預金・貯金

貯金100万円! 貯まったらどこに預けるのが有利?【2022年】

はじめての貯金は100万円を目標金額とする人は多いでしょう。100万円貯まったら、そのままにしておくのではなく、少しでもオトクな金利の預金等に移し替えるのが大事です。ネット銀行や地銀のネット支店の定期預金、高金利の普通預金など、おすすめの預け先を紹介します。

伊藤 加奈子

執筆者:伊藤 加奈子

貯蓄ガイド

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100万円を貯めるには? 貯金達成したらどこに預ける?

毎月8万3000円を積み立てできれば、1年で100万円貯めることができます。でも毎月、そんなに貯蓄できる人は、そう多くはないでしょう。2年、3年かけてようやく貯まった100万円。最初の目標がクリアできれば、あとは継続していくことが大事です。
 
ただ、目標を達成してしまうと、つい気持ちが緩んで、大きな買い物をしたり、旅行に使ってしまったり……と、せっかくの100万円を取り崩してしまう人も少なくありません。これはお金が貯まらない人の典型的なパターンです。

これを食い止めるには、これまで積み立てなどで使っていた口座から、貯めた100万円を切り離して、簡単に引き出せないようにしてしまうのが一つの方法です。
 

貯金100万円達成! 最初に貯めた100万円の預け先は安全性が第一

勤務先が制度を導入している場合、社内預金や財形貯蓄制度は、銀行のATMから引き出すようにお金をおろすことはできないので、こうしたものはそのまま継続しておいていいでしょう。問題は、給与振込口座のある銀行で、自動積立定期預金などで貯金100万円に達したケース。
 
銀行によっては、1年ごとに「おまとめ」といって、積み立てたお金を1本の定期預金にしてくれるサービスがあります。しかし同じ銀行に預けているのには変わりありません。総合口座扱いになっていると、普通預金残高が不足した場合でも、定期預金を担保に自動貸越でお金を引き出すことができてしまいます。これは借金しているのと同じで、定期預金で得られる利息以上の金利を支払うことになります(お金を貯めたいなら、普通預金のワナに注意)。
 
こうしたことを防ぐためにも、できれば別の銀行に預け替えることが有効です。さらにその際に、金利の高いマネー商品に預け替えができれば、ほったらかしにしているよりも、確実にお金を増やすことができるのです。
 
ただし、この100万円がはじめて貯めた100万円であれば、安全性が第一なので、「金利の高い定期預金」が第一の候補になります。くれぐれも、リスクのあるものに預け替えないようにしましょう。
 

100万円預け先候補の「金利の高い定期預金」って何?

お金の貯めはじめは、金利を意識せず、毎月確実に貯蓄することが大切です。今、一般的な銀行の普通預金金利は0.001%。1年ものの定期預金(自動積立定期預金も同じ)は0.002%です。しかし、どこも同じ金利だと思っていたら大間違いです。今や預け先によって、金利は10~20倍、それ以上違います。それでは100万円を預けるのにふさわしい、「金利の高い定期預金」を提供している、代表的な預け先を紹介しましょう。
 

ネット銀行は定期預金だけでなく普段使いにも◎

【特徴】
ネット銀行は、一般的な銀行のように店舗を持たないためコストを抑えられ、その分、金利を高めに設定しています。一般的な銀行の定期預金金利が0.002%と低いことから、ネット銀行の金利優位性が際立つ状況にもなっています。定期預金だけではなく、普通預金の金利も総じて高いので、普段使いとしても利用価値が高いです。通帳は基本的にはなく、WEB上で管理をします。口座開設はネットから申し込みが可能です。数は少なくなりましたが、ボーナス時期に金利上乗せキャンペーンなどを実施する金融機関もあります。
 
【取扱商品】
普通預金、定期預金のほか、外貨預金や投資信託、住宅ローンの取り扱いもある
 
【金利】※2022年11月18日時点(以下同)
普通預金:0.20%(あおぞら銀行BANK支店)
定期預金(1年):0.21%(あおぞら銀行BANK支店「BANK The 定期」)、0.15%(オリックス銀行「eダイレクト預金」、新生銀行「パワーダイレクト円定期預金100」)
※オリックス銀行は2年0.15%、3年0.25%、5年0.28%
※新生銀行の金利はステータスがシルバー以上の場合。このほか、新規口座開設・預け入れ限定の「スタートアップ円定期預金」として30万円以上の預け入れで1年0.30%
 
