私立中学校の入学金相場は学校や地域によって異なる
希望する学校の入学金をいつ納入するかは事前に把握しておきたい
- 45万円……頌栄女子学院
- 40万円……海陽、神戸女学院
- 38万円……桜蔭、女子学院
- 37万円……武蔵
- 34万円……慶應義塾中等部、東邦大東邦
- 33万円……市川、巣鴨
- 32万円……青山学院中等部、開成
- 30万円……麻布、栄光学園、共立女子、駒場東邦、白百合、早稲田実業
- 29万円……渋谷渋谷、東京女学館
- 28万円……明大中野
- 27万円……城北、桐朋
- 26万円……本郷、帝京
- 25万円……大妻、攻玉社、栄東、逗子開成、聖光学院、灘、立教女学院
- 24万円……洗足学園、雙葉
- 21万円……大宮開成
- 20万円……愛光、関西学院、東大寺学園、南山女子部
- 16万円……広島学院
- 15万円……ラ・サール
- 12万円……同志社
- 11万円……早稲田佐賀
- 10万円……開智、久留米大附設、昭和薬科大附属、洛南
- 8万円……サレジオ
- 7万円……星稜、福岡雙葉
- 3万円……青森山田
- 0円……岩手
入学金の額は学校によって実にさまざまです。傾向として、比較的多いのが30万円と25万円、関西の学校は関東より全体的に低めで、その他の地域は関西よりもさらに低めとなっています。
入学金の納入期限は合格発表からわずか数時間の学校もある
入学金は大きな額になりますが、多くの学校では納入期限まで数日しかないため、事前に納入する準備をしておく必要があります。合格発表から納入までの時間が特に短い学校の例を下記に載せておきます。- 青山学院中等部……合格発表2月3日10時/納入期限2月3日15時 ※3日15時までに学校へ行って手続きをする必要があります。
- 麻布……合格発表2月3日15時/納入期限2月4日正午 ※3日17時までに学校へ手続き書類を受け取りに行き、納入後の4日も正午までに学校へ行って書類の提出が必要です。
- 慶應義塾普通部……合格発表2月2日19時/納入期限2月3日15時 ※入学金以外に授業料43万5000円(分納の場合)、教育充実費20万円、校友会費1万5000円も必要で、入学金を含めると99万円になります。2日20時までに学校へ手続き書類を受け取りに行き、納入日の3日も学校へ行って手続きをする必要があります。
- 豊島岡女子学園……合格発表2月2日・3日・4日の各試験日当日の19時/納入期限各試験日の翌日正午
- 立教池袋(第1回)……合格発表2月3日9時/納入期限2月3日15時
- 立教女学院……合格発表2月1日21時/納入期限2月2日正午 ※2日正午までに学校へ手続き書類を受け取りに行く必要もあります。
青山学院中等部は、合格発表後に入学金を納入してから学校へ行って手続きするまでを、5時間以内に行わなければなりません。最近はクレジットカードで払える学校が多くなり、納入手続きは簡単になってきましたが、中には振込しか対応していない学校もあるので注意が必要です。
入学金を納入後に本命校に合格すると二重三重で負担することもある!
子どもにはお金の心配なく進学してもらいたい
例えば、ある男子が大学附属の中学を希望していて、立教新座、青山学院中等部、慶應義塾中等部の3校を受験するとしましょう。各校のスケジュールは下記の通りです。
- 立教新座(第1回)……試験日1月25日/合格発表1月26日15時/入学金納入期限2月2日16時59分/入学金30万円
- 青山学院中等部……試験日2月2日/合格発表2月3日10時/入学金納入期限2月3日15時/入学金32万円
- 慶應義塾中等部……試験日1次2月3日、2次2月5日/合格発表2月6日15時/入学金納入期限2月7日13時/入学金34万円(納入額は99万円)
そして、下記の結果になったとします。
- 立教新座に1月26日合格……入学金納入期限までに青山学院中等部の結果は出ていなく、慶應義塾中等部はまだ試験を受ける前です。後の2校に合格する保証はないので、この段階では立教新座への入学を考えて入学金30万円を納入。
- 青山学院中等部に2月3日合格……立教新座へ納入済みですが、子どもが青山学院中等部の方をより希望しています。1次試験が終わっただけの慶應義塾中等部に合格する保証はないので、青山学院中等部への入学を考えて入学金32万円を納入。
- 慶應義塾中等部に2月6日合格……運良く慶應義塾中等部にも合格したので、子どもに改めて進学希望先を確認したところ、慶應義塾中等部への進学を最も希望しています。その結果、慶應義塾中等部へ入学するために入学金34万円を納入。
一度納めた入学金はいかなる理由でも返還されません。この例では、結果的に3校へ計96万円も入学金を納入しています。立教新座と青山学院中等部へ納入した分は返還されないので、慶應義塾中等部だけに納入した場合よりも62万円多く納入したことになります。
一般家庭なら62万円は大金です。合格祝いに一家で海外旅行ができるくらいの額です。先に合格した学校へ納入しなければ二重三重に納入することはないですが、よほどの自信がない限り、納入しない選択はできないでしょう。結果は子どもも親も大喜びですが、想定外の出費に親は泣きたい気持ちも多少あるかもしれません。
このような事態を回避するには、各校の入試スケジュールを試験日だけでなく手続き期限等も含めて確認した上で受験校の組み合わせを考える、またはあらかじめ二重負担くらいは想定しておくしかないです。
中学受験は一度しかない(来年はない)挑戦です。受験生だけでなく親も悔いのない準備をして、本番に臨むようにしましょう。
※校名は一部省略して簡易的にしています。入学金その他のデータは2023年3月25日時点、筆者調べ。