・雇用保険とは?
・雇用保険の4つの給付とは?
・求職者給付とは?
・就職促進給付とは?
・教育訓練給付とは?
・雇用継続給付とは?
・雇用保険の2事業とは?
・まとめ
雇用保険とは?
雇用保険とは、労働者が失業した時や、育児・介護などで働くことが困難になった場合、職業に関しての教育訓練を受けた際などの給付や、雇用の安定、労働者の能力を向上させる事業活動など、雇用に関する総合的な国の制度のことを指します。雇用保険料率は事業の種類により分かれており、労働者と事業主で負担率が異なります。 例えば、一般の事業であれば労働者負担率は3/1000、事業主負担率は6.5/1000となっています(令和4年4月1日~令和4年9月30日まで)。雇用保険の4つの給付とは?
雇用保険の給付は「失業者等給付」と呼ばれ、大きく「求職者給付」「就職促進給付」「教育訓練給付」「雇用継続給付」の4つに分類されます。求職者給付とは?
求職者給付とは、失業して職を求めている方への給付です。皆さんも耳にしたことがあるのは「失業保険」や「失業手当」と呼称される給付ではないでしょうか。これは失業者の生活を安定させるための給付であり、正しくは一般被保険者に対する「基本手当」と言います。「基本手当」は「基本手当日額(*)」が、その方の離職の日における年齢、雇用保険に加入していた期間および離職の理由などにより決められる日数(90~360日)支給されます。
求職者給付には他にも65歳以上を対象とした「高年齢求職者給付」、季節的な雇用に就かれている方を対象とした「短期雇用特例求職者給付」、日雇い派遣労働者を対象とした「日雇い労働者求職者給付」があります。
*基本手当日額:離職した日の直前6カ月の賃金合計(ボーナス除く)を180で割って算出した金額(賃金日額)の約50~80%(60~64歳は45~80%)であり、下限額は2061円、上限額は離職時の年齢によって異なります。
就職促進給付とは?
就職促進給付とは、失業した方に早く再就職してもらうことを目的とした給付であり、「再就職手当」「就業促進定着手当」「就業手当」などがあります。例えば「再就職手当」では、「基本手当」の支給日数を3分の1以上残し、安定した職業(1年超えの雇用見込みのある職業など)に就いた場合に、支給残日数の60%に基本手当日額を掛けた金額を一時金として支給するといった手当です。
就職促進給付には、「失業しても基本手当がもらえる間は再就職をしない」などの考えを改めてもらう効果があるのではないでしょうか。
教育訓練給付とは?
教育訓練給付とは、個人の能力開発やキャリア形成を支援することを目的とした、厚生労働大臣の指定する教育訓練を修了後に受講費用の一部が支給される給付です。対象となる教育訓練は約1万4000講座あると言われており、そのレベルに応じて「専門実践教育訓練」「特定一般教育訓練」「一般教育訓練」の3種類に分けられます。例えば「専門実践教育訓練」であれば、介護福祉士、看護師など、中長期的なキャリア形成を目的とした教育訓練が対象であり、受講費用の50%(年間上限40万円)が、訓練受講中6カ月ごとに支給されます。また資格取得等をし、かつ訓練修了後1年以内に雇用された場合には、受講費用の20%(年間上限16万円)が追加で支給されるなど非常に手厚い給付となっています。
厚生労働省:教育訓練給付
雇用継続給付とは?
雇用継続給付とは、働けない事情がある方の雇用継続や生活の安定を目的とした給付であり、「育児休業給付」「介護休業給付」「高年齢雇用継続給付」の3つがあります。「育児休業給付」「介護休業給付」は「育児」や「介護」でこれまでと同じような働きができなくなった方へ給付され、「高年齢雇用継続給付」は60歳到達時点に比べ賃金が75%未満に減った60歳以上65歳未満の方へ一定額が給付される制度です。
雇用保険の2事業とは?
雇用保険では「雇用安定事業」「能力開発事業」といった、失業の予防、雇用機会の増大、労働者の能力開発を目的とした事業も行っています。「雇用安定事業」には雇用主に対する各種助成金(雇用調整助成金、育児・介護雇用安定等助成金など)の支給、中高齢者への再就職支援、若者や子育て女性への就労支援などがあり、「能力開発事業」では在職者や失業者に対する訓練、事業主が行う教育訓練の支援、職業能力評価制度の整備などを行っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。雇用保険といえば失業時の給付のみに目が行きがちですが、他にも多くの給付があることがお分かりになりましたでしょうか。その中でも「教育訓練給付」は、多くの講座が対象となっていますので、ご自身のキャリア形成を考える際に活用したい制度です。なお、各給付金にはそれぞれ細かい給付要件がありますので、ご自身が対象となるかどうかは厚生労働省のホームページでご確認ください。
《参考》厚生労働省HP