今回は、東京暮らしと、地方暮らしの生活費を比較して、その違いを確認してみましょう。
東京と地方、1カ月の収入と支出はいくら?
まずは、地域ごとの家計費を比較してみましょう。東京都と、移住先としておすすめの地域5つ(北海道・長野県・静岡県・奈良県・福岡県)で、1カ月あたりの支出を比較してみましょう。もとになるデータは、総務省の「2022(令和4)年家計調査」です。支出には、食費、交通・通信、被服及び履物、教養娯楽、水道光熱、教育などの消費支出と、税・社会保険料などの非消費支出が含まれています。
●東京都23区と地方都市の収入・支出一覧 収入、支出ともに、東京都23区が地方都市よりも多くなっています。しかし、支出に関しては、東京都23区が、全ての費目で地方を上回るわけではありません。状況を確認するため、主な費目の内訳を以下で確認してみましょう。
●東京都23区と地方都市の主な支出費目一覧 上記の表からわかることを以下にまとめます。
《東京都23区の方が地方よりも高い費目》
・食費は、東京が地方よりも4~20%ほど高いです。
・住居には、住宅ローンは含まれていません。家賃や家の修理、庭の手入れなどが対象になります。東京は地方と比べ、最大2.3倍も差があります。
・教育費は、地方都市に比べ東京が圧倒的に高くなっています。地方都市の中では、奈良市が一番高く、東京都と比べて30%ほど低くなっています。
《地方の方が東京都23区よりも高い費目》
・水道・光熱は、札幌市・長野市・静岡市・奈良市が東京23区よりも10~30%高くなります。
・交通・通信は、東京23区よりも地方都市の方が多くなっています。多い理由は「自動車等関係費」が東京都よりも2~3倍多いというのが理由です。
地方は自動車が必須アイテム!維持費に多くのお金がかかる
地方は東京に比べ、物価が安く家計の支出が少なく済むというイメージがあります。実際、多くの費目では、東京よりも地方は安く、中でも、住宅にかかるコストは、地方の方が安く抑えられるといえるでしょう。しかし、実際に「住む」となれば、その土地に合わせた支出が発生するため、意外にお金がかかるものもあります。
たとえば、寒い土地に引越しをすれば、1年の中で暖房機を使う時期が長くなることもあり、電気代・灯油代が多くかかるでしょう。
また、バスや電車などの公共交通機関は、東京のように整備されていません。地方では、スーパーやドラッグストア、病院などに行くときは、だいたい車に乗ります。
自動車は必須アイテムなので、車の購入代、維持費(自動車税、自賠責保険、任意保険、ガソリン代、車検代)が大きな出費になります。
まとめ
東京の会社に勤務しながら、地方に住むリモートワークができれば、「収入=東京の水準」「支出=地方の水準」になり、両方の良いところを併せ持つことができるかもしれません。とはいえ、実際の地方暮らしは、都会暮らしの人にとってみれば、「不便」と感じることも多いでしょう。
地方暮らしに興味のある方は、地方移住を希望する人に向けたWebサイトや自治体ごとの移住相談窓口で情報収集をしてみるとよいでしょう。