人間関係

Q. 更年期の妻のイライラに疲れました。夫として何ができますか?

【公認心理師が解説】更年期のパートナーからイライラをぶつけられた場合、「更年期だからしょうがない」などと軽く受け流さず、相手の体調と怒りをぶつけられた理由について真摯に考えることが大切です。その理解に役立つポイントをお伝えします。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

Q. 更年期なのか、妻がいつもイライラしているので疲れます。どうすべきでしょうか?

更年期の妻のイライラ対処法

更年期の妻がいつもイライラしていて疲れた…夫としてできることは?


体調を崩しやすく、精神的にも不安定になることが多い更年期には、イライラした感情をうまく処理できず、身近な人に感情ぶつけてしまう方も少なくありません。そうしたイライラをぶつけられたパートナーは、どのように接するとよいのでしょうか?

Q. 「50歳になる妻がいます。更年期なのか、最近いつもイライラしていて、顔色をうかがうのに疲れました。夫である私はどうすればいいのでしょうか?」
 

A. 理由のない怒りはありません。イライラを増幅させてしまうような言動は避けて

たしかに、更年期には心情が不安定になりやすいのですが、とはいえ、八つ当たりをしているだけとは限らないかもしれません。パートナーの怒りの背景にどのような感情がありそうか、ぜひ考えてみましょう。またご自身の言動について、次の5つに心あたりがないかをぜひふり返ってみましょう。

1)パートナーを馬鹿にする発言をしていませんか?
たとえ仲の良い夫婦でも、馬鹿にされると傷ついてしまいます。冗談のつもりでも、相手の価値を貶めるような発言は、絶対にしないようにしましょう。自分が言われたら不愉快になるような言葉は、他者にかけないのがルールです。

2)「妻が家事をやるのは当然だ」という態度が出ていませんか?
「家事を手伝ってあげている」と考えている方は、要注意です。妻が専業主婦でも「家事は妻担当」というように決めつけていると、実質的には、妻の負担ばかりが増えすぎてしまいます。ぜひ思いやりの気持ちを持って、家事をサポートしていきましょう。

3)家事への関心を持っていますか? 家事の手法を理解していますか?
家事への関心が低すぎると、せっかく家事を手伝っても力になれなくなってしまいます。洗濯物を干すときには手でしわを伸ばす、掃除機は四隅まできちんとかける、というように、効率的な家事の手法を少しずつでも覚えていきましょう。

4)加齢による容姿や体型の変化をからかっていませんか?
年齢を重ねれば、だれにでも容姿に変化が生じるものです。「オバサンっぽくなったね」「おなかの肉がやばくない?」というような発言を軽い気持ちでしていませんか? たとえ冗談でも、加齢による容姿の変化を揶揄されると、深く傷ついてしまいます。

5)疲れているパートナーに不愉快な態度をしていませんか?
年齢を重ねると、疲れやすくなるものです。疲れて休んでいるのに「また寝てるの?」などと言われ、あきれた態度を取られると、体調を理解されていないと感じてやりきれなくなってしまいます。

更年期のように心身共にデリケートな時期には、パートナーに対してより一層の思いやりを持つことが大切です。不快にさせるような言葉をかけたり、行動をしていないかどうか、ぜひ振り返っていきましょう。

さらに詳しく知りたい方は、「更年期で夫にイライラ…怒りをぶつけない3つの思考法」をあわせてご覧ください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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