芝居をしながら、人を笑わせていきたい
――大泉さんは俳優としても活躍される一方、『ザ・マスクド・シンガー』や『NHK紅白歌合戦』で司会もされていて、本当に多方面で活躍されていますが、これだけ多くの依頼があることについて、ご自身でどう受け止めていらっしゃいますか?大泉:今は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』や音楽番組『SONGS』(いずれもNHK)があり、いろいろな仕事がたまたま重なっているなと感じますが、どうなんだろう、自分で言うのもなんですが、僕は使いやすいんじゃないかと思います。
もう年齢的にもね、おじさんだけど、そんなにうるさく言わないし、いたら便利な存在なんじゃないでしょうか? 盛り上げてくれるし(笑)。また司会の仕事を大泉洋がやるというのが新鮮なのかもしれませんね。 ――今後、俳優と司会やバラエティのお仕事のバランスはどのように考えていますか?
大泉:自分の気持ちに素直にやっていきたいと思います。確かに、役者としては、他の仕事をしない方がいいとは思います。司会をしたり、バラエティに出演したりしている僕の姿が、出演作を見てくださる方の頭にチラついてしまうのではないかと思うからです。でも、やっぱり自分としては、役者ではない仕事もやりたいんですよ。
まず僕は、人を笑わせたいという願望が強くある人間なので、バラエティはやめられないし、司会も自分にとっては笑いの延長線上にあります。例えば『SONGS』では、僕とアーティストの方とのトークで生まれる笑いを視聴者の方たちに楽しんでいただきたい気持ちがありますから。だから、大きく言うと「お芝居をしたい」「人を笑わせたい」、この二つが常に根底にあり、それが自分にとってのやりたいことなんだと思います。
自分がマスクドシンガーになる可能性もゼロじゃない
――アメリカの『ザ・マスクド・シンガー』では司会者が、実はマスクドシンガーとして挑戦した回があったのですが、大泉さんは、ご自身が出ることを考えたことはありませんか?大泉:アメリカの『ザ・マスクド・シンガー』では、そんなことがあったんですね。正直なところ、やぶさかではないです(笑)。よく取材で「大泉さんが出るなら、何を歌いますか?」とか「どんなコスチュームがいいですか」と聞かれるのですが、出る可能性がゼロではないので、言いたくないです(笑)。
やっぱりマスクドシンガーとして出たらバレたくないので、トレンディエンジェルの斎藤さんみたいに、自分の個性を封印して、絶対にバレないようにやり通します!
――では、もしTEAM NACSのメンバーがマスクドシンガーとして登場したら、正体を見破る可能性はありますか?
大泉:100%見破ります! TEAM NACSは2年に1回イベントをやっておりまして、今年も4年ぶりに「CUE DREAM JAM-BOREE 2022」を開催しましたが、こういったNACSのイベントで彼らの歌声は聴いていますし、正直、音程が不安定なメンバーもいますから(笑)。「この音の外し方は!」と、わかると思いますね。
大ファンだった人がマスクドシンガーとして登場!?
――今回もパネリストは豪華ですが、「この人は勘がよかった」など、印象に残った方はいますか?大泉:シーズン2でもPerfumeは、やはり勘がよくすごいなと思いましたね。それと土屋アンナさん。シーズン1ではバードとして登場し、優勝しましたが、土屋さんも鋭かったですね。
逆に当たらないなあと思うのはMIYAVIさん(笑)。MIYAVIさんはグローバルな活動をされている方だから、他のパネリストよりも日本の芸能人のデータが少ないと思うんですよ。そんなMIYAVIさんでも、シーズン1の小林幸子さんは一発でわかったみたいで、休憩中に「どうしたらいいですかね」とおっしゃっていました(笑)。 ――シーズン2で大泉さんのおすすめパフォーマーなど、注目ポイントを教えてください。
大泉:みなさん、素晴らしいんですけど、ヴィーナスは本当に歌がお上手でしたね。でも彼女、ちょいちょい僕を誘惑してくるんですよ。本人は誘惑しているつもりはないかもしれませんが、収録中、よく目が合うんです。だから「あれ、この人、僕のこと好きなのかな?」と思いながら、ひとり勝手にドキドキしていました(笑)。視聴者の皆さんにはぜひ、ヴィーナスが大泉を誘惑していたかどうかを見ていていただきたい。
あとはですね、スパイダーの正体には心底驚きました。昔から僕がファンだった方だったので、マスクを外したとき、本当にビックリしましたね。
今作は正体を見破るのはかなり難しいと思いますが、豪華なステージを楽しみつつ、ぜひ歌声とヒントから推理していただきたいです。
取材・文/斎藤 香
大泉洋(おおいずみ・よう)のプロフィール
演劇ユニット「TEAM NACS」メンバー。1973年、北海道江別市生まれ。深夜番組「水曜どうでしょう」(HTB)で鈴井貴之とレギュラー出演後、全国放送のドラマに出演し、人気を博す。映画『探偵はBARにいる』(2011年/橋本一監督)では、第24回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞・第35回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。『青天の霹靂』(2014年/劇団ひとり監督)では、第6回TAMA映画賞にて最優秀男優賞を受賞。『駆込み女と駆出し男』(2015年/原田眞人監督)にて第58回ブルーリボン賞主演男優賞受賞、第39回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。最新映画は『月の満ち欠け』(2022年12月2日公開)。また、「TEAM NACS」として2年に1回イベントを開催するほか、多くの舞台でも活躍。
Amazon Original番組『ザ・マスクド・シンガー』ではシーズン1(2021)でも司会を担当している。
『ザ・マスクド・シンガー』シーズン2
Amazon Prime Video にて、8月4日(木)夜8時より独占配信開始本編9話、初回3話、以降2話、毎週木曜・夜8時より順次配信
MC:大泉洋
パネリスト:MIYAVI、Perfume、児嶋一哉(Ep7~Ep9はMC)、滝沢カレン(Ep8.9)、山崎弘也 (Ep5.6.9)、森崎博之(Ep7~9)、小林幸子(Ep3~5)、水野美紀(Ep2)、土屋アンナ(Ep1.6~8)
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