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「万単位でもらうわよ」夫との“夜の生活”にも課金。元上司と結婚した妹の「異常な夫婦関係」

20歳年上で既婚者だった上司と略奪婚した妹。結婚当初は幸せだったが、次第に夫のモラハラ気質が露呈する。夫の希望で専業主婦となり、生活費が少なくても何も言えない日々。歪んだ力関係に追い詰められた妹が編み出した「苦肉の策」とは。※画像:PIXTA

亀山 早苗

亀山 早苗

人間関係 ガイド

どうして男女は愛し合い、憎み合うのか。日々、取材を重ねつつ男女関係について記事や本に書きつづっている。近年は家族・友人・職場などの人間関係全般や、お金が絡む人間関係のトラブルについても執筆。『くまモン力-人を惹きつける愛と魅力の秘密』など著書多数。

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十分な生活費を渡さないモラハラ夫に対する苦肉の策とは(画像:PIXTA)
十分な生活費を渡さないモラハラ夫に対する苦肉の策とは(画像:PIXTA)

夫にかなり収入があるのに、生活費が足りない。言っても出してくれない。そんな夫婦関係に陥っている人もいるのではないだろうか。夫婦は協力しあって生活を成り立たせなければいけないのに、家事や育児は妻に任せきりの上、十分な生活費を出せるのに出さないなら「ひどい夫」と言われても仕方がないだろう。

既婚者だった上司と結婚した妹

リカさん(40歳)の妹が結婚したのは10年前。妹が26歳のときだった。

「妹は既婚の上司と付き合っていたんです。でも上司が離婚して結婚にこぎつけた。上司は20歳年上です。私も両親も大反対しました。年上すぎるし、今はよくても10年たったら相手は定年退職が見えてくる年齢だよ、そのときあなたはまだ30代だよと。でも妹は聞く耳を持たなかった。上司ということもあって、彼のことを全面的に信頼していたようです。反対しても仕方がないと、私たちも徐々にあきらめるようになりました」

当時、リカさんは出産したばかりで、妹に対して細かくケアすることはできなかった。実家は遠いし、両親も成人した娘の結婚をずっと反対し続けるわけにはいかなかった。それでも父は彼と二人きりで話し、娘を不幸にしてくれるなと言ったそうだ。

「そのときはもちろんです、僕は彼女を愛していますときっぱり言ったんですって。結婚式は上司が再婚ということもあって、身内だけでひっそりと行いましたが、妹はキラキラしていてきれいでした。彼のことが本当に好きだったんでしょう」

夫に逆らえず専業主婦に

妹は結婚してすぐに妊娠、それから6年間に4人の子をもうけた。妹はもう少し間を空けたかったらしいが、「出産後、夫婦関係がOKとなるとすぐに夫が襲ってくる。避妊もしようとしない」と愚痴を言っていたこともあった。

「1人目を生んでから妹は職場復帰するつもりだったのに、すぐまた妊娠してしまって。おそらく彼は、妹に職場復帰させたくなかったんでしょう。専業主婦として母として生きてほしいと言ったそうです。妹は彼には逆らえず、主婦としての道を歩むようになりました」

子ども4人の世話に家事となれば、多忙を極める。しかも夫は、夕飯のおかずが少ないと文句を言うようなタイプで、家事が完璧でないと小言を言われることも多かった。

子どもが増えても生活費が変わらない

結婚したとき、家計管理は夫がし、妹は生活費をもらうということになった。夫からの一方的通達だったが、妹はそれをのみ込んだ。

「妹は親戚の家から出勤していたので、ほとんど自分で家事をしたことがなかったんです。だから生活費がどのくらいかかるかも分からなかった。渡されるもので暮らしていたけど、足りなくて自分の貯金を切り崩していたこともあった。ちゃんと言った方がいいよと言って、子どもが生まれてからは少し増やしてもらったそうですが、それでも子どもが増えると足りなくなる。でも夫は『やりくりが下手すぎる』と言ったんですって」

妹はずっと少ない生活費で必死にやりくりしていた。家でできる内職も始めたが、子どもたちの世話でなかなか納期に間に合わず、内職もできなくなってしまった。

「そんなとき、ある夜、遅く帰った夫が夜食を要求した。妹はさすがにブチ切れたそうです。こんな生活では身が持たない、生活費ももうない、と。『それなら夜食、1500円でどう?』と妹は持ちかけた。そうしたら夫は、フンと鼻で笑ってお金を寄越したんです。これだと思って、それ以来、夫がアイロンをかけておいてと言えば1000円、靴を磨いてほしいと言われれば1500円というように、いちいちお金をとった。妹の夫は、ある企業の幹部でしたから、相当な高給取りなんです。でも前の結婚での養育費も払っていたらしい。それを妹に知られたくなかったんでしょう。だから自分の給料も伝えず、なんとか出費を抑えようとしていたみたい」

夜の生活まで料金を要求するように

夫は自分から生活費を上げると言えず、妹から要求されてよかったと思っているのかもしれない。そのうち、妹は夫婦の夜の生活まで料金を要求するようになった。

「当然、万単位でもらうわよと妹は言っていました。笑っていたけど、なんだかちょっと寒いものを感じましたね。妹自身も、『私だってこんな夫婦関係でいいとは思ってないけど、今はお金のやりとりだけがコミュニケーションになっちゃってるの』と少し寂しそうでした。ふだんは子どもを介しての会話しかしてないって。最近では、子どもが夫と一緒にいると『あら、おじいちゃんと一緒でよかったわね』と言われることもあるみたいで、妹は夫が年上すぎることにもようやく気付いたようです」

年の差が問題ではなく、二人の関係がお金だけのつながりになりつつあることが重要なのだ。それを分かっていながら、すでに軌道修正ができなくなっていることに、妹は苛立っているのだろうとリカさんは言う。

「最初が上司と部下でしたからね。結婚したときにその力関係をいったん平等に戻せばよかったのに、それをしないままに妹は子育てに追われるようになって……。きちんと話し合ったり価値観をすりあわせたりできなかった二人が、今、お金のやりとりだけでつながってる。そんなふうに見えるんですよね」

リカさんは心配そうにそう言った。

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