DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「ITの浸透によって人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」を意味します。スウェーデンのエリック・ストルターマン教授によって提唱された考え方・仮説です。

また、米国のコンサルティング企業であるガートナー社によると、企業のIT利用には以下の3つの段階があり、この中の第3の状態をDXと定義しています。
 
  1. 業務プロセスの変革
  2. ビジネスと企業、人を結び付けて統合する
  3. 仮想と物理の世界を融合して人/モノ/ビジネスが直接つながり、顧客との関係が瞬時に変化していく状態が当たり前となる

※英語圏では「Digital Transformation」の「Trans」をXと略すことが多いため、DXと表記される
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは? 具体例をわかりやすく解説(画像はイメージ)

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは? 混同される類語との違いや具体例をわかりやすく解説(画像はイメージ)

 

他の用語との違い

DXは以下の類語と混同されることが多々あります。
  • デジタイゼーション
  • デジタライゼーション
DXの考え方を理解するにはまずこれらの言葉の定義を知る必要があります。
 
デジタイゼーション
情報をアナログからデジタルへ変換すること

デジタライゼーション
自社および外部の環境やビジネス戦略面も含めたプロセス全体をデジタル化すること
 
通信販売を例に挙げると、通信販売は以前は紙媒体のカタログで商品を選んだり、電話注文をしたりするなどアナログなものでしたが、インターネットの出現により、通信販売をインターネット上で行うことが可能になりました(デジタイゼーション)。

さらにIT化が進むにつれ、注文から在庫管理、商品発送といった一連のプロセスがデジタル的に一元管理されるようになりました(デジタライゼーション)。

そして今やインターネット通販は、顧客データから嗜好やニーズを読み取ることによる商品の提案、配送スピードの高速化、個人同士がネット上で商品を売買するプラットフォームの構築など、社会的な枠組みを大きく変えるまでに至っています。これはデジタルトランスフォーメーションと呼べるものです。
 
つまり、デジタイゼーションやデジタライゼーションは既存の業務やプロセスをデジタル化すること、デジタル技術によって効率化することを指します。それに対してDXはデジタル技術によってビジネスモデルそのものを変革し、社会的な影響を生み出す取り組みであると定義ができます。
 

DX推進のために必要な技術

DXの実現を可能にする技術的要素がいくつか存在します。これらの技術を用途に応じて取り入れ、組み合わせることがDX推進のために必要となります。
 
IoT:Internet of Things(モノのインターネット)
「モノのインターネット」を意味し、あらゆるモノにインターネットを組み込むことを指します。例えば自動車や家電製品にインターネットが接続されることです。モノから収集されたデータはビッグデータとして多くの用途を有しています。
 
AI:Artificial Intelligence(人工知能)
人工知能のことであり、人間の知的ふるまいの一部をソフトウェアを用いて人工的に再現したもの。蓄積されたデータから高精度な予測を可能にするものです。
 
クラウドコンピューティング
インターネットなどのコンピュータネットワークを経由して、コンピュータ資源をサービスの形で提供する利用形態のことです。
 
XR:X Reality/Extended Reality
XRとは、「VR(仮想現実)」「AR(拡張現実)」「MR(複合現実)」といった技術の総称であり、現実世界と仮想世界を融合することで、あらゆる用途への応用が期待されています。
 
5G:5th Generation(第5世代移動通信システム)
第5世代移動通信システムのことであり、スマートフォン等の通信に用いられる次世代通信規格のひとつです。あらゆる情報のやり取りがインターネット上で行われる上で、通信速度の高速化は不可欠であり、上記のテクノロジー同士をつなぐ役割を果たします。
 

DXの事例

さまざまな分野の企業がDXを推進しています。以下の事例では、上記の最先端テクノロジーを活用することで、社会的な影響を及ぼすソリューションを考案・実現しています。
 
・ベネッセホールディングス
約200万人の会員の学習履歴データやAI等の技術を活用し、個人別に学習コンテンツを提供する学習専用タブレットを小中学生向けに300万台以上提供し、学校向けには教育プラットフォームを3000校以上の高校に提供しています。
 
・大塚製薬
大塚製薬は米国のプロテウス社と共同でデジタルメディスン「エビリファイ マイサイト」を開発しました。これは医療機器と医薬品を一体化したもので、錠剤に極小センサーを埋め込み、胃液に反応して信号を発信することで服薬日時や患者の活動状況を記録します。これらのデータを医療関係者と共有することでより円滑なコミュニケーションと治療が可能になります。
 
・ユニチャーム
衛生用品の大手メーカーであるユニチャームは、デジタル技術を活用した紙おむつ等のサブスクリプションモデル「手ぶら登園」を展開しています。これは紙おむつの在庫がなくなってきた際に、園児や保育園のデータに基づいて自動的に紙おむつを発注できる仕組みです。子育ての負担を軽減する取り組みとして支持を集め、1000を超える施設に導入されています。
 
・ファミリーマート
コンビニエンスストアでは従業員不足が問題となっています。これに対する解決策としてファミリーマートは無人決済システムの導入に取り組んでいます。

店内のカメラやセンサー等の情報から、来店者が手にした商品をリアルタイムで認識し、決済エリアに立つと自動的にディスプレイ上に商品金額が表示され、電子マネー等で決済できる仕組みです。

・日本郵便
物流業界では物流増加による人手不足や負担増加が課題となっています。特に山間部や離島では配送コストが高く、これを解決する手段が求められています。そこで日本郵便は実験的にドローンによる配送を開始しました。実験結果では大幅な配送時間短縮につながり、物流増加や人手不足に対する解決策として注目を集めています。
 

社会問題に対する解決策としてのDX

現在、日本を含めた世界の先進国では少子高齢化が問題となっています。少子高齢化では労働者不足が起こり、将来的に高齢者や外国人の人材登用が必要になるといわれています。DXはこの問題解決の一助となることが期待されています。

業務効率化や省人化を推し進めることができれば、労働者不足を回避することにつながります。さらには安心した子育て、健康の維持等もこれからの社会ではさらに必要となります。上記の事例はどれも一企業の営利追及の枠を超え、社会問題へのコミットメントを前提としています。私たちが長期的に安定した社会生活を送る上で、DXの重要性はますます高まっていくと考えられます。



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