焼き塩カイロで肩を温める
30分くらいかかることもありますが、加熱の間も暖かいので良しとして!
左は布で包んだ焼き塩。塩がこぼれないよう目の詰まった布を使います。右はドライフラワーを混ぜたバスソルト
電子レンジで温める便利グッズも良いですが、シーズンオフには収納場所を取ります。これなら自宅でもキャンプ場でも、塩と火と鍋と布があればすぐ作れます。
みかんの皮、大根の葉などを入浴剤に
入浴剤がなかった大昔、身の回りの野菜くずやかんきつ類などを湯船に入れると体がより温まると口コミで広がったものがあります。代表は12月に冬至で活躍したゆずや、5月のしょうぶ。ほかにも、乾燥させたみかんの皮、大根の葉、よもぎなどが伝わりますが、これらは生薬の原料(※)としても使われる薬効のある植物です。※みかんの皮=陳皮(チンピ)、大根葉=干葉(ヒバ)、よもぎ=がい葉、すりおろし生姜
かんきつ類の皮は香りのリラックス効果も大きいのでおすすめです。乾燥させると日持ちし、香りも凝縮できるので、フルーツを食べたら皮を乾燥させておくと良いです。
湯船に入れるときは、お茶パックなど不織布の袋に入れておくと後片付けがラク。先に煮出しておくと、より効果があがります。
手浴&足浴で全身の血行を促進
温泉地で人気の足湯、ハーブのセラピーでよく行われる手浴は、縮まりがちな手や足先の血管を広げて全身の血行を促進します。自宅でも、40℃くらいのお湯をはって10~15分浸かる手浴や足浴ができます。コツは足首(できればふくらはぎも)や手首まで浸かることなので、足浴にはバケツ、手浴には洗面器を使うと良いでしょう。
なお冬はお湯がすぐ冷めるので、タオルを手の上からかぶせると良いです。タオルが濡れないよう注意して。
食べ物で風邪を予防する
野菜や果物で喉の風邪を予防する知恵は数多く伝わっています。薬には負けますが、日々の食生活の中で予防できるのが良いところです。喉風邪におすすめなのは、はちみつ大根シロップやキンカンの蜜煮、焼きネギなど。風邪予防ができるだけでなく、甘くておいしいレシピが伝わっているのも長く活用され続けている理由かも。
生姜は体を温めることで知られますが、生で食べるより、加熱してから食べたほうが体の芯から温まります。どちらも胃腸にはたらき血行を良くしますが、生の生姜は短時間で発汗を促す作用が、加熱した生姜は体の深部から温める作用があります。加熱により生姜の成分ジンゲロールがショウガオールに変化することで作用に違いが生じるのです。
また、飲む点滴ともいわれる発酵食品の甘酒は、麹の力で代謝が高まり、とろみのおかげで長時間おなかの中から温めてくれます。そのまま加熱して飲むほか、ココアや豆乳と混ぜて飲むのもおすすめです。
自然のなかで先人から受け継がれてきた「温まる知恵」を、今の便利な生活に取り入れながら、心も体も温かく過ごせるといいですね。