・育児休業給付金とは?支給要件は?
・育児休業給付金はいつからいつまでもらえる?
・育児休業給付金はいくらもらえる?
・育児休業給付金は実質、休業前の約8割の支給率です
・パパ休暇、パパ・ママ育休プラスでより柔軟な育児が可能です
・まとめ
育児休業給付金とは?支給要件は?
出産後の一定期間は子供を育てるための休暇が認められ「育児休業制度」と呼ばれています。育児休業期間の所得保障として雇用保険から支給されるのが「育児休業給付金」であり、受給するには育児休業前の2年間に12カ月以上雇用保険に加入している必要があります。有期雇用労働者(期間の定めのある労働者)の場合は「子が1歳6カ月までの間に契約が満了する予定ではない」との要件も満たす必要があります。以前は「育児休業開始時に同一事業主に1年以上継続雇用されている」との要件もありましたが令和4年度から撤廃されています。
育児休業給付金は雇用保険から支給されるものです
育児休業給付金はいつからいつまでもらえる?
育児休業給付金が支払われるのは、原則として育児休業を開始した日から、子が1歳となる日の前日(民法上1歳になるのは誕生日の前日のため1歳の誕生日の前々日)までです。ただし、子が1歳になる前に職場復帰された場合は復帰日の前日までとなります。しかし希望しているにもかかわらず1歳以降に保育所(無認可保育所は除く)に入所できないなど特別な事情がある場合は、子が1歳6カ月となる日の前日までが、またそれ以降も入所できない場合は2歳となる日の前日までが、育児休業給付金の支給対象となります。 なお出産後8週までの産後休暇(産休)は育児休業給付金の支給対象期間ではなく、健康保険から支給される「出産手当金(*)」の対象となります。
*産前産後休業期間に健康保険から賃金の3分の2相当額が支給される
育児休業給付金はいくらもらえる?
育児休業給付金は育児休業を開始する前の給与(賃金月額)の67%です。ただし6カ月経過後(181日以降)は50%となります。育児休業給付金は実質、休業前の約8割の支給率です
育児休業給付金が支給されるとはいえ、休業前の67%(6カ月経過後は50%)では生活が不安と考える方もおられるかと思います。しかしながら育児休業給付金は非課税であることや育児休業期間中は社会保険料の負担がないことから、実質的な手取り収入で考えると休業前給与の約8割の支給率となります。厚生労働省のパンフレットには給与23万円の方の休業前と休業期間中(6カ月までの期間中)の実質的な手取り収入の図が載せられています。 なお住民税は前年の所得に対してかかるため、休業期間中も徴収される点はご注意ください。
パパ休暇、パパ・ママ育休プラスでより柔軟な育児が可能です
育児休業は出産した本人のみが取れる制度と思っている方も多いのではないでしょうか。実は育児休業はパパも取得可能な制度であり、その期間は育児休業給付金も支給されます。また「パパ休暇(*)」を使えばママが一番大変な産休中の取得に加えて、パパは育児休業を2回取得可能なことや「パパ・ママ育休プラス」を使うことで育児休業期間の延長や、期間中の収入をより充実したものにすることも可能です。*パパ休暇は令和4年10月に廃止され、新たに「産後パパ育休」制度が創設されます なお「パパ休暇」「パパ・ママ育休プラス」を利用する際の詳しい要件については厚生労働省HPをご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は育児休業給付金について解説してみました。令和4年度より育児・介護休業法が改定され、企業には育児休業を取得しやすい環境づくりが義務付けられることや、有期雇用労働者への育児休業取得要件の緩和、育児休業の分割取得、男性の育児休業取得促進制度の導入などが段階的に施行されます。特に男性の育児休業の取得率は2020年(令和2年)度の厚生労働省データで12.65%とまだまだ低い状況であり、育児休業制度の充実と啓発は今後も拡充していくと思われます。
いずれにせよ出産・子育て世代の夫婦にとっては家族のライフスタイルに合わせた働き方が可能になり歓迎されることではないでしょうか。
《参考》
・厚生労働省HP
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