Q. 劣等感が強いと心の病気になりやすいって本当ですか?
劣等感を持ちやすい人は、心の病気リスクが高いのでしょうか?
Q. 「子どもの頃から、いろんなことに劣等感を感じやすい性格です。今まで心の病気になったことはありませんが、劣等感が強い人は心の病気になりやすいと聞きました。本当でしょうか? 」
A. うつ病や対人恐怖症などの一因になりますが、思考の癖は改善可能です
劣等感が強いからと言って、必ずしも心の病気のリスクになるわけではありません。心の病気は生物学的、社会環境的、心理的要因など、さまざまな要因が絡まって発症するからです。しかし、劣等感の強さは、心の病気を誘発する一因になりやすいことも事実です。まず、誰にでも「劣等感」はあるものです。特にSNSなどの発達した現代社会は、周りと自分を比較しやすい「相対評価」の世界とも言えますので、程度の差はあっても、誰でも何らかの劣等感を持つことはあるでしょう。
しかし、あまりに劣等感が強いと、自分に自信を持ちにくくなるため、対人関係や仕事など、さまざまなシーンで消極的になってしまう傾向があります。
自分だけでつらさを発散しようと、買い物やアルコールなどで現実逃避をする癖がついて「依存症」になる可能性もありますし、強い劣等感から脳内が病的な思考になってしまうことで、うつ病などを発症する可能性もあります。対人恐怖症や身体醜形恐怖症なども、強い劣等感に起因することがある心の病気です。
しかし、これらの心の病気のリスクは軽減することも可能です。ご自身のことを「劣等感が強い」と自覚されている点も重要です。
劣等感が原因で、日ごろの感情や思考、行動に悪影響が出ていないかを客観的にチェックし、少しずつでも考え方の癖を改善していくように意識してみましょう。もしも強い劣等感に押しつぶされてしまいそうなら、カウンセラーに相談するのも有効な方法の一つです。
さらに詳しく知りたい方は「劣等感とは…心の病気の原因にもなる強いネガティブ思考への対処法」をあわせてご覧ください。