タブレットPC

「タブレット」と「ノートPC」いま買うならどっちがおすすめ? 違いや用途別の選び方を解説

タブレットは、デスクトップと同じCPUを搭載する端末も存在します。一方ノートPCはタッチ操作に対応するものも。どちらを選ぶのが最適か頭を悩ませる人も多いのではないでしょうか。タブレットとノートPCの違い、用途別にどちらを選べばいいかご紹介します。

傍島 康雄

執筆者:傍島 康雄

タブレットPCガイド

タブレットは年々高性能化しており、デスクトップと同じCPUを搭載する端末も存在します。一方ノートPCも、タブレットのようにタッチ操作ができるようになりました。両者の境界は年々曖昧になっているので、新しい端末選びの時は、どちらを選ぶのが最適か頭を悩ませます。

今回は、タブレットとノートPCの違いと、用途別に比較してどちらを選べばいいかご紹介します。
 

どこが違う? タブレットとノートPC

Windowsでタッチ操作できるようになり、タブレットとノートPCの見た目の違いは少なくなりました。例えばマイクロソフト社の「Surface Pro 9」はWindows 11が動作するPCですが、遠目に見るとタブレットと区別がつきません。しかし、それぞれの成り立ちは異なるので触れておきます。

タブレットはもともと、スマホとPCの間を埋めるものとして登場しました。そのため、両方の端末の特徴を備えています。例えばスマホと同じく、すぐ電源が入るので思い立った時にすぐ使えます。ディスプレイに表示されたものを指で触れて操作するのもスマホと同じです。ディスプレイサイズは10インチクラスが主力ですが、ノートPCに迫る14.6インチのディスプレイサイズのタブレットもあり、近年はビジネスユースでも活用されています。

初代iPadの登場から13年が経ち、ディスプレイサイズやバリエーションが増え、使い方の幅は広がっていますが、コンセプトに大きな変更はなく現在に至ります。
iPadPro

筆者愛用の「iPad Pro」。新型Macと同じCPU「Apple M1」を搭載する

ノートPCは、Windowsに限っても古い歴史があります。始まりは1991年の「Windows for Pen Computing」。この頃は、指ではなくペンで操作する携帯型コンピュータに注目が集まっており、Windows for Pen Computingも潮流にのって登場しました。

この後、2002年には「Windows XP Tablet PC Edition」、2006年に「Windows Vista」と続きますが、キメラのようにキーボード、マウスとペン操作の2つが共存するOSは市場には受け入れられず、ペン操作の携帯型コンピュータは「失敗」の烙印が押された分野となります。

この風向きを変えたのがiPhoneでした。多くのユーザーがiPhoneのような操作感をノートPCでも求め、2012年に登場のWindows 8ではスマホ同様に指を使うタッチ操作に対応。指でも不自由しない操作感や配慮がなされ、現在のWindows 11まで続きます。このような試行錯誤の末、いまの形となり現在に至るのです。
2in1Tablet

2in1タイプのWindowsタブレット。キーボード付きだがタブレットのように使える

では、用途別にタブレットとノートPCのどちらが向いているのか、使い勝手がどう変わるのかを見ていきます。
 

電子書籍やストリーミング動画を楽しむ:タブレットに軍配

電子書籍やストリーミング動画を楽しむ場合には、「間違いない」と言い切れるほど、タブレットのほうが良い体験が得られます。

この用途に向く理由は、操作方法とサイズです。タブレットは、ディスプレイに表示された内容をタッチで直接操作が可能。キーボードやマウスを使った操作と比較すると、より直感的に使えます。電子書籍のページ送りをする操作などは、ノートPCでは実現できない自然な体験です。

多くのタブレットが10インチ前後のサイズですが、これはパーソナルコンピュータの父「アラン・ケイ」が、iPadの大きさをジェスチャーでスティーブ・ジョブズに示し「この大きさにすれば、世界を支配できる」と言ったのがはじまりです。おかげで、机の前ではなくソファーやベッドに寝転んで、端末を手に持ちながらコンテンツを楽しめます。ノートPCでは、こうした使い方は考えられませんでした。
電子書籍

電子書籍を読む様子。見開きで楽しめるタブレットもある

 

ワードやエクセルを使う:ノートPCが優勢

これまで、ワード(Word)やエクセル(Excel)などのオフィスアプリは、ノートPCで使うのが常でしたが、タブレットも生産性向上のツールとして活用されています。

タブレットで同アプリを使う時は、外付けキーボードとマウスが欲しくなりますが、今や使えないタブレットはありません。iPadOS 16を搭載するiPad ProやiPad Airであれば、外部ディスプレイに最大で6Kまで出力できて画面が狭い問題も解決しています。

タブレットはアプリが全画面表示なので、ノートPCのように複数のアプリを同時に使い、これらを切り替えて使うマルチタスクが苦手でした。これも、iPadOS 16でステージマネージャーが導入されて弱点の克服が進んでいます。

となれば、どちらを選ぶのか悩ましいところですが、見落としがちな点は、PC版とモバイル版(タブレット版)のアプリに機能差があることです。この差は年々なくなっていますが、タブレットで使えるアプリは、校正機能やマクロ機能などが制限されています。

以下リンクを記載したマイクロソフトのサポートページでは、ワードとエクセルの機能差を確認できます。例えばモバイル版のワードであればリアルタイム共同編集機能が削除されているので、仕事で使うならノートPCを選ぶのが無難です。

ワードの機能比較
エクセルの機能比較
 
word

タブレットでワードを使う様子

筆者はiPad Proでこの原稿を書いていますが不満なく使っています。テキスト文章を書く用途ならばタブレットでも十分です。
 

動画編集:ノートPCに軍配

最後は、動画編集です。結論から言えば、大容量のストレージと大画面が欲しいのでタブレットは向きません。また、撮影動画の取り込みなども考慮すると、外部機器との接続性の高いノートPCに軍配が上がります。Adobe PremiereやFinal Cut Proなどプロユースにも耐えるアプリが使えるのもポイントです。

タブレットで動画編集ができないわけではありません。例えばLumaFusionは、iPadだけでなくAndroidやChromeOSでも使えます。徐々に下地が整っているので、VLOGの更新用途であれば、タブレットだけで完結できる未来は近そうです。
FinalCutPro

PCで動画編集をする様子。M1 Mac miniとFinal Cut Proの組み合わせ

 

使い分けできればベスト

コンテンツの閲覧はタブレットに軍配が上がり、ワードやエクセルはノートPCが有利、動画編集はノートPCに軍配が上がります。

タブレットとノートPCを使い分けできれば、適材適所で使えてストレスのない環境が構築できます。そうもいかない場合は、現在と将来の用途を整理して、現在の用途に合うほうを選択することをおすすめします。理由は、2年もすれば事情が変わる可能性があるからです。
 
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