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部下の話す気を削ぐ「残念上司」ができていない、効果的な「1on1」 今さら聞けない手順とは?

今さら聞けない効果的な「1on1」の正しいやり方とは? 部下の不安や緊張を緩和し、良い面談にするためのコツを、ノンバーバルコミュニケーションの観点から解説します。

美月 あきこ

執筆者:美月 あきこ

ビジネスマナーガイド

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今さら聞けない「1on1」の正しいやり方・NGを解説


モチベーションが高まる新年度。組織目標の設定や前年度の査定などが行われ、上司と部下の1対1の面談「1on1(ワンオンワン)」も多く行われます。新しいメンバーが編成された中で、上司と部下が初めて顔を合わせる場合も多く、お互いに緊張することも予想されます。
 
今回は、上司と部下の初めての面談において、部下の不安や緊張を緩和し、良い面談にするためのコツを、主にノンバーバルコミュニケーションの観点から解説します。
 

1on1に対する部下の不安は?

新年度初めての面談に対し、部下には2つの不安があるはずです。
 
1つは、「何から話そうか」「どのように伝えれば理解してもらえるか」などの話す内容に関する不安です。上司にはうまい聞き方のスキルが求められます。
 
もう1つは、「上司はどんな人なのか」「自分の話にきちんと耳を傾けてくれるのか」という上司に対する不安です。相手に対する不安を抱いたままでは、自分自身のことや仕事上の悩み、直面している課題などについて話すことを躊躇(ちゅうちょ)してしまいます。
 
これらを踏まえると、上司が1on1を円滑に進めるために何より重要なことは、部下が安心して話ができるための良好な関係作りだといえます。

次では、お互いの緊張が緩和される1on1の座り方から説明します。
 

1on1面談、どこに座るのがベスト?

1on1を実施する場所ですが、決まりきった場所でなくてもよく、毎回同じ場所で行う必要もありません。ただ、会話の内容が第3者に聞こえないよう配慮が必要です。会議室やラウンジなど、話す内容によって適切な雰囲気の場所を選びましょう。

特に初回はお互い緊張することが予想されます。観葉植物や絵画、オブジェなどが自然に目に入る場所や、座る位置を工夫するなど、リラックスできる空間選びが必要です。

面談・面接の際の座り方には一般的に2種類があります。

(1)対面法
採用面接などで多く使われます。向かい合い、相手の目を見つめながら話すため、視線を逸らすタイミングや視線の定め方が困難で、緊張しやすい座り方とされます。

(2)90度(直角)法
お互いテーブルの角を挟んで直角に座ります。真っすぐ前を向けば自然と視線を外せるため、アイコンタクトも自然に行うことができます。コミュニケーションに適した座り位置とされ、お互いリラックスできるでしょう。

特に初回面談時には、(2)の座り方が適しています。事前に想定しておきましょう。
 

1on1の流れ・手順と、やってはいけないNG態度

面談の進め方は、その目的や相手に応じて、毎回同じとは限りませんが、基本の型があります。その型と技法を効果的に活用するための順序や、注意すべきやってはいけないNGな態度・表情を確認しましょう。

(1)あいさつ
「〇〇さん、お待たせしました」と目を見ながら、笑顔であいさつします。部下に着席を促し、その後自分も座ります。

このとき、眉間のしわを寄せていたり、口角の下がった「への字口」になっていたりすると、「機嫌が悪そう」「怖そう」などの印象を与えてしまい、「早く終わってほしい」と、対話への意欲が失われてしまうため注意が必要です。

(2)自己紹介
「改めまして■■です。3月までは〇〇さんと同じ仕事をしていました。よろしくお願いします」と謙虚なあいさつ、アイコンタクトと笑顔を忘れず、相手の不安や警戒心を解きましょう。

いすの背もたれに寄りかかって足を組んだり、背中を丸めて、腕を組んだりする姿勢は「クローズド・ポジション」といい、相手を拒否する態度なのでNGです。また、顎が上がっていたり、相手を凝視したりすると、偉そうで横柄な上司と認識されます。「取っ付きにくい」というネガティブな印象も与えてしまうので注意が必要です。

(3)導入
簡単な雑談で、天気や季節、相手を気遣うような質問をします。

「チームの〇〇さんと同期だそうですね」と、「はい」「いいえ」など2択で答えられるような簡単な質問をし、さらに、「心強い存在ですね」とお互い親しみを感じるきっかけになる会話を心がけます。

NGは、自分の話を延々と話すことです。あくまでも主役は部下です。問いかけに答える際には、優しい眼差しでうなずき、時折あいづちを入れながら傾聴します。

(4)目的の共有
「今日は、〇〇さんの1年間の目標と、それに向けての行動プランを教えてください。20分を予定していますが時間は大丈夫ですか?」と目的確認と同意を得ておきます。あくまでも、部下主体で進行しましょう。

(5)本題
部下が自由に話せるように、相手が答える範囲に制約を設けず、一切遮ることなく聞き役に徹します。メモや記録を取りながら、うなずきやあいづちで反応を示し、時折目線も合わせます。

メモを書くことに集中し、記録やメモから顔を上げないままの状態で話を聞いたり、ペンや指先でテーブルをたたいたりする仕草はNGです。好意的に話を聞く態度を見せてください。相手が不安になったり、話す意欲を低下させてしまったりしないよう自身の表情や態度にはくれぐれも注意しましょう。

(6)まとめ
部下が話した内容を要約し、内容を共有します。問題に対する理解を深めたり、解決に向けて促したりします。

最後に質問はありますか、と確認し、「ありがとうございました。お疲れさまでした」と感謝と労いを伝え、「次回は3カ月後に、と考えています」と笑顔で終えてください。


1on1は組織の人材育成に一定の効果があるとの研究結果がありますが、それは部下にとって、上司との会話や一緒に過ごした時間に対して満足を感じられた場合に限ります。上司にとっては聞き役に徹する1on1ですが、ふとした表情や態度に部下は緊張したり不安感を抱いたりするため、ただ聞いていれば良いと思わず、本記事で説明した事項に注意しましょう。効果的な1on1を目指してください。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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