【代表的なネット銀行】
あおぞら銀行BANK支店、オリックス銀行、新生銀行、住信SBIネット銀行、楽天銀行、大和ネクスト銀行、PayPay銀行、ソニー銀行、セブン銀行、ローソン銀行、auじぶん銀行など
 

地銀でもネット支店なら、高金利&全国どこからでも口座開設可

【特徴】
本来、地方銀行はその営業エリア内に居住している、もしくは勤務先があるなど口座開設に制約がありますが、ネット支店は全国どこからでも口座開設が可能。ネット支店に限り、金利を高めに設定しています。通帳は基本的にはなく、WEB上で管理をします。地銀ごとに特色のある定期預金があり、預入金額を10万円からとするところや100万円限定とするところもあります。
 
【取扱商品】
普通預金、定期預金。外貨預金や投資信託、住宅ローンも取り扱うが、地域外であれば、定期預金のみと割り切って使うのがベター。
 
【金利】
定期預金(1年):0.22%(愛媛銀行四国八十八カ所支店「100万円限定だんだん定期預金」、島根銀行「インターネット定期預金ネットプラス」、香川銀行セルフうどん支店「超金利トッピング定期預金」)、0.20%(高知銀行よさこいおきゃく支店「よさこいおきゃく定期」)

【代表的な地銀ネット支店】
香川銀行セルフうどん支店、愛媛銀行四国八十八カ所支店、高知銀行よさこいおきゃく支店、島根銀行インターネットバンキング、静岡銀行(しずぎんインターネット支店)など。
 

地元の信用金庫は、定期預金のほか、アイデアフルな商品も人気

【特徴】
地元の信用金庫は、地方銀行よりもさらに営業エリアが限定的。地元密着で地域の中小企業や個人を支える協同組織の金融機関。集金に来てくれる定期積金など独自のサービスがあります。営業エリアに居住または勤務先がある人のみ口座開設が可能。人気の「懸賞金付き定期預金」は、東京の城南信用金庫がはじめて取り扱いをするなど、アイデアフルな商品をそろえているのも特徴。また、子どもの人数によって金利上乗せがある「子育て応援定期預金」の取り扱いがある信用金庫も多くあります(詳しくは「お年玉は子ども名義で貯める、子育て応援定期で貯める」をご覧ください)。
 
城南信用金庫では「節電プレミアム預金」として1世帯100万円まで、年1.0%の預金を扱っています。省電力・省エネルギーに関する10万円以上の設備投資を行うことが条件です。また、インターネット支店がある信用金庫では、高めの金利の定期預金を取り扱っています。

地元の信用金庫でキャンペーンなどを確認するとともに、ネット支店であれば、全国どこからでも口座開設が可能なので、一考の余地ありです。
 
【取扱商品】
普通預金、定期預金、定期積金、住宅ローンやマイカーローンなど各種ローン
※懸賞金付き定期預金、宝くじ付き定期預金、子育て支援定期預金など、「お楽しみ定期」が豊富
 
【金利】
普通預金:0.001%など
定期預金(1年):0.002~1.0%など
※播州信用金庫夢みらい支店「ばんしん夢みらい特別金利定期預金」0.26%(100万円以上、2022年12月30日まで)
※※しずおか焼津信用金庫しずしんインターネット支店「特別金利型定期預金 プレミアム定期預金2022(1年)」0.20%(2023年3月31日まで)
※豊田信用金庫とよしんインターネット支店「ほかほか定期預金」0.20%(2023年3月31日まで)
 

貯金100万円を金利が高い定期預金に預けるときの注意点

紹介した定期預金は、いずれも一般的な都市銀行の定期預金と仕組みは同じです。万が一、金融機関が破たんしても元本1000万円までとその利息は保護されます。常に使っている銀行と比べて、金利の高さは明らかです。
 
それでも預け替えをしないのは、ひとえに手続きが面倒くさい、ということだけでしょう。しかし、一度口座を開けば、ネット銀行なら提携のATMも多く、利便性を気にすることはまったくありません。また、地銀のネット支店も、コンビニATMをはじめ、使えるATMは意外と多いのです。地元の信用金庫は、地元でしか口座開設できませんが、その分、顔の見えるサービスを受けることができます。さらに、懸賞金付き定期、宝くじ付き定期、地元特産品付き定期など多様な定期預金を扱っています。信用金庫のインターネット支店は全国から口座開設可能で、全国どこでも信金ATMであれば、原則、時間内の利用手数料は無料という点も特徴です。
 
