・夫婦高齢者無職世帯は月約2万円の赤字です
・現役世帯の支出はどうなっている?
・高齢者世帯で増加している支出は?
・高齢者世帯で減少している支出は?
・現役時代から取れる対策とは?
・まとめ
夫婦高齢者無職世帯は月約2万円の赤字です
総務省の『家計調査報告(家計収支編)2021年(令和3年)』によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)において、収入が23万6576円なのに対して支出は25万5100円(消費支出と非消費出の合算額)。毎月の家計は1万8525円の赤字であると報告されています。無職世帯のため収入の多くは年金などの社会保障給付であり、年金だけでは十分な生活を送るのが難しい現状が分かります。 消費支出を金額の大きな順に見てみると、食料6万7598円(29.3%)、交通・通信2万5232円(11.2%)、交際費2万729円(9.2%)、光熱・水道1万9496円(8.7%)、教養娯楽1万9239円(8.6%)、住居1万6498円(7.4%)、保健医療1万6163円(7.2%)、家具・家事用品1万434円(4.6%)となっています。
なお非消費支出とは直接税や社会保険料のことであり3万664円となっています。
*文章内の%は消費支出の中での比率
現役世帯の支出はどうなっている?
調査では現役世帯である二人以上の勤労者世帯の調査結果も報告されています。 先ほどと同様に消費支出を金額の大きな順に見ていくと、食料7万8576円(25.4%)、交通・通信4万9515円(16.0%)、教養娯楽2万7542円(8.9%)、光熱・水道2万1448円(6.9%)、住居1万9848円(6.4%)、教育1万9197円(6.2%)、交際費1万3412円(4.3%)、保健医療1万3130円(4.2%)、家具・家事用品1万2720円(4.1%)となっています。*文章内の%は消費支出の中での比率
高齢者世帯で増加している支出は?
高齢者世帯で現役世帯より増えている支出には何があるのでしょうか。増加した項目として保健医療費の約3000円があり、これは高齢になるにしたがい病気がちになるためかと思います。また交際費も約7000円増えており、それは、現役時代に比べ周りとの付き合いを大切する必要があるからではないでしょうか。高齢者世帯で減少している支出は?
減少している支出としては交通・通信費の約2万4000円や、老齢世帯では教育費がなくなりますので約1万9000円などが挙げられます。しかしながら食費は約1万1000円、住居費が約3000円、光熱・水道費や家具・家事用品費はそれぞれ約2000円と、高齢者世帯となっても思ったほど減少しないことが分かります。現役時代から取れる対策とは?
赤字を改善するには支出を減らす必要がありますが、前述したように保健医療費や交際費は老齢世帯になると増えるものであり減らすのは現実的ではありません。また高齢者世帯になって急に食費や光熱・水道費を減らそうとしても難しいかと思います。現役時代から食材のまとめ買い、こまめに電気を消す、水道を止めるなどを習慣づけておく必要があります。支出を減らすのが難しいのであれば収入を増やすしかありません。今回紹介したのは「65歳以上夫婦の無職世帯」のデータであり、収入はほぼ年金のみの世帯です。月約2万円の赤字を埋める収入を得る方法を現役時代から考えてみてはいかがでしょうか。
収入を得る方法には、65歳以降も働くという選択肢もあるでしょうし、投資をされている方であれば株などの配当を収入に充てるなども考えられます。例えば年間2%の配当が見込まれる株で月約2万円(年約24万円)を得るためには、1200万円が必要です(配当にかかる税金は考慮せず)。老後に取り崩すための資金ではなく収入を得るための原資として用意しておくのも手かと思います。
また働く場合も外に出てではなく、最近ではネットでスキルを売る方法などもありますので現役時代に取得した資格や仕事で得たスキルが収入につながらないかを考えておくこともよいでしょう。
《参考》
スキルマーケット ココナラ
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は総務省のデータをもとに、老後の家計の現状と老後を見据え現役時代から取れる対策を考えてみました。年金だけで悠々自適な生活を送るのは難しいかと思います。老後の支出を減らすのか収入を増やすのかは、個々の考え方によりますが、現役時代の早いうちから対策を考えておくことが必要ではないでしょうか。《参考》
総務省統計局
【関連記事をチェック!】
おひとりさまの老後にはいくら必要?いまからとれる対策とは?
老後が非常に不安な人は約4割もいる?利子配当で安定的な収入を得るのもアリ?