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磯村勇斗、『正欲』で“人に言えない秘密”をもつ青年を熱演! 稲垣吾郎、新垣結衣と初共演した感想は(4ページ目)

映画『正欲』に出演している磯村勇斗さんにインタビュー。人に言えない指向を持った男性を演じた磯村さんに映画の裏側とキャリアについてお話を聞きました。

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

人生で一番衝撃を受けた映画とは

「正欲」磯村勇斗

好きな映画について熱く語ってもらいました

――All Aboutでは皆さんに好きな映画、あるいは衝撃を受けた映画のお話を伺っているのですが、磯村さんはいかがでしょうか。
 
磯村
:僕が衝撃を受けたのは『縞模様のパジャマの少年』(2008)です。強制収容所のユダヤ人の少年と偶然知り合ったドイツ人の少年の友情を描いた映画です。ホロコーストが背景にあり、ラストの衝撃が忘れられません。
 
2人は柵越しに友情を育んでいくのですが、戦争や差別や迫害の中にあっても、彼らの友情は清らかで罪がない。それなのにとてもやりきれない悲しい出来事が起こるんです。歴史として学んでいた時代の話ではあったけれど、やはり映像で見ると衝撃が強く、見終わった後、しばらく放心状態でした。
 
僕はこの映画をきっかけに子どもの映画に興味を持つようになりました。子どもたちの未来が気になりますし、将来、映画を撮ることができたら、子どもが主人公の映画を撮りたいと思っています。

――磯村さんが監督をする子どもたちが主人公の映画、ぜひ見たいです! では最後に完成した『正欲』を見た感想を。
 
磯村
:人に言えない指向を抱えた人物の話というと、ズドンと胸に来る重い映画と思われるかもしれないのですが、僕は温かい気持ちになったんです。「自分は自分のままでいいんだ」「自分のことを認めてあげなければ」と思いましたし、とても救いのある映画なので、ぜひ見ていただきたい。救われる方がきっといるのではないかと思います。
 

磯村勇斗さん(いそむら・はやと)プロフィール

1992年、静岡県生まれ。2014年デビュー。2015年、『仮面ライダーゴースト』(テレビ朝日)で話題となり、2017年、連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK)で脚光を浴びる。主な出演作にドラマ『恋する母たち』(2020/TBS)、大河ドラマ『青天を衝け』(2021/NHK)など。『ヤクザと家族 The Family』(2021)「劇場版 『きのう何食べた?』」(2021)で、第45回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その他の主な作品は『PLAN 75』『ビリーバーズ』(いずれも2022)。近作は『最後まで行く』『波紋』『渇水』『月』(いずれも2023)。最新作はドラマ『きのう何食べた? season2』(2023/テレビ東京)、『不適切にもほどがある!』(2024年1月より放送予定/TBS)。また、主演映画『若き見知らぬ者たち』が2024年に公開予定。 
 

『正欲』2023年11月10日より全国ロードショー

「正欲」

(C)2021朝井リョウ/新潮社 (C)2023「正欲」製作委員会

桐生夏月(新垣結衣)は実家暮らし。ショッピングセンターの寝具売り場に勤務している。ある日、学生時代の知人から同窓会に誘われ、最初は気乗りしなかったが、佐々木佳道(磯村勇斗)も出席すると聞いて参加することに。学生時代から2人はお互い誰にも言えない秘密を抱えていた。それは人には言えない指向。その気持ちを共有できる相手と再会し、2人の未来に希望が見えたが、それは思わぬ形で変化していく……。

原作:『正欲』(朝井リョウ/新潮文庫刊)
監督・編集:岸善幸
脚本:港岳彦
出演:稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香
 
撮影・取材・文:斎藤 香
スタイリング:笠井時夢
メイク:佐藤友勝
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