老後は、介護費用や住宅のリフォーム代などの費用も必要です。欲しい、憧れという気持ちだけで、うっかり退職金を使ってしまえば、後悔することになるかもしれません。そうならないために、今回は、退職金で車を購入する前にしてほしいことと、併せてシニアに適した車選びをご紹介します。
憧れの車を買う前に「老後の生活費とそれ以外にかかるお金」を書き出してみよう!
まずは、老後にどのくらいお金がかかるのか、ざっくりでいいので具体的な数字を出してみましょう。老後の生活費とそれ以外で必要な費用は、以下のものがあります。●老後の生活費
老後に得られる収入や年金受給額を確認して、毎月の生活がその範囲内で送れるかどうかを試算してみましょう。不足額がある場合は「不足額×90歳まで」を算出しましょう。
厚生労働省によれば、2022年の日本人の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳なので、90歳を目安に考えておきましょう。
●老後の生活費以外の費用
【老後の住まいに関する費用】
持ち家の方であれば、高齢者向けにトイレ・階段・浴室・玄関などのリフォームが必要になります。賃貸にお住まいの方であれば、高齢者向けの賃貸住宅などを具体的に考えておきましょう。
【冠婚葬祭費用】
冠婚葬祭費用は、自分や自分の家族にかかるもの以外で、近い親戚などで必要になるものもあります。
【介護費用】
公益財団法人生命保険文化センターによれば、月々の介護費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)の平均は8万3000円。介護期間は平均5年1カ月となっています。つまり1人あたりの介護費用は「8万3000円×61カ月=506万円」が目安です。
主なものは以上ですが、これら以外でも、個人的に必要と思うものがあれば、追加でどんどん書き出しましょう。
シニア世代の車選びは「事故を未然に防ぐ機能・色」「維持費の安さ」
前述の「老後の生活費とそれ以外にかかるお金」を合計した額と、老後に入るときに準備できている貯蓄額を比べ、今後の備えが十分できているなら、憧れの車を買っても問題ないといえます。しかし、不足しているなら、車を買うのはやめておいて、今の車を大切に乗りましょう。ただ今の車が古くて、新しい車を購入するのであれば「小回りのきく軽自動車かコンパクトカー」にしてはどうでしょう。
というのは、高齢になってからは車で遠出をすることはあまりないかもしれないからです。実際、シニア世代の生活での車の利用は、主に買い物や病院通いなどに限られるのではないでしょうか。
軽自動車かコンパクトカーの新車には、安全装置が標準装備されており、低燃費なうえ、「エコカー減税」や「サポカー減税」の対象になるため節税にもなります。
その際に選ぶ色は、「赤・黄・オレンジ」などがおすすめです。暖色系の膨張色は、実際の距離よりも車が近くに見えるので、相手側の危険予知が早くなります。しかし、派手な色は嫌というのであれば、ボディが光を反射しやすい「白・グレー」もいいでしょう。
シニア世代は「事故を未然に防ぐ機能・色」「維持費の安さ」を基準に車選びをしましょう。
最後に、シニア世代になったら、ある程度の年齢になれば免許の返納なども考えることになります。その点も踏まえて購入の計画をするといいでしょう。