グリーン車とは

グリーン車マーク

グリーン車マーク(東北新幹線E5系)

グリーン車とは、JRで普通車よりワンランク上の車両である。座席がゆったりしていたり設備がより充実しているなどのメリットがあり、特別料金の「グリーン券」を運賃、特急・急行券に上乗せして購入することで乗ることができる。

今回はその名前の由来、普通車との違い、メリット、乗り方などをまとめてみた。また、グリーン車よりさらにグレードの高いグランクラスや寝台車のグリーン車に相当するA寝台についても簡単に説明してみた。

<目次>

1等車からグリーン車への歴史

マイテ39形展望車車内

1等車のシンボル的存在だったマイテ39形展望車車内(鉄道博物館)

かつての国鉄時代をさかのぼれば、旅客車両のグレードは3等級で、鉄道草創期には上等、中等、下等だったものが1等、2等、3等になっていった。それぞれ車両の形式記号が、1等=イ、2等=ロ、3等=ハ、と定められていた。やがて、1等車はほとんど消滅したので、2等、3等の2等級となり、さらに呼称がそれぞれ格上げされて、2等⇒1等=ロ、3等⇒2等=ハになった(形式記号は格上げされず)。

高度成長時代の「1億総中流」の世相を反映してか、1969年にモノクラス制に移行し、それまで等級によって異なっていた運賃が一本化された。1等はグリーン車、2等は普通車と名前を変えた上、グリーン車は特別料金のグリーン券を運賃、特急・急行券に上乗せして徴収する形となった。「ロ」「ハ」の記号は、グリーン車=ロ、普通車=ハ、に継承された。電車の「モハ」やディーゼルカー「キハ」は、それぞれの普通車のことである。
 

グリーン車の名称の由来

1等車「ロ」の車体の窓下の帯の色がライトグリーンだったこと、硬券の色も緑系だったことに由来するとの説が有力である。グリーン車登場にともない、四葉のクローバーマークを模したグリーン車マークが設定された。のちに、窓下のライトグリーン帯は廃止され、グリーン車マークのみが残っている。
 

普通車とグリーン車の違い  普通列車/特急列車・新幹線

N700系グリーン車

東海道新幹線N700系グリーン車車内

新幹線
普通車が通路をはさんで2人掛けと3人掛けシートなのに対して、3人掛けはなく、すべて2人掛けになっている(車椅子スペースが確保されているときは1人掛け)。
 
在来線特急
通路をはさんで2人掛け、1人掛けのゆったりした車内のものと、普通車同様のすべて2人掛けのもの(車椅子スペースが確保されているときは1人掛け)がある。すべて2人掛けのものは、前後の座席との間隔(シートピッチ)を普通車より広くしたり、フットレスト(足乗せ)を設置したりして差別化を図っている。
かもめ

787系「かもめ」

特別な車両としてJR九州787系のDXグリーン車、グリーン個室がある。

料金例 博多~長崎 787系「かもめ」
特急券のほか グリーン料金=1570円、DXグリーン料金=2670円、グリーン個室料金=3140円
 
普通列車
普通列車グリーン車2階

首都圏の普通列車グリーン車2階の車内

グリーン車のないものが多く、定期列車でグリーン車が連結されているのは首都圏の2階建てグリーン車、瀬戸大橋線を走る「マリンライナー」、くらいだ。列車種別では普通列車に該当する通勤用のホームライナーは特急用車両を使うことが多く、グリーン車が組み込まれていれば、そのままグリーン車として使われる(列車によっては、グリーン車は閉鎖されて利用できないこともある)。

また、観光列車の中に快速列車で全車グリーン車のものがある。
 

グリーン車のメリット 普通列車/特急列車・新幹線

座席がゆったりしているほか、コスパに優れているわけではないので利用者はお盆休みや年末年始、連休をのぞけば少ない。乗客が少なければ車内は静かだし、隣が空席なら、より広々とした感じがして快適に過ごせる。

混雑時であれば、ほぼ満席となるし、普通車が満席でやむを得ずグリーン車に乗ってくる家族連れもいて、静謐(せいひつ)性は確保されないので割に合わないこともあろう。
E353系グリーン車

E353系「スーパーあずさ」のグリーン車車内

常磐線特急「ひたち」「ときわ」のE657系、中央線特急「あずさ」の新型車両E353系は、普通車のグレードが高い一方で、グリーン車はすべて2人掛けなので、思ったほど差がない。またグリーン車の定員が少ないので、比較的乗車率もよく、ほかのグリーン車と比べるとメリットが感じられない人がいるかもしれない。

普通列車の場合は、ラッシュ時であっても座れる確率が高い(自由席なら着席は保証されないことに注意。通勤時間帯の東海道本線など混雑の激しいグリーン車もある)ほか、テーブルが設置されているので、パソコンテーブルとして利用できたり、食事が摂れたりして過せるというメリットがある。新幹線が並行している区間であれば、所要時間はかかるけれど、新幹線自由席よりも料金が安いので、リーズナブルかつ快適に移動できるというメリットもある。
 

料金はどれくらい違うのか? 

