岡山電気軌道(おかでん)に愉快なチャギントン電車が2019年3月に走り始めて3年が経過した。その人気は子どもたちを中心に衰えることはない。終点には、チャギントンの世界を堪能できる「おかでんミュージアム」も開設され、楽しい1日を過ごすことができる。どんな電車なのか、レポートしてみよう。
 

おかでんチャギントン電車とは?

おかでんチャギントン電車

おかでんチャギントン電車、快走

岡山市内を走る路面電車の岡山電気軌道(おかでん)は、JR九州の観光列車で有名な水戸岡鋭治氏がデザインした車両が多数走っている。そのうちの究極の車両が「おかでんチャギントン電車」だ。チャギントンとは、きかんしゃトーマスと人気を二分する鉄道アニメのことである。
岡山駅前に停車中のおかでんチャギントン電車

岡山駅前に停車中のおかでんチャギントン電車

トーマスはSLがメインなのに対し、チャギントンはSLのみならず各種鉄道車両が登場する。その中で、人気キャラクターの赤いウィルソン(Wilson)と青いブルースター(Brewster)を実物の車両にして2両編成としたのがおかでんチャギントン電車だ。
目玉がぎょろり

岡山駅前を発車! 最後尾は目玉がぎょろり

ウィルソンのモデルはアメリカ各地で20世紀中盤に活躍した有名なディーゼル機関車、ブルースターはイギリスで20世紀後半に特急列車などの牽引に活躍したディーゼル機関車をイメージしている。どちらも、機関車なので客室はなく、したがって窓は少ない。

電車化するにあたり、ドアを設置しているものの窓を小さくして、機関車本来のイメージをよく表している。なお、ブルースターはBrewsterであってBlue Star(青い星)ではない。
 

おかでんチャギントン電車の楽しみ方、行程など

チャギントン電車

岡山駅前を発車する前のチャギントン電車

窓が小さくて少ないため、この電車は車窓を楽しむようにはなっていない。閉ざされた空間内は、現実とはかけ離れた独自の世界が展開し、子どもを中心としたイベントで盛り上がって道中を過ごすように工夫されている。電車の顔はチャギントンのキャラクターそのものなので、どこか日本離れした表情だ。頭に警笛用のラッパが付いているのも英米の機関車らしくて面白い。

チャギントン電車は、すべて指定席。事前に特別乗車チケット(おとな3500円、こども2000円、平日は100円安くなる)を購入しなければならない。内訳は車内イベントを含めたチャギントン乗車料金、おかでんミュージアム入館料、乗車記念カード、路面電車1日乗車券である。帰路はチャギントン電車に乗れないので、各自1日乗車券を使って岡山駅前などに戻ることになる。
東山・おかでんチャギントンミュージアム駅

東山・おかでんチャギントンミュージアム駅に到着

運行スケジュールは土休日、学校の長期休業期間、月曜、金曜は、1日3本。いずれも岡山駅前を発車し、清輝橋まで往復して一旦岡山駅前に戻った後、東山(正式名称は、東山・おかでんチャギントンミュージアム駅電停だが、長いので以下東山と記す)まで走る58分の行程だ。平日の水曜と木曜は体験版直行便(おとな600円、こども300円)で、岡山駅前から東山まで進む20分の行程である。
 
チャギントン電車は、岡山駅前を出るときは、赤いウィルソンが先頭になる。清輝橋で折り返すときは、青いブルースターが先頭になる。最後尾となる車両の運転台はブラインドが下ろされ、大きな目玉がぎょろりとあたりを見回していて愉快な表情だ。

人気電車なので満席のことが多いのだが、乗車しなくても、走りを見ているだけでも楽しめる。遠くからチャギントンのテーマ音楽を流しながら登場するので、存在感たっぷりだ。
 

おかでんミュージアムを訪問しよう

おかでんミュージアムの入口

おかでんミュージアムの入口

東山に到着すると、次の出番に備えて車両基地に入ってしまう。車両基地とは道路を隔てた反対側にあるのが、「おかでんミュージアム」だ。

元々関係者以外立ち入り禁止だった車両工場の一部をリノベーションしてミュージアムとしたもので、デザインしたのはチャギントン電車同様、水戸岡鋭治氏。入口でスリッパに履き替え、館内へ。左奥にカウンターがあるので、入館料を支払う。

