ひとりで暮らすことは、気楽で自由というメリットがありますが、孤独や不安というデメリットもあります。今回は、その両方について考えてみましょう。
おひとりさま女性のメリット、デメリットとは?
女性・おひとりさまは65歳~84歳までの割合が多い
まず、世帯人員が1人の世帯を「単独世帯」といい、一般的に「おひとりさま」といわれています。2019年(令和2年)に行われた国勢調査によると、男女あわせて単独世帯は38.1%であり全体の約3分の1を占めています。2015年(平成17年)の34.6%と比べると、ここ5年で3.5ポイント増えています。2005年(平成27年)の29.5%からみても8.6ポイント上昇しており、今後も、おひとりさまと呼ばれる人たちは増えていくと考えられます。次は、単身世帯のうち、女性の年齢別の割合をみてみましょう。
●女性・単身世帯の年齢別の割合 2020年(令和2年)をみてみると、最もおひとりさまの割合が高いのは「75歳~84歳:19.7%」、次は「65歳~74歳:16.9%」。高齢者世帯に多いことがわかります。
65歳以上になると、結婚せずにおひとりさまを貫いてきた方だけでなく、結婚していたけど夫と離婚・死別などでひとりになってしまった方などもいらっしゃると思います。それでは、65歳以上の女性が高齢期におひとりさまで過ごすメリット・デメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
出典:令和2年国勢調査 人口等基本集計結果 結果の概要
65歳以上の高齢期におひとりさまで過ごすメリット
年齢に関係なく、おひとりさまの最大のメリットといえば、自分のペースで、お金も時間も自由に使えるということではないでしょうか。●自分のペースで時間が使えると?
家族と暮らしていると、役割分担があります。朝、早く起きて食事を作ったり、掃除・洗濯をしたり。自分の役割部分をしてないと「食事、まだ?」「どうしてやらないの?」と催促されてしまいます。とにかく、やることをやらないと、自分がやりたいことは何もできません。
一方、おひとりさまになると、そんな心配はなくなり、自分の思っているペースで行動できるようになります。たとえば、園芸が好きな方であれば、朝起きて、1時間ほど畑で作業してから、運動が好きな方は、ヨガやストレッチ、軽い散歩をした後、朝食をとることができます。お風呂に入るのも、自分の好きな時間。旅行に行く場合も、家族の都合を考える必要はありません。おひとりさまは、時間を自分の思うまま過ごすことができます。
●自分のペースでお金が使えることのメリットとは?
おひとりさまは、自分のお金を自由に使えます。一方、徹底して使わない生活をする自由もあります。家族と暮らすと、個々にさまざまな価値観があるため「それ、必要?」「こんなムダ遣いするんだ……」など密かに感じることもあるでしょう。
おひとりさまになれば、自分の使いたいもの・サービスにだけお金を使い、ムダと思うことには一切お金を使わないと決めることができます。生活すべてを自分流にアレンジでき、こだわりの生き方ができるでしょう。
65歳以上の高齢期におひとりさまで過ごすデメリットがでてくる
おひとりさまには「生活すべてが自由」というのがメリットではありますが、いつも元気、いつも思い通りというわけにはいかないもの。ときに、デメリットもあります。●健康不安や孤独、災害リスク、日常生活に困ることも?
高齢になれば「万が一、病気やケガなどあったらどうしよう?」「認知症になったら?」という健康不安があります。そうなったとき、頼る人がいなければ、孤独を感じることもあるでしょう。
さらに地域によって、台風や地震などの災害に遭うことがあります。実際に災害に遭遇したときの避難や備えなど、一人でも自分を守るための準備が必要になります。
日常の生活についても、若いうちは、高い場所の掃除や重い荷物の移動などは、問題なく行えますが、足腰が弱ってくる高齢期になると、思うようにできなくなる場合があるでしょう。一人暮らしの場合、同居している人に助けてもらうことはできませんので、イザというときには近所の人に助けてもらう等、対応方法を考えておく必要があります。
●おひとりさま女性の老後資金の不安とは?
厚生労働省の令和3年簡易生命表によると、平均寿命は女性が87.57歳、男性が81.47歳。女性の方が6歳ほど長生きです。その分、老後資金も多く必要になります。
一方で、主に老後の収入源となる年金は、厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、次のとおりになります。
- 女性の月平均受給年金額:10万3808円(老齢基礎年金含む)
- 男性の月平均受給年金額:16万4742円(老齢基礎年金含む)
出典:
・令和3年簡易生命表の概況|厚生労働省
・令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
まとめ
高齢期のおひとりさま生活は、元気なうちはそれなりに気楽で楽しいかもしれませんが、身の回りのことができなくなれば、孤独や不安を感じることでしょう。早いうちから、高齢期に「もし、おひとりさまで暮らすことになったら?」について考えてみましょう。【関連記事をチェック!】
女性の「おひとりさま」は老齢年金だけで生活をやりくりできる?
ゆうちょ銀行でお金を貯めるならどんな商品がある?