『もっと超越した所へ。』に出演、菊池風磨さんにインタビュー
気鋭の劇作家・根本宗子の、映像化不可能と言われた脚本を映画化した『もっと超越した所へ。』。クズな男と恋に落ちた4人の女性の恋愛模様をコミカルに描いた異色の恋愛映画です。登場する4組のカップルのうち、菊池さんが演じるのは、恋愛で失敗ばかりのデザイナー、真知子(前田敦子)の恋人の怜人。お調子者で甘え上手な怜人は、みるみるうちに彼氏のポジションに収まり、真知子の家に転がり込みます。全然働かず、ヒモ男と化した怜人。そんな彼との恋愛に真知子は疑問を感じ始める……という物語。
そんなクズ男を好演した菊池さんに、怜人や映画撮影の裏側についてなど、さまざまなお話を伺いました。
怜人は、性格も恋愛観も僕とは正反対!
――Sexy Zoneとしてアイドル活動をしている菊池さんが、クズ男を演じるというのが意外でした。ジャニーズのタレントさんはキラキラ王子様系の映画作品に出ることが多い印象がありますが、本作の出演依頼があったときに感じたことなどを教えてください。菊池風磨さん(以下、菊池):『もっと超越した所へ。』みたいな、リアリティのある作品をやりたいと思っていたので、声をかけていただきうれしかったですね。もちろんキラキラの王子様系のキャラクターを演じるのも楽しいと思いますが、今の自分はリアルな生々しいキャラクターを演じたいと思っていたので、出演できてよかったです。
――菊池さんが演じた怜人は、誰が見てもダメな恋人ですが、怜人の役作りについて教えてください。
菊池:怜人は自分とは全く違うキャラクターです。本当にダメな奴ですが、そこは割り切っていました。「自分とは正反対の人物を演じるんだ」と思って撮影に臨んでいたので、逆に綿密な役作りはあまりしていきませんでした。
完全に別な人物として捉えていましたし、特に誰かをモデルにしたということもありません。でも、もしかしたら表裏一体で、自分にも怜人みたいな人物のポテンシャルがあるのかもしれませんね(笑)。 ――菊池さんから見た、怜人のダメなところについて教えてください。
菊池:そもそも、生活費を元カノに援助してもらっていることがダメですよね。全くよろしくないと思います。あと、恋人を束縛するところ。コンビニに行くだけなのに「ノーブラで行くな!」と怒ったりして。僕はどんな格好で出かけようと全然気にならないし、ミニスカで男性の視線を集めてもヤキモチを焼いたりしないです。むしろ自分の彼女がモテモテなことに喜びを感じるかもしれない(笑)。
――この映画には他に3組のカップルが登場して、それぞれ女性たちが男性に振り回されますが、彼らのことはどう見ていましたか?
菊池:他のキャラクターに関しては共感するところがありました。三浦貴大さんが演じた落ちぶれた俳優は、元カノが同業者で、彼女には仕事の依頼が来るのに自分には声がかからずイライラしたり、オカモトレイジくんが演じたフリーターは、彼女が妊娠したかもしれないとビビりまくったり。そういう気持ち、分からなくはないです。
本当に怜人だけ、共感できなかったですね。正直よく演じ切ったと思っています。
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