正規料金は1000円だが、おかでんの路面電車1日乗車券(400円)を見せると500円になる。あらかじめ一日乗車券を買っておいた方がおトクだ。
1階の様子

おかでんミュージアム、1階の様子

館内は、チャギントンと水戸岡鋭治氏の世界が横溢している。チャギントン関係のグッズやポスターはもちろんのこと、水戸岡鋭治氏がデザインしたJR九州の車両のうち、子ども向けの観光列車「あそぼーい」やそのマスコットキャラクターのKURO(くろ)ちゃんなども大々的に取り上げられている。
くろちゃん

「KURO(くろ)ちゃん」など水戸岡ワールド全開のコーナー

2階には巨大なプラレールのコーナーがあり、中国地方ゆかりの寝台特急サンライズ・エクスプレスやSLやまぐち号の模型も走っている。
プラレール

ミュージアム2階ではプラレールの列車が走り回る

鉄道以外では、1階の入り口付近にいる猫館員ミュー(美宇)くんが人気だ。ミュージアムのネコだからミューと呼ぶらしい。普段はガラスケースの中で寝ている。フラッシュ撮影禁止、ガラスを叩いたりしないでそっと眺めてあげよう。
ネコ館員ミュー

ショーケースの中には猫館員ミューの姿も

東山から岡山駅前までは路面電車で15~20分程度。本数は、コロナ禍の減便ダイヤだが、それでも日中は7分間隔での運行なので不便ではない。遠くからの旅行者でも、半日ほど時間があれば、岡山駅から気楽に訪ねられる。気になる人はぜひ一度、訪れてみてはいかがだろうか。


【おすすめ記事】
鉄道の春ダイヤ改正、「減便」が相次ぐ中で朗報といえる変更ポイントは
2022年は鉄道開業150周年!「JR全駅入場券」セットなど、気になる特別企画をチェックしてみた
相鉄・東急直通線の開業で何が変わる? 新横浜駅へのアクセスなど、利用者のメリットは
京急川崎駅の「パタパタ」発車案内が引退、まだ現役で活躍するオモシロ案内掲示板を調べてみた
西九州新幹線「かもめ」の車内公開! 大村車両基地が完成
まるでミニ鉄道博物館!? 横浜駅前のホテルに誕生した「鉄道コンセプトルーム」とは


【鉄道トリビア】
【JR山手線のトリビア10選】 駅メロ、踏切、起点、読み方……みんな知ってた?
【JR中央本線のトリビア10選】「中央線」の意味、スイッチバック、すべての特急が停車する駅…
【JR京浜東北線のトリビア10選】「上り・下り」はない、鉄道発祥の地、松本まで走った特急列車…
【東海道新幹線のトリビア10選】富士山がよく見える場所、ドクターイエロー、名古屋駅を通過した列車…
【JR総武本線のトリビア10選】起点駅、ライバル路線の存在、終点・銚子駅より先に延びる線路…
【東京メトロ半蔵門線のトリビア10選】九段下駅の「バカの壁」、住吉駅の留置線の謎、新型車両…
【東京メトロ丸ノ内線のトリビア10選】JRの上を走る駅、所要時間「1分」の区間…
【東京メトロ銀座線のトリビア10選】渋谷駅の留置線、ぞろ目車両1111、丸ノ内線に直通する線路…
【東京メトロ日比谷線のトリビア10選】ホームドア設置が遅れている理由、駅のイラスト、東横線直通電車…
【都営新宿線のトリビア10選】都営なのになぜ千葉県にも駅がある?
【都電荒川線のトリビア10選】バラが咲き乱れる沿線、道路を走る区間、都電もなか…
【JR常磐線のトリビア10選】本線ではなく支線、電車型のコンビニ、海が見える絶景ポイント
【JR横須賀線のトリビア10選】起点はどこ? 京急線との関係、グリーン車の始まり


【全国の気になる駅】
全部読める? 全国にあるオモシロ「難読駅」10選
知ってた? 実は東京や首都圏にもある「無人駅」
駅なのに降りられない、人より動物が多い!? 全国で見つけた「変な駅」10選
バリアフリー設備が充実している駅を厳選! 知る人ぞ知る究極のバリアフリー駅はどこ?


【こちらもおすすめ】
今さら聞けない「きっぷの買い方」超入門
新幹線回数券の使い方! 本当お得なのかエクスプレス予約の割引と比較をしてみた
知ってた? 鉄道回数券が相次いで廃止に! これから激安で乗る裏技は
グリーン車とは? 料金や乗り方、設備など普通車との違いやメリット
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。