人間関係

「役に立たないどころか害になる」。56歳主婦が「夫は天敵のようなもの」と感じた、ある夜の出来事

夫の母が倒れ、父が亡くなり、母も調子がおかしくなり、全員の面倒を見ていたら自分まで調子を崩した。それでも、夫は何もしてくれないのだ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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半世紀以上生きていると、誰しもふっと「疲れた」と思うことがあるのではないだろうか。そんなとき、女友だちとおいしいものを食べに行ったりしゃべったりするのは、女性にとって大きなストレス解消になる。同時に「どうしてこういうとき夫は役に立たないのだろうか」と多くの女性がため息をつく。
話し合ってみると、妻が思っているようなことを夫は考えていないことも

長年連れ添ったパートナーと、分かりあえているだろうか?

 

パートナーって何?

「今年はいろいろなことがありました」

そうため息をつくのは、タカエさん(56歳)だ。長年苦しんだ更年期症状も一段落したと思ったのが昨年秋。結婚して26年、ひとり娘は転勤となり、家から巣立っていった。

「同い年の夫もまだ定年には間があるし、私もパートで働いている。これからは自分の好きなことをしたい、今年の初め、夫にそう言ったんです。そうしたら夫が『まあ、これまで通りよろしく頼むよ』って。これまで通りということは、毎日お弁当を作って、毎日、夫のために夕飯を作るということかと聞いたら、そうだという。

お弁当はまだいいです、私も自分のために作るから。でも毎日の夕飯作りからは解放されたい。今までは娘のために作ってきたけど、これからは自分が食べたいときは作るけど、インスタントですませようとか、時には友だちと外食したりしたいと言ったら、夫は『きみも、今どきの流行で卒婚とか言い出すのか』と急に怒りだして」

家事は「きみの仕事でしょ」と、夫

誰も卒婚なんて言ってない。だけどそろそろ家事から解放されたいし、手抜きもしたいんだと彼女も叫んだ。24時間365日、家族が暮らしやすいようにさまざまなことをひとりでしてきたのだから、わかってほしいと。

「でもそれがきみの仕事でしょと夫は平然と言いました。私は家事をするために結婚したのかなと言ったら、そうじゃないけどと夫はモゴモゴ。だったらそれぞれで家事をしましょう、自分のことは自分でしようと言うと、夫は黙り込みました」

せっかく生活を少し変えようと明るい気持ちになっていたタカエさんだが、夫とのやりとりでガッカリ。さらに正月早々、元気にひとり暮らしをしていた夫の母が脳梗塞で倒れてしまった。リハビリ病院に転院後、自宅に戻ったがひとりでの生活は心もとない。

「夫には弟がいるんですが、もう10年くらい音信不通。夫の実家はうちから1時間ほどのところにあるので、夫としては私に面倒をみてほしい、と。ヘルパーさんだけでは世話しきれないから。義母にはお世話になったからと私も思ったからパートのシフトを減らしてもらって通い始めたんですが、2軒分の家事をひとりで背負うのは大変で、ある日、外でめまいがして転倒、手首を骨折してしまったんです」

利き手の右手だったから、その後は義母の元へも行けなくなった。それどころか自宅の家事さえおぼつかない。

>夫は何もしてくれないし、圧をかけてくる
 
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