根っからの映画好き！ 10月13日公開『春画先生』に出演、柄本佑さんが語る「映画館のベスポジ」

映画『春画先生』は、江戸文化の裏の華である“笑い絵”とも言われた「春画」をこよなく愛する春画研究者の芳賀一郎（内野聖陽）が主人公。その芳賀が執筆する『春画大全』の編集者・辻村俊介を演じるのが柄本佑さん。まずは『春画先生』の依頼があったときのこと、この作品に引かれた理由からお話を伺いました。
 

いつか塩田監督作には出演してみたかった 

――映画『春画先生』の依頼があったときのことから教えてください。
 
柄本佑さん（以下、柄本）：塩田明彦監督作への出演依頼だったので、『春画先生』という作品でなくても引き受けていたと思います。塩田組に関わることができるのはありがたいことですから。塩田さんの映画にいつか出演したいと思っていたのでうれしかったです。
 
脚本も面白かったですね。僕自身、芳賀先生から春画を学んでいる気持ちになりました。塩田監督の前作『麻希のいる世界』（2022）とは違う、もっと初期の塩田作品に近い印象がありました。 ――実際に撮影に入られた感想は？
 
柄本：『春画先生』はしなやかさや柔らかさがある作品ですが、撮影現場の塩田さんは男らしかったです。すごく明確に「～してください」と指示を出していただけたので、演じやすかったですし、塩田さんに身を預けるような気持ちで撮影に臨んでいました。
 
――辻村俊介という役は、芳賀先生の担当編集者として、先生と弟子の弓子（北香那）の橋渡し的な役割も担っていました。どういうキャラクターと解釈して演じていましたか？
 
柄本：辻村は春画先生のことを本当に尊敬していて、『春画大全』を完成させたいという情熱に溢れている編集者。先生のイマジネーションを膨らませるために弓子さんと関係を持った方がいいのならば「やりましょう」という男です。春画先生を輝かせるための縁の下の力持ち的な存在ですね。
 

自分の出演作を見ることができない!?

――内野聖陽さん、北香那さんとの共演はいかがでしたか？
 
柄本：内野さんは、僕が10代の頃から、節目節目でお仕事させていただいています。だから共演するたびに成長した自分を見せなければという緊張感がありますね。でも今回、その程よい緊張感が、春画先生と辻村の師弟関係にもつながっていて良かったんじゃないかと思います。

北さんはかわいらしい見た目からは想像できないエネルギッシュな演技をする俳優でした。辻村は弓子の癇に障るようなことばかりを言うのですが、北さんはストレートに感情を飛ばすお芝居をしていたので、芝居のキャッチボールで辻村と弓子のキャラクターをお互いに引き出すことができたと思います。

――完成した映画を見た感想を教えてください。
 
柄本：僕は昔から、自分の出演作を客観視できないんです。自分の芝居の反省ばかりをしてしまうので、『春画先生』も自分が登場する前までは楽しく見られました（笑）。最初のナレーションのシーンから良くて、塩田さんの面白さ、絶妙な抜け感が出ていて最高でした。

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