寒い季節の憂うつ感……日光を浴びないと心身の不調につながる?
起床後は日光を浴びながら背伸びをする習慣をつけよう
コロナ禍以降、自宅で快適に過ごすためのオンラインサービスが充実し、「おこもり生活」でも不便を感じないことが増えてきました。それに加えて、寒い季節はどうしても活動量が減ってしまいがちです。運動不足は体に良くないとわかっていても、やっぱり屋外でのウオーキングは暖かい日を選びたいですし、ジムでワークアウトをしようと思ってみても、行き帰りのことを考えると二の足を踏んでしまう…。その結果、どんどん体を動かす機会をなくしてしまい、部屋で過ごす時間ばかりが増えていきます。
またこの時期は「自宅を出るときも、帰宅するときも真っ暗な中を通勤・通学する」という人も少なくないでしょう。もともと日照時間が短い時期にあたる冬は、日光を浴びる時間が少ないのですが、このことが体内時計を乱す一因ともされています。私たちは日光を浴びると体内でセロトニンという物質が作られ、これが睡眠ホルモンであるメラトニンの原料となりますが、セロトニンが十分に分泌されない状態ではメラトニンも不足してしまうことになり、睡眠や覚醒のリズムが乱れてしまいます。「体が重い」「熟睡しにくい」「気持ちが晴れない」といった心身の不調は体内のセロトニン不足によっても起こると考えられます。
生活リズムが整う! 「起床時間の固定」と「起きたら背伸び」
生活リズムを整えるためにはまず起床時間を固定することから始めてみましょう。休日の「寝だめ」は睡眠の質を低下させやすいため、平日であっても休日であっても起床時間は一定にしておくことが大切です。起床時間を決めておくと、最初のうちはバラバラだった就寝時間もだんだんブレが少なくなってきます。そして起床とセットにして行いたいものが、日光を浴びながら背伸びをする習慣です。冬の時期は起きてもまだ外が真っ暗ということもありますが、その場合でも部屋を明るくして大きく背伸びをし、全身を伸ばすようにしましょう。外が明るくなってきたら、意識的に日光を浴びるようにするとセロトニンが生成され、体内時計がリセットされて一日を気持ちよくスタートさせることができます。「わざわざ運動」は不要! 心身のリフレッシュにつながる「ついで運動」
通勤・通学などで外に出る場合は日光のある「明るい時間帯」に体を動かしてみましょう。ランチに出かけたり、銀行や郵便局などちょっとした用事を率先して引き受けたり。お弁当を準備していても飲み物は近くのコンビニまで買いに出かける、といったことでもいいと思います。ポイントはいつもよりも少し多めに歩くこと。在宅で仕事をしている人であっても、一日一度は外に出ることを心がけましょう。運動のために時間を確保するのはむずかしくても、何かの「ついで」に体を動かすと心身のリフレッシュにもつながります。何となく気持ちが落ち込みやすい、集中力が続かないといったことは、「やる気」が失われたのではなく、日照時間の短さによって起こる季節性の体調不良である可能性があります。まずは生活リズムを見直して、日光を浴びる機会を増やし、「ついで」に体を動かすことを心がけてみてはいかがでしょうか。