人間関係

統計が物語る「モラハラ離婚」の激増…“支配と独占”で愛を表現する夫に専業主婦を強要されて

最新の「司法統計」によれば、離婚理由における「モラハラ」の割合が激増していることがわかる。夫の愛は「支配と独占」だったと語る30代女性が、自身の体験を語ってくれた。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

大恋愛の末に結婚したとしても、その後、充実した生活が送れるとは限らない。独身時代は優しかったのに、結婚したら夫が変わり、モラハラを受けているという話はよく聞く。

だが人間はそう簡単に正反対の性格になるわけではない。実際には夫の中にあった気質が結婚を機により強く出てきたのか、あるいは妻の受け取り方に変化が出てきたのかのいずれかではないだろうか。

統計が物語る「モラハラ離婚」の激増

1
2021年の司法統計(最高裁判所※)によれば、離婚調停の申立理由の1位は「性格の不一致」だが、2位以下は「生活費を渡さない」「精神的虐待」「暴力」と続く。約10年前も1位は「性格の不一致」だったが、2位以下は「暴力」「異性関係」「精神的虐待」だった。異性関係が後退して、モラハラが増えているのがわかる。

「私もモラハラで離婚しました」

そう言うのはアキさん(39歳)だ。34歳のときに親戚からの紹介で3歳年上の男性と出会った。

「結婚したかったんです。子どももほしかった。紹介された彼は、いかにも堅い企業のサラリーマンという感じだった。まじめで堅実、コツコツ頑張るタイプだと自分でも言っていました。女性に慣れてない感じはありましたが、デートを重ねるうち、優しさを見せてくれるようにもなった」

3度目に会ったとき、結婚を前提に付き合ってもらいたいと言われてうれしかったとアキさんは言う。付き合うと決まってからは彼は毎日、連絡をくれた。デートの相談では、いつも「アキちゃんが行きたいところに行こう」と彼女の思いを優先させる。愛されている、大事にされていると思えた。

「この人なら結婚してもうまくいく。そう思いました」

出会って半年で結婚したが、今思えば、結婚後の青写真をすりあわせないままだった。当時は賃貸マンションを借りて新居としたが、子どもはどうするのか、マイホームはいつごろ取得するのかしないのかなど中長期的な計画は話し合わなかったのだ。

「とりあえず私は仕事を続けるつもりでいたんです。そうしたら結婚してから数日後、夫が『アキちゃんはいつ会社辞めるの?』と言い出して。夫は生活費として5万円くれましたが、私も働くからそれでやっていけると思っていました。でも夫は実は私を専業主婦にさせたかった。そして5万円で生活すべてをやりくりできると思っていたみたい。その5万円には夫のクリーニング代まで入ってるんですよ。家賃と光熱費以外すべて。それは無理でしょ」

仕事を辞める気はないこと、5万円では無理なことも伝えたが、夫は「アキちゃんには家にいてほしい」としつこかった。

「職場には男性もいるでしょ、男性と話すでしょと言うから、仕事だから当然と答えたら『他の男と話しているアキちゃんを想像するとつらい』って。は?という感じでした。仕事のことも根掘り葉掘り聞かれました。所属している課の男女の割合も(笑)」

本当に好きだからと言われたが、釈然としなかった。

>戦慄!「愛の方向性」が違う夫の異常行動
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます