メキシコの朝ごはんは、かなりガッツリ
メキシコの朝ごはんは、当地の主食であるマイス(とうもろこし)の薄焼きパン=トルティージャを使った料理が多いのが特徴です。炭水化物の割合も多めで、揚げ物も入っていたり、辛いサルサを使っていたりするので、胃がびっくりしそうな気もしますが、これが、かなりおいしくて1日の始まりの活力を与えてくれます。まず、メキシコ定番の朝ごはんの内容を紹介していきましょう。自宅で作ったりもしますが、主にレストランや食堂で食べられることが多い品々です。
1:チラキレス(Chilaquiles) トルティージャを切って揚げたものに、温めたグリーントマトか赤トマトベースのサルサをたっぷりかけて、ゆでた鶏肉をほぐしたものや、目玉焼きなどをのせ、たまねぎスライス、香草、フレッシュチーズ、サワークリームをトッピングした料理。
2:エンチラーダス(Enchiladas)、またはエンフリホラーダス(Enfrijoladas) トルティージャにゆで鶏肉をほぐしたものやチーズなどを入れて、くるっと巻いたものに緑か赤トマトのサルサ、またはモレ(チョコレート、ナッツ、スパイスなどが入ったソース)をたっぷりかけて軽く煮込んだ料理。トッピングはチラキレスとほぼ同じ。エンフリホラーダスはエンチラーダスとほぼ同じですが、サルサのかわりにフリホーレス(煮豆)をピューレ状にしたソースをかけたものです。
3:モジェテ(Mollete) 小さいバゲットのようなボリージョというパンを2つに割って、その表面に、フリホーレス(煮豆)のペーストを塗り、ゆでた鶏肉をほぐしたものかハム、チーズをのせてトースターで焼いた料理。仕上げにサルサ・メヒカーナ(トマト、玉ねぎ、青唐辛子をみじん切りにして合えたソース。ピコ・デ・ガジョとも言う)をかけて食べます。
4:卵料理 炒り卵やオムレツもありますが、メキシコらしいものでは、軽く炙ったトルティージャの上で目玉焼きを作り、サルサをたっぷりのせて軽く煮たウエボス・ランチェーロス(Huevos Rancheros)や、一皿の中に緑と赤の対比色のサルサが半分ずつかかっているため、「離婚した卵」という意味を持つウエボス・ディボルシアードス(Huevos Divorciados)という料理があります。フリホーレスが添えてあることが多いです。
飲食店では上記のメイン料理に加えて、オレンジやグレープフルーツなどの搾りたてジュースか季節のフルーツをカットしたもの、コーヒーをセットすることができます。
家で食べる朝ごはんは、とっても地味
筆者の周りには朝はギリギリまで寝ていたいという人が多く(苦笑)、平日は食事をゆっくり作ったり食べたりする時間がないようで、トルティージャにチーズなどを挟んで焼いた「ケサディージャ」、菓子パン、サンドイッチなどで簡単に済ませたりします。昼食の時間が遅めのメキシコなのに、こんなに朝食が軽くて空腹に耐えられるのかと思われるかもしれませんが、その疑問には次でお答えしましょう。
路上は朝ごはんの宝庫
朝の通勤や通学途中にみんながよくやっているのが朝の買い食い! というのも、オフィス街や学校、地下鉄やバスの駅の前には、朝食の時間帯にドリンクやサラダ、サンドイッチ、タコス、タマレスなど豊富な種類の屋台が出店しているのです。搾りたてのジュースやカットフルーツにグラノーラやヨーグルトをトッピングしたものが気軽に買える屋台もあり、家でフルーツをむいたり切ったりする手間も省けて時短になるので利用している人が多いようです(旅行者にとってもうれしいサービスですが、購入する際は衛生的な店を選んでくださいね!)。
メキシコを旅する際には、レストランで優雅に朝食をとるのもステキですが、路上でガッツリ食べるのもおすすめです。