今回は、親が亡くなったときのお葬式費用がどのくらいかかるのか、株式会社鎌倉新書が2年に1回行っている「お葬式に関する全国調査」をもとに紹介します。
お葬式にかかる費用はどのくらい?
2022年3月の「第5回お葬式に関する全国調査」によると、葬儀にかかる費用の平均総額は「約111万円」(お布施は除く)です。葬儀の費用に含まれるのは、「基本料金」「飲食費」「返礼品」の3つです。基本料金とは、斎場利用料、火葬場利用料、祭壇、棺、遺影、搬送費など、葬儀を執り行う際にかかる費用をいいます。飲食費には、通夜ぶるまい、告別料理などの飲食料が含まれます。また、返礼品は、香典返しの費用です。飲食料や返戻品代は、お葬式の参列者が多ければ、多いほどかかる費用が膨らみます。
葬式にかかる費用は減少している
最新の調査での葬儀にかかる総額は約111万円でしたが、コロナ以前の2020年の調査では約184万円。約73万円も多くかかっていました。理由としては、新型コロナウイルス感染症を拡大しないため、多くの人が参列する「一般葬」ではなく、家族・親族が中心の「家族葬」を選ぶ方が増えたからです。 また、平均参列人数は、2020年「55人」、2022年「38人」となり、過去最少に減少しました。
お葬式にかかる費用と別に「お布施」も必要
葬儀にかかる費用とは別に、お布施も必要となっていきます。お布施とは、お寺・教会・神社など宗教者へのお礼として納めるもので、平均は約22万円です。ただし、お布施は、地域性や宗教者との関係により変動するものであり、平均額を大きく超え50万円以上という場合もあるようです。
また、2020年のお布施の平均は約24万円ということもあり、コロナ禍による影響はほぼありません。お布施はお葬式に必ず必要な費用のため、相場については、地域で詳しい人に事前に確認しておく方がよいでしょう。
お葬式費用のまとめと事前に準備しておけばよいこと
お布施も含めたお葬式費用の平均総額は「約111万円(お葬式費用)+約22万円(お布施)=133万円」です。お葬式費用は、コロナ禍の影響で家族葬を選ぶ方が増えたこともあり、前回の調査に比べ大きく減少しました。
とはいえ、お葬式には、トータルで100万円以上ものお金が必要になります。
しかも、親が亡くなってから短時間で葬儀についてのさまざまなことを決めることになります。葬儀を執り行うのは初めてという場合も多く、「どう判断したものか、迷う」ことも多々あるはずです。
そうならないためにも、親が元気なときに、万一のときは「葬儀を一般葬、家族葬のどちらがよいか?」「葬儀場はどこがよいか?」などをヒアリングしておくとよいでしょう。