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介護サービス事業者等から提供を受ける居宅サービスは医療費控除の対象になる?
要介護者または要支援者(以下ここでは「要介護者等」と呼びます)が、居宅介護サービス事業者等から提供を受ける「居宅サービス」は医療費控除の対象になるのかどうか?という質問をいただくことがあります。「居宅サービス」を大別すると、訪問看護や訪問リハビリテーション、居宅管理指導のように看護師、保健師等により行われる居宅サービスに代表される医療系サービスと、訪問介護や訪問入浴介護のように介護福祉士等により行われる居宅サービスに代表される福祉系サービスがあります。
これらの居宅サービス等の対価のうち、「看護、医学的管理の下における療養上の世話等に相当する部分の対価として利用者が負担する金額」については、医療費控除の対象となるというのが基本的な考え方です。
医療費控除の対象(または対象外)となる居宅サービス等の対価の概要
具体的には、居宅サービス等の種類により、医療費控除の対象となるかどうかが判断されます。- 医療費控除の対象となる居宅サービス等
- 医療費控除の対象となる居宅サービス等と併せて利用する場合のみ医療費控除の対象となる居宅サービス等
- 医療費控除の対象外となる居宅サービス等
考え方としては医療費控除になるかどうかのそもそもの判断基準として
- 治療・診療・看護目的……医療費控除の対象
- 日常生活の世話目的……医療費控除の対象外
ただ、実務的には、これらの居宅サービス等を提供する居宅サービス事業者等が発行する領収証には、基本的に医療費控除の対象となる金額が記載されることになっているので、確定申告の際にはその金額を集計するといいでしょう。
おむつ代は医療費控除に対象になるのか
このような観点からいうと、おむつ代も日常生活の援助といえなくもありません。しかし、例外的に居宅サービス等において、おむつを使用した場合のおむつ代については、医師等が発行する「おむつ使用証明書」がある場合に限り、医療費控除の対象とされています。つまり、ドラッグストア等で「おむつを購入した」だけでは医療費控除の対象とはなりませんが、そこに医師等の証明があった場合に、医療費控除の対象となると考えるといいでしょう。
要介護認定と障害者控除の対象認定は別扱い
また、介護保険法の要介護認定を受けられただけでは障害者控除の対象とはならない点も注意しましょう。一方、障害者手帳の交付を受けていない人でも、65歳以上の人で障害の程度が障害者に準ずる者として市区町村長の認定を受けた人は障害者控除の対象となるので、要介護認定を受けた人(あるいは親族にそのような人)がいる場合は、市区町村に「障害者控除対象者認定書」(市区町村により名称が違う場合があります。以下ここでは「認定書」と呼びます)が、発行できないか、問い合わせてみましょう。
この「認定書」を確定申告に添付することで障害者控除(あるいは特別障害者控除)の適用を受けることができます。
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