特急券&グリーン券

「四国まんなか千年ものがたり」の特急券&グリーン券

繁忙期や閑散期ではなく通常期で比較してみた。ただし、運賃以外の部分での比較である。

新幹線
・東京~新大阪 
普通車自由席=4870円、普通車指定席=5700円、グリーン席=10480円
・東京~仙台「やまびこ」利用の場合
普通車自由席=4430円、普通車指定席=4950円、グリーン席=8540円

在来線特急
・新宿~松本「スーパーあずさ」
普通車自由席=2380円、普通車指定席=2900円、グリーン席=5470円
・大阪~金沢「サンダーバード」
普通車自由席=2380円、普通車指定席=2900円、グリーン席=6490円
・岡山~松山「しおかぜ」
普通車自由席=2380円、普通車指定席=2900円、グリーン席=6490円

普通列車
・岡山~高松「マリンライナー」
普通車自由席=0円(運賃のみ)、普通車指定席=520円、グリーン席=980円
・東京~熱海 普通列車
普通車自由席=0円(運賃のみ)、普通車指定席=なし、グリーン席=980円(平日事前料金)
・東京~熱海 東海道新幹線「こだま」
普通車自由席=1730円、普通車指定席=2250円、グリーン席=4480円
 

チケットの買い方

駅の窓口、自動券売機、東海道新幹線のエクスプレス予約などwebで購入してチケットレスで乗ることのできる列車もある。
suicaグリーン券専用券売機

Suicaグリーン券専用券売機

首都圏の普通列車グリーン車は窓口や券売機のほか、ホームにある専用のグリーン券券売機を使って手持ちのICカードにグリーン券情報(乗車区間)を記録(購入)し利用する方法もある。
 

グリーン車の乗り方 指定席に座る

当然のことだが、グリーン券の指定された座席に座る。首都圏の普通列車グリーン車は自由席なので、座席上の天井にあるグリーン券情報読み取り機にICカードをかざしてランプを緑に点灯させて席を確保する。紙のグリーン券を購入した場合は、グリーンアテンダントに券を提示してランプを緑に変えてもらう。
 

グリーン車をお得に乗る方法

1.東海道新幹線エクスプレス予約
ポイントを貯め、所定のポイントが貯まったら、普通車指定席の料金でグリーン車にグレードアップできる。

また、EXこだまグリーン早特、EXグリーン早特を使って割引料金で乗る。

料金例
・EXこだま早特(乗車券+特急券、グリーン券込みの値段)
東京~名古屋 9000円
EXの通常予約で乗る「のぞみ」指定席 10110円(乗車券+特急指定券)
…「こだま」グリーン車の方が、「のぞみ」普通車指定席よりも安くなる!

2.VIEWカードのポイントを貯めて乗る
VIEWカードを利用し、800ポイント貯まったら、グリーン車利用券と交換。普通車指定席の料金でグリーン車に乗車できる。ただし、JR東日本エリア限定なので、北陸新幹線は東京~上越妙高間のみ、北海道新幹線には使えない。また、ゴールデンウィーク期間、お盆の時期、年末年始は利用不可、有効期限は6カ月なので要注意。
 

グリーン車に相当する車両 

シングルデラックス

サンライズ出雲のシングルデラックス室内

寝台車のA寝台(シングルデラックス)は、座席車のグリーン車に相当する。

・寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」 運賃以外の特急券・寝台券合計
東京~出雲市 
ソロ(普通車に相当)=9720円、シングルデラックス(グリーン車に相当)=16970円
 

グリーン車よりグレードの高い車両

グランクラス
グランクラスのロゴ

グランクラスのロゴ

東北・北海道・北陸新幹線には、グリーン車よりさらにグレードの高いグランクラスがある。通路をはさんで2人掛けと1人掛けと極めてゆったりしたシート。飲食のサービス(指定料金に含まれる)など上質のおもてなしを受けることができる。

料金例
・東京~金沢(北陸新幹線)「かがやき」
普通車指定席=6780円、グリーン席=11410円、グランクラス=19630円
 
豪華列車「ななつ星in九州」「TWILIGHT EXPRESS瑞風」の車両にはマイ、マイネ、マイネフ(ななつ星)、キイテ、キサイネ(瑞風)というように3等級時代の「イ」が復活、グリーン車「ロ」よりも上級であることを示している。
キサイネ

瑞風にはキサイネという形式がある



グリーン車や、さらに上級の車両には、それなりのメリットがある。値段も高いけれど、時には贅沢してみるのも旅が楽しくなるであろう。
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