毎月1万円の差が10年後には120万円以上の差に

毎月の貯蓄額の目安は、シングルなのか、子育て世代なのかによっても、そして年収によっても変わってきます。一概に、年収の何%とは言えませんが、仮に年収400万円でその10%を貯蓄に回すなら、毎月の貯蓄額は3万円強になります。年間で40万円程度の貯蓄ができれば、不意の出費に対応することができるでしょう。

お金を貯めようと思った時、まずは50万円、100万円と目標金額を決めるのが基本で、1年で100万円を貯めようとすると毎月の貯蓄額は約8万3000円。2年で貯めるなら約4万円。この金額が現在の家計状況でムリがないと思えば、すぐに積み立てを開始すればいいでしょう。

しかし、そんなに貯蓄に回せない、という人もいるでしょう。月1万円の貯蓄を1年続けても12万円。たったそれだけと思ってしまうかもしれませんが、貯蓄は1年後がゴールではありません。

仮に、現在貯蓄ゼロで、毎月1万円貯蓄を続ければ、元本は10年後に120万円、20年後に240万円になります。貯蓄することに慣れてきて(家計管理が整ってきて)、毎月2万円、3万円とペースアップできれば、元本がさらに増えます。とても単純なことですが、毎月の1万円が10年後、20年後に大きな差となるのです。貯蓄ゼロはいつまでもたっても貯蓄ゼロ。1000円でも多く、1日でも早く始めることが、何よりも大事です。

金利差や運用利回りより、1万円増額が大事な理由

お金を貯めるなら、すぐに積立1万円の増額をで書いたように、お金を貯めようと思ったときに、あれこれ考えすぎずに、すぐに行動をしたほうがいいのです。

2018年2月時点で、一般的な都市銀行の定期預金金利は、1年で0.01%です(自動積立定期も同じ)。毎月1万円を30年積み立てたとします(金利は変わらないものとする)。30年後に積立元本は360万円。利息と合わせて360万4450円。30年積み立てても利息はたったこれだけ?と思うかもしれません。

では、金利が高めのネット銀行で積み立てるとします。金利は0.20%。毎月1万円を30年積み立てた場合、元利合計は369万314円。一般の銀行より、はるかに多い利息が受け取れます。しかし、現状、ネット銀行で積み立て(もしくは、自動入金サービス)ができるのは、ソニー銀行、住信SBIネット銀行、じぶん銀行、大和ネクスト銀行の4行のみです。普段、使っていないネット銀行だと、口座開設や手続きに時間がかかり、貯めたい!という気持ちが薄れていってしまいます。また、ソニー銀行以外は、普通預金口座から毎月、定期預金に振替しなければなりません。それでも、少しでも多く増やしたいと思うなら、手間を惜しまず、手続きをすることです。

銀行の定期預金に預けても、結局、大した違いはない、だから運用したほうがいい!と考える人もいるかもしれません。いきなりリスクの高いものではなく、安定した運用が期待できる投資信託で積み立てをするのも、ひとつの選択でしょう。毎月1万円で運用利回りが1.0%だったと仮定すると、30年で約408万円になります。

さらに、この運用を個人型確定拠出年金で行えば、運用中の利益が非課税なので、30年後には約420万円と効率よく運用することができます。ただし、老後資金としてしか引き出せないので、途中で引き出すことはできません。


積立額を増やすことが、最も効果的

積立額を増やすことが、最も効果的


このように、金利のいい銀行を探したり、口座開設の手続きをしたり、どの投資商品、投資信託にすればいいのか、個人型確定拠出年金ってなに?と考えているうちに、時は過ぎていきます。

その時間があるのなら、毎月1万円ではなく、2万円に増額することが優先です。毎月2万円で金利0.01%の積立でも、30年後には720万8900円になります。利息は8900円。たったそれだけかもしれません。積み立ての元本を増やしたわけですから、毎月1万円の場合の2倍になるのは当たり前ですが、30年後に、これだけ貯蓄額に差がつくなら、金利差や運用に頭を悩ますより、毎月1万円増額することが、どれだけ大事か、わかるでしょう。

時間は戻ってこない。「たられば」は、やらなかった人の言い訳

当然のことながら、30年ずっと同じ貯蓄額ということはないでしょう。まとまった金額になれば、もっと有利な定期預金に預け替えをするでしょう。ある程度の貯蓄ができたら、運用をスタートさせるでしょう。こうしたことは、時間をかけて勉強したり、調べたりして、徐々にやっていけばいいことです。今、貯蓄がない、少ないという人は、まずは、毎月1万円、できれば2万円と実行に移すことが最も大切なことです。

投資では、「たられば」は禁句。「あのとき、あの株を買っていれば、今ごろ・・・」「あのとき、早く売っていたら、損失は最小限ですんだのに・・・」と、後悔しても、その時は戻ってこないのです。同じように、貯蓄も、「もっと早くから積み立てをしていれば・・・」「30代の無駄遣いをやめていれば・・・」と思っても、その時間を取り戻すことはできないのです。

10年後、20年後、30年後に「たられば」を口にすることのないように、貯蓄行動を今すぐスタートさせましょう。

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