まずは、こうした金融機関の定期預金を利用するところから、はじめてみましょう。一度やってしまえば、次の100万円はどこに預けようかと考えるのも楽しくなってくるでしょう。
 
ただし、注意点としては、なかには期間限定の定期預金があるということです。通常、定期預金は預入期間が最高10年などと長期に設定することもでき、1年と短い期間の設定でも満期が来たら、そのまま継続することも可能です(金利はその時点の新しい金利になる)。しかし、ネット銀行や地銀のネット支店の場合、1年のみと預入期間が限定されるところもあります。その場合、満期が来ると普通預金口座に移し替えられて、その時点の金利が適用されることになります。
 
せっかく金利が高いからと預けても、満期後の取り扱いに注意しないと、低金利になってしまうことになりかねません。最初の100万円。大事に育てるためにも、十分メリット、デメリットを理解して使うようにしましょう。
 

貯金100万円を定期預金以外で預けるなら、高金利の普通預金も

貯金100万円の預け先として、定期預金はセオリーですが、現在、定期預金と普通預金の逆転現象も起きています。何がなんでも、定期預金に預けるのではなく、せっかく貯まった100万円をいつもの口座から移し替えることが重要なので、高金利の普通預金に預けることも選択肢になります。
 
2022年11月18日時点、高金利の普通預金は以下の3行です。
 

あおぞら銀行BANK支店の普通預金

従来のインターネット支店がBANK支店となり、新たな商品ラインナップが加わりました。BANK支店の普通預金は、特に条件もなく、一律、金利は0.2%。一般銀行の200倍の金利です。定期預金はネット専用で50万円以上の預け入れ、1年ものが0.21%、2年0.22%、3年0.23%ですから、定期預金ではなく、普通預金のままでも同程度の金利を得ることができます。
 

楽天銀行の普通預金

楽天銀行の普通預金金利は、0.02%。これでも一般の銀行の20倍です。さらに、楽天証券の口座を持ち、連携サービスである「マネーブリッジ」に申し込めば、普通預金金利が0.1%と、実に100倍の金利になるのです。現在、楽天銀行の定期預金金利(1年)は、0.02%ですから、定期預金よりも普通預金のほうが、金利が高いということです。あえて定期預金にせず、普通預金のままで十分なのです。ただし、商品内容の改定が行われ、普通預金金利0.1%が適用されるのは預金残高300万円まで。300万円を超えた分の金利は0.04%となっています。
 

イオン銀行の普通預金

イオン銀行の普通預金金利は0.001%。一般の銀行と同じです。しかし、キャッシュカードとクレジットカードがセットになった「イオンカードセレクト」の保有者で、一定の条件を満たすと、普通預金金利が最大で0.10%と、一般の銀行の100倍になるのです。イオン銀行の定期預金金利(1年)は0.01%ですから、やはり、定期預金ではなく、あえて普通預金でいいのです。
 
詳しくは「普通預金の新常識。定期預金は使わず金利200倍!」で紹介。
 

金利上昇に強い「個人向け国債 変動10」も、一般の定期預金より有利

このところの低金利で、個人向け国債は、最低の基準金利の0.05%で推移し、預け替え先としてはあまり魅力がありませんでした。しかし、最低基準金利でも一般的な普通預金や定期預金よりも金利が高いため、預け先として見直されているのが「個人向け国債 変動10」です。
 
2022年1月募集の第142回債では適用利率が0.07%でしたが、次の2月募集では0.11%、3月募集は0.12%、11月募集の第152回債は0.17%と、適用利率は上昇傾向にあります。変動金利型だからこそ、市中金利の動きに反応し、即座に金利は上下します。購入のタイミングを見極めれば、有利に預け替えることができるでしょう。
 
個人向け国債のうち、「変動10」は、半年ごとに適用金利が見直されるため、購入時に低金利であっても、金利が上昇したら、それに合わせて有利に運用することができます(固定3、固定5は購入時時点の金利が適用されるので、金利上昇局面には不向き)。
 
満期は10年ですが、購入後1年たてば中途換金が可能なので、使うときがきたら解約するのも自由です。解約時に直近2回分の利子相当額×0.79685が差し引かれますが、元本割れはなく、国が保証するので、もっとも安心な預け先といえるでしょう。銀行、証券会社の多くが取り扱いをしていますが、金融機関によっては口座管理料がかかる場合がありますので、預ける場合は金融機関選びに注意が必要です。
 
100万円貯まったら、ぜひ口座を移し替えて確実に貯蓄として確保し、次の100万円を目指して頑張ってください。
 
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