演:杉咲花、萩原利久、森田想、坂東⺒之助、駿河太郎、遠藤雄弥、和田聰宏、藤田朋子、豊原功補、安田顕
(C)2024 映画「朽ちないサクラ」製作委員会