ペットが起こしたトラブルの責任は飼い主が負うことになる
ペットの飼い主は、ペットの管理を十分に行っていても、何かの拍子でペットが他人にケガさせたり、他人のモノを壊したりということが起こることを想定しておく必要があります。もし、そのようなトラブルが起こってしまえば、飼い主はその責任を負うことになるからです。例えば、他人にケガを負わせたのであれば、病院の治療費、薬代、通院するときの交通費、慰謝料などを負担することになるでしょう。また、モノを壊したのであれば、弁償代などを支払うことになります。
ペットが起こす可能性のあるトラブルの内容はさまざまですが、ニュースなどで犬が人に噛みついたという事件が報道されることがあります。
環境省の「動物愛護管理行政事務提要(令和3年度版)」によると、犬の咬傷事件は4423件ありますが、ほとんどが飼い犬によるものです。また、被害にあった人の約9割が他人となっています。犬を飼っている人は、飼い犬が他人に危害を加えてしまう可能性にも注意しておく必要があります。
犬だけではなく、ペットには猫や爬虫類など、いろんな種類があります。「家の中で飼っているから大丈夫!」と思っていても、外に脱走することがあるかもしれません。いつもと違う環境下では、ペットが人に危害を加えることもありうるのです。
高額な賠償責任を負うかもしれないリスクに備える「個人賠償責任保険」
飼い主が、ペットが起こすトラブルで高額な賠償責任を負うかもしれないリスクに備える方法としては「個人賠償責任保険」への加入があります。個人賠償責任保険とは、個人の日常生活で、意図せず他人に損害を与えてしまったとき、被保険者本人または配偶者や同居の家族、別居の未婚の子などが被る賠償金の支払いや負担する必要がある費用を填補する保険です。
個人賠償責任保険は、独自で加入できますが、多くは火災保険、自動車保険、傷害保険など加入している保険の特約で賠償責任の補償がついています。
また、ペット保険に加入している場合は、「ペット賠償責任特約」というものがあります。補償内容は火災保険・自動車保険・傷害保険の特約と大きな違いはありません。
これらの特約に加入することで、買っているペットが人にケガを負わせた場合や、他人のモノを壊した場合等のリスクに備えることができるでしょう。
ただし個人賠償責任保険の補償については、注意してほしいこともあります。例えば、飼い主が飼っているペットに噛まれてのケガの被害者は第三者のみが対象になります。飼い主の同居の親族は対象外となります。
さらに、以下の場合は補償の対象外となる可能性があります。
《個人賠償責任保険の補償から外れる可能性がある事柄》
・飼い犬がワクチンなどの予防接種を打っていない場合
・ドッグランで犬を遊ばせているとき、犬同士が咬傷事故を起こした場合
など
ペットが起こすトラブルに対応するためには、個人賠償責任保険の加入以外に、ペットのしつけや、日ごろのケアなどが重要です。この機会に、保険の加入とあわせて、ペットの管理についても改めて確認するようにしましょう。