その間、年金をもらわないとなると、やはり「働いて収入を得る」人が多いのではないでしょうか。今回は70代のうち、どのくらいの方が就業して、どのくらいの年収を得ているのかを紹介します。
70代で働いている人の割合はどのくらい?
「2022(令和4)年版高齢社会白書」によれば、2021(令和3)年の労働力人口は、6907万人でした。そのうち、70歳以上は516万人(7.4%)です。また、同調査での一定年齢で区切った2021(令和3)年の就業率の推移を見ると、70~74歳が32.6%、75歳以上が10.5%となっており、70~74歳のうち約3人に1人、75歳以上になると約10人に1人が働いていることがわかります。
さらに、60歳以上の男女を対象に「あなたは、何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいですか?」という質問に対しては、現状、「収入のある仕事をしている人」のうち、「働けるうちはいつまでも(36.7%)」と一番多く、次いで「70歳くらいまで(23.4%)」、「75歳くらいまで(19.3%)」と続きます。働き方は、人それぞれかもしれませんが、働くことに対して高い意欲を持っていることがわかります。
70代で働いている人の平均年収はどのくらい?
次は、70代で働いている人の平均年収を厚生労働省「2022(令和4)年賃金構造基本統計調査の概況」で確認してみましょう。それによれば、男女をあわせた平均賃金は23万8100円で、年収は285万7200円となります。また、男女別でみてみると、男性の平均賃金が24万5900円(年収295万800円)、女性の平均賃金が21万7800円(年収261万3600円となっています。70歳を過ぎても、働いてこれだけの収入があれば、ゆとりのある生活ができるのではないでしょうか。
70歳以上も働くときは年金が減額になるボーダーライン「48万円以下」に注意
働くことは「社会とのつながりが持てる」「規則正しい生活が送れる」など、収入を得る以外でもメリットがあります。そんな中、70歳以上も厚生年金の適用事業所で働くときは、在職老齢年金制度に注意が必要です。在職老齢年金制度とは、60歳以上で老齢厚生年金を受け取っている人(老齢厚生年金を繰り下げしている人も含む)が、厚生年金適用事業所で働いている場合、老齢厚生年金(の基本月額)と給料などの合計額が48万円を超えると、老齢厚生年金が全額停止されたり、一部停止になったりする制度です。ただし老齢基礎年金は在職老齢年金制度の影響を受けません。
厚生年金の被保険者になるのは70歳までとなり、70歳以上は被保険者の対象から外れます。しかし、引き続き働き、一定以上の収入を得ていれば、60歳代後半の在職老齢年金と同じ仕組みで同様の調整が行われます。
もし、70歳以降も働き続けるのであれば、お近くの年金事務所などで在職老齢年金に該当するのかどうか確認しておきましょう。
参照:日本年金機構「在職老齢年金制度」
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