運動と健康

生理中もプールや温泉に入りたい人のマナー・注意点

【アスレティックトレーナーが解説】生理がプールや温泉の予定と重なってしまった場合、どうするべきでしょうか? 生理中にプールや温泉に入りたいなら、マナーはもちろん、衛生面や体への負担についても知っておくことが大切です。わかりやすく解説します。

西村 典子

執筆者:西村 典子

アスレティックトレーナー / 運動と健康ガイド

生理中にプールや温泉に入っても大丈夫? 危険性や問題点は?

生理中も温泉やプールに入りたい人のマナー・注意点

生理中は施設のルールやマナーを守って利用しよう

女性からスポーツに関する相談を受けていると、生理中のプールやジムのシャワー、お風呂などの利用についての疑問を聞くことがあります。疲れた体をリフレッシュする温泉についても、同じような疑問を持っている方は少なくないでしょう。

まず体への負担の面から考えると、日本産科婦人科学会によって作成された『月経期間中のスポーツ活動に関する指針』で、生理中の水泳も特に問題ないことが記されています。ただし二日目など経血の多い時期や、生理に伴う腹痛や頭痛、めまい、倦怠感などの随伴症状が強い場合は、避けた方が良いとされています。また学校の授業などで水泳を行う場合は、本人の意志を尊重し、プールに入ることを強制してはいけないと明記されています。プールを利用する場合はタンポンや月経カップなどの生理用品を使用することになりますが、特に精神的にも身体的にも未熟である小学生、中学生については生理用品を使用しない状態での水泳が望ましいとされており、それらを使用してのプールは高校生以上と勧められています。
 

生理中のプールや温泉、公共施設ではマナーを守ってルールの確認を

体への負担については問題ないとしても、プールや温泉の多くは、多数の人が利用する公共の施設です。施設によっては生理中の利用を禁止しているところもあります。まずは施設の方針を確認し、そのルールに従うマナーが大切です。

利用が禁止されていない場合は、タンポンや月経カップなどの生理用品を使用して経血が漏れないようにしておきましょう。水中では水圧によって経血が出にくいと言われていますが、腹圧が高まれば経血が漏れ出てしまうこともありますし、水中から出たときは水圧の影響を受けなくなるため、経血が漏れてしまうことも考えられるからです。

衛生面の問題だけでなく、経血は見られてしまった人も見てしまった人も気まずい思いをしてしまいます。マナーとしても生理用品を使用して施設を利用するようにしましょう。
 

生理中のプールや温泉の入り方……気持ちよく利用するための4ポイント

生理中にプールや温泉などを楽しむために、次の4ポイントをぜひおさえてましょう。

1. タンポンはプールや温泉を利用する時間のみ使う
タンポンはプールや温泉に入る直前に装着し、出たらすぐにタンポンを取り出して新しい生理用品と交換しましょう。タンポンを長時間使用していると、経血漏れだけではなく、衛生面でも問題が生じやすくなります。またタンポン使用後は経血を体の外でカバーするナプキンを使うようにしましょう。

2. タンポンの紐は切らない
タンポンの紐は取り出す際に必要なものなので、切らないようにしましょう。特に温泉などでは紐が見えることが恥ずかしいと感じる人がいるかもしれません。その場合はつかる直前までタオルで隠したり、人の多い時間帯を避けるようにしましょう。施設によっては貸切風呂などもありますので、こうした場所を上手に活用することも一つの方法です。

3. 温泉やプールに入る前にしっかりと体を洗う
生理中でなくても特に注意事項として記載されていなくても、先に体を洗ってから利用することは多くの施設で暗黙のルールになっていると思います。特に生理中は入念に。経血などがついていないかを確認する意味でも、まずは体をしっかり洗うことを心がけましょう。太ももの内側などにも汚れがないかチェックしておくと、安心して利用することができます。

4. 経血の漏れに備えて濃い色のタオルを用意しておく
水から上がった後に経血の漏れに不安がある時は、濃紺や赤色など濃い色のバスタオルなどを準備しておくと万が一の時にも安心です。上がった後は水圧の影響を受けなくなり経血漏れも起きやすくなってしまうため、プールや温泉を利用した後はシャワーを浴びて、すぐに着替えるようにすると良いですね。

生理は女性の体には自然なことで病気ではありませんが、いつもとは違う体の状態であるとも言えます。身体的には生理中でもプールや温泉を利用することに問題はありませんので、施設のルールやマナーなどを考慮した上で楽しみましょう。

■参考
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