後期高齢者医療制度とは?
後期高齢者医療制度とは、75歳以上の人、または一定の障害の状態にあると認定を受けた65歳から74歳までの人が加入する公的医療保険制度です。75歳までは、会社員以外の人は国民健康保険、会社員や公務員などは協会けんぽや共済などに加入していますが、75歳以上になると自動的に後期高齢者医療制度に加入することになります。「改正健康保険法」の内容
2023年5月に成立した「改正健康保険法」で、後期高齢者が負担する保険料が引き上げとなる理由には、以下の2つがあります。・出産育児一時金「42万円から50万円へ増額」の財源支援のため
出産一時金の財源のほとんどは、現役世代の医療保険などで賄われていました。しかし、今後、現役世代の人口が減ることが予想されます。そこで、子育てを後期高齢者も含めた社会全体で支援するしくみに変更することになりました。
・現役世代が負担する医療費を抑制するため
高齢者医療制度を支える財源には、国などの公費の他に現役世代からの後期高齢者支援金、後期高齢者の保険料などがあります。しかし、高齢化社会という現状もあり、現役世代の保険料負担が大幅に増大しています。その負担の軽減を図るために、高齢者の保険料負担が見直されることになりました。
●年金が2024年度は211万円以上、2025年度は153万円以上の方は保険料増に注意!
後期高齢者が負担する保険料の所得にかかる保険料率と、保険負担の上限となる賦課限度額が引き上げとなりました。
保険料率は、前年の所得に掛ける保険料率が9.87%から10.70%へ「0.83ポイント」引き上がります。
賦課限度額は、現在の66万円から2024年度には73万円、2025年度には80万円に引き上がりました。
ただし、この改正で保険料に影響があるのは、後期高齢者の中でも収入が多い人であり、全体の約4割が対象です。
年金の目安は、2024年度からは211万円を超える人、2025年度からは153万円を超える人が対象になります。
参照:厚生労働省「医療保険制度改革について」
2024年度以降の後期高齢者医療制度保険料の具体的な増加額は?
改正健康保険法で、後期高齢者の負担する保険料が増える人がいます。この方たちの保険料は今後どのくらい増えたのか、厚生労働省による試算の結果で確認してみましょう。●後期高齢者が今後負担する年額保険料
画像より、年金を目安に、保険料の増加見込みをまとめると下記のとおりです。
・2024年度は、年金が211万円を超える人の保険料が増加した。
・2025年度は、年金が153万円を超える人の保険料が増加する見込みです。
75歳以上の方が負担する保険料は、年収が多ければ多いほど負担額が増加することになります。
しかし、一定額以下(2024年度であれば年金が211万円未満、2025年度であれば年金が153万円未満)であれば、負担額が増えないようになっているのです。