人間関係

20歳「年の差婚」で娘は6歳、夫は高齢者…妻は驚愕「短期間でこんなに老いるものなのか!」(2ページ目)

39歳のときに20歳年上の人と結婚した女性。65歳になった夫は「高齢者」の部類に入り、ここ数年で一気に老いてしまった。まだ若い妻と子どもがいるというのに、夫の様子には違和感しかない。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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同い年の上司の快活さと比べてしまう

「私の上司が夫と同い年なんです。この人は別格だとみんな言うけど、見た目も中身も、とても“高齢者”とは思えない。身のこなしなどは40代の部下よりスマート。比べるわけじゃないけど、上司を見ていると夫が本当にじいさん臭いなと思ってしまう」

一緒になってからわかったことだが、夫は音楽や読書が趣味で、スポーツにはほとんど関心がない。友人関係だったときはサッカーやラグビーの話もしたような気がするのだが、夫はニュースとして知っていただけだった。ユリカさんは、もちろん音楽は大好きだが、同じようにスポーツに興味がある。独身時代は会社の同僚とプロ野球やサッカーをよく見に行ったという。

「夫は穏やかでいい人だけど、気持ちが上がることがあまりない。興奮して舞い上がるようなタイプではないんです。生活していくにはいいけど、一緒にいて楽しいというわけではなくて。私は楽しいのが一番と思うタイプなので、違和感がありますね」

ひとり娘も音楽が好きだから、たまに3人でカラオケに行くこともあるが、夫はほとんど歌わず、じっと聞いているだけ。盛り上げようとするサービス精神もない。

「最近では立ったり座ったりするのも少し時間がかかるし、何か聞いてもすぐに返事が返ってこないこともある。人間、年をとるのは当たり前だし、心身ともに不自由になるのもしかたがないとはわかっています。でも夫はそれに抗う気配がない。そこが私がイラッとする原因かもしれません」

老い方は人それぞれとわかっていても

若い妻と幼い娘がいるのだから、もうちょっと頑張ってよとユリカさんは言いたいらしい。確かに今の65歳は数十年前の65歳とは違い、生き生きと暮らしている人たちも多い。

「私と娘が夫の負担になっているのかなと考えたこともあります。でももう結婚したんだし、夫にはもっと明るくいきいき過ごしてほしいんですよね」

現在、夫は家事を主軸に生活し、在宅でできる仕事も少ししている。外に出て人と交わることはほとんどない。それもユリカさんが心配なことのひとつだ。

「もともと友だちが多いほうではなさそうですが、それでも学生時代、会社員時代に友人はいたと思うんです。でも集まりなどはなさそう、あるいは出たくないのかもしれない。とにかく友人付き合いをしていたころとはまったく印象が違うので、私自身、結婚を早まったのかなと思いながらこの6年を過ごしてきたんです」

年齢が違うから、「老い」への感じ方や恐怖感も異なるのだろう。夫には夫の、以前とは違う悩みがあるのかもしれない。

「同じ“年の差婚”でも、25歳のときに45歳の人と結婚して、20年間一緒にいて45歳になった女性と、私みたいに妊娠を機に59歳の人と結婚してまだ6年しかたっていない45歳とは、内容がまったく違いますよね。私の場合、最初から相手は還暦間近だったから、これから老いていくだけだとわかったはいたけど……。こんな言い方をしたら夫に悪いけど、短期間に劣化が激しすぎた」

夫が聞いたら不快に思うだろうが、それがユリカさんの本音だという。このままだといざ「介護」が必要になったとき、自分は夫の世話をすることなどできるのだろうかと不安になるそうだ。平均寿命からいくとあと16年、夫は生きる。そのころユリカさんも60代になる。そんな未来が「とてつもなく暗く見える」と彼女はため息をついた。
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