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人生が100年とすれば、60~65歳で仕事を辞めても、残り35~40年もの期間があります。長い人生の後半、お金の心配をせずに過ごしたいものですが、老後資金の準備は、順調な人ばかりではありません。そこで、今回は、60歳からの残り35~40年を安心に暮らすための3つの備えを紹介します。
老後を安心して暮らすための備え1:年齢に関係なく働けるうちは働き続ける
60~65歳で、仕事を辞めて「これといってすることがない……」となれば、これから先の心配ばかりに気持ちが向いてしまうかもしれません。暇を持て余すことのないよう、年齢に関係なく、働けるうちは働くようにしましょう。働くといっても、60代以降の期間はフルタイムで働き詰めというのではなく、働きたい範囲で調整するとよいでしょう。定期的な収入が得られれば、安心感が得られ、気分は上向きます。
その際、自分のスキルや経験が生かせる仕事、興味がある仕事であれば、楽しくイキイキと過ごすことができます。また、社会との接点ができることで、孤独を感じることはないでしょう。
老後を安心して暮らすための備え2:現役時代に貯蓄する習慣を身につけておく
老後を安心して暮らすためには、ある程度の貯蓄があることが基本です。現役のときから老後に向けて、毎月決まった金額を積み立てていきましょう。その際、毎月決まった額が給料日に自動で引き落とされる仕組みを利用した「先取り貯蓄」がおすすめです。先取り貯蓄は、毎月一定額を貯蓄に回すため、着実にお金が貯まります。また、たとえ収入が少なくても、残ったお金でやりくりする習慣が身につきます。どんなときでも支出をコントロールできるという自信がつけば、お金に困るという不安から解放されます。
老後を安心して暮らすための備え3:年金を繰り下げ受給する
老後、受け取る年金は、基本65歳から受給開始となりますが、75歳まで繰り下げすることができます。(昭和27年4月1日以前生まれの人は繰り下げの上限年齢は70歳)年金を繰り下げすることで、1カ月あたり0.7%の増額になります。5年繰り下げすれば「0.7×60カ月=42%増額」、10年繰り下げすれば「0.7×120カ月=84%増額」になります。一生涯もらえる年金が増額になれば、老後にお金がなくなり困窮する長生きリスクに備えることになるでしょう。年金の繰り下げは、老齢基礎年金だけ、老齢厚生年金だけというように、一方だけ選択することも可能です。毎月の収入との兼ね合いを見ながら、無理のない範囲で、繰り下げを検討するようにしましょう。
現役時代から計画的な準備が大事
老後お金の不安を感じることなく、安心して暮らすためには、「60代以降も働いて年金以外の収入を確保する」「先取り貯蓄をして支出をコントロールする」「年金を繰り下げて、よい利回りで受け取る」ことが必要です。たとえば、長く働くには、健康であることや長く働けるスキルを持っておく必要があるでしょう。また、支出をコントロールするには、先取り貯蓄を継続して、節約や工夫する習慣を身につけておかなければならないでしょう。さらに、5年で42%、10年で84%と確実に増額する年金の繰り下げをするには、年金収入がない期間の生活費を賄うための、定期収入があること、もしくは、その期間の生活資金が準備できていることが前提となるでしょう。
どれも、簡単なようですが、確実に行うには、現役時代からの準備が肝心といえます。
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