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「一見残念なカップルでも、ふたりは幸福かもしれない」ジャニーズ・菊池風磨が“クズ男”を演じて思うこと(3ページ目)

「クズ男」と「尽くす女」という、一見すると問題大ありのカップルたちの恋の行方を描いたラブコメディー『もっと超越した所へ。』に出演している菊池風磨さんにインタビューしました!

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

怜人は見どころ満載の男です

――完成した映画を観た感想は?
 
菊池
:僕はやはり男性目線で観るので、さっきもお話ししたように、男性の登場人物のいろいろな感情が理解できました。でも、彼らの嫉妬や甘えの感情は、普通は表に出すものではないのに、彼らは出しちゃっているから「おいおい、そこは言っちゃダメだろ!」と、心の中でツッコミを入れていましたね(笑)。

正直、自分の心の嫌な部分を見られているような気もしましたが、そんな男たちを愛してくれる女性たちは、まさに超越した存在。「ありがとう!」という気持ちです。
もっと超越した所へ。

黒川芽以さんと三浦貴大さん (C)2022『もっと超越した所へ。』製作委員会 

――ご自身の演技については? 「ダメ男になりきれているな」とか、思うところはありましたか?
 
菊池
:怜人の見どころはたくさんあります! 「そんな格好でそんなこと言う?」みたいな面白さとか、真面目に理不尽なことを言ったり、論理が破綻していたり……。あそこまで突き抜けちゃうと「クズだな~」と笑って言える。どこか憎めないキャラクターになっていると思います。
 

お客さんの反応が気になってドキドキする日々 

――菊池さんは、バラエティーやドラマ、映画、Sexy Zoneとしての活動など、多方面で大活躍ですが、仕事の幅が広がったなと思うところはありますか?
 
菊池
:いろいろなお仕事をさせていただいていると思っています。バラエティー番組に出演している僕を見て、映画やドラマの依頼をしてくださる方が意外といたり、一方で、舞台を見て、バラエティー番組の仕事を依頼してくださる方もいたりして、そんな風につながるものなんだと。芸能界は面白い世界だと改めて思っています。

そうやって、いろいろなつながりから僕の仕事の幅も広がっていっているので、活動範囲が広がったという自覚は芽生えています。

――そうやって活躍の場を広げていって、新たに感じたことなどはありますか?
 
菊池
:バラエティーや舞台は、観客の皆さんも含め、周りのリアクションがすぐに得られるので、うまくいったとか、イマイチだったとか、手応えを瞬間的に感じることができるのですが、映画やドラマは、監督のOK以外リアクションが分からないから、どうなんだろうと、どこか気持ちがフワフワしますね。
 
特にこの映画では、クズ男の役だったので、これで芝居ができていなかったから目も当てられないなと……。自分ではできたと思っているけど、お客さんの反応が気になりますし、今でもドキドキしています。
 

もっといろいろな映画の撮影現場を体験したい

――この映画で2作目ですが、この経験を経て、映画への出演欲が生まれたりしましたか? 
 
菊池
:もっと映画に出演したいと思いました。ドラマも好きなんですけど、映画とドラマでは、やはり作り方が違うんですね。特に連続ドラマは、タイトな時間で動いているので、時間との勝負みたいなところがあります。でも映画は、時間より現場で何が撮れるかが最優先。だからドラマとはスケジュールの組み方が違うと思いました。
 
また、映画の撮影はどんな画が撮れるか、どんな表情を捉えることができるかというのにフォーカスしていて面白い。僕は映画の経験が浅いので「他の映画の現場はどうなんだろう」と興味が沸きましたし、いろいろな映画の現場を経験したいです。
もっと超越した所へ。

オカモトレイジさんと伊藤万理華さん (C)2022『もっと超越した所へ。』製作委員会

――『もっと超越した所へ。』は個性的な俳優さんたちが多く出演していますが、印象に残ったことはありますか?
 
菊池
:脚本の読み合わせを、それぞれのエピソードに出演している2人ずつでやったのですが、僕と前田敦子さんの前に、オカモトレイジさんと伊藤万理華さんが本読みをしていたんです。それが聞こえてきたのですが、伊藤さんがセリフを絶叫していて、それにすごくビビったことが印象に残っています。本読みのときからトップスピードで臨んでいるんだなと。僕は本読みでの演技が恥ずかしいタイプなので、刺激になりました。
 

いつか男くさいアウトローの役を演じたい!

――恋人役の前田敦子さんとの共演はいかがでしたか?
 
菊池
:僕が抱いていたイメージとちょっと違ったかもしれません。静かな雰囲気をイメージしていたんですが、すごく気さくで積極的に話しかけてくれて、親しみやすい人でした。今度共演するときは、恋人というより友達みたいな関係で共演したいです。前田敦子さんのフレンドリーな感じをお芝居で見たいなと思いました。
もっと超越した所へ。

前田敦子さん (C)2022『もっと超越した所へ。』製作委員会

――映画で「こういう役を演じたい」という願望はありますか?
 
菊池
:アウトローみたいな役がいいですね。男くさい感じの。ドラマではやらないようなキャラクターを映画で演じてみたいです。
 
――では最後に、『もっと超越した所へ。』を楽しみにしているみなさんにメッセージを。
 
菊池
:人間の弱いところが描かれている作品で、この映画を観て「自分にも心当たりがある」という瞬間に遭遇する方もいると思います。特に恋愛面においては、他の人には理解されなくても「ふたりで得られる満足感と幸福感があるよね」ということが描かれています。
 
ダメ男ばかりが出てきますが、意外と自分も相手も許せるような、結構スッキリ、スカッとできる映画です。そんな素敵な映画をぜひみなさんに観ていただきたい! よろしくお願いいたします。

取材・文/斎藤 香
 

菊池風磨(きくち・ふうま)さんのプロフィール

1995年、東京都生まれ。2011年にSexy Zoneとして「Sexy Zone」でCDデビュー。アーティスト活動をしながら、バラエティ番組「芸能人が本気で考えた!ドッキリGP」(フジテレビ)での体当たりチャレンジや「ニノさん」(日本テレビ)での軽妙なトークで人気を博す。ラジオ「Sexy ZoneのQrZone」(文化放送)のパーソナリティーを務め、ジャニーズ公式YouTubeチャンネル「ジャにのちゃんねる」にも出演している。

近年の主な出演作は、ドラマ『イタイケに恋して』(2021/日本テレビ)『ファイトソング』(2022/TBS)のほかに、舞台『HAMLET―ハムレットー』(2019)、2年連続で主演を務める舞台『DREAM BOYS』(2021、2022)などがある。
 

映画『もっと超越した所へ。』

2022年10月14日(金)公開
監督:山岸聖太
原作・脚本:根本宗子
出演:前田敦子、菊池風磨、伊藤万理華、オカモトレイジ、黒川芽以、三浦貴大、趣里、千葉雄大

(C)2022『もっと超越した所へ。』製作委員会

【あらすじ】
デザイナーの真知子(前田敦子)は、怜人(菊池風磨)とひょんなことからお付き合いすることになります。積極的な彼は彼女の家に転がり込み、なし崩し的に同棲へ。しかし、怜人は典型的なヒモ男で、生活は全て真知子に頼りっぱなしで働こうとしません。突然プレゼントをくれることもありますが、どこか恩着せがましく……。やがて、真知子はふたりの関係に違和感を覚え始めるのです。
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