入学式で「母親の着物」はやりすぎて浮く? 失敗しないポイント
入学式で「母親の着物」はやりすぎて浮く?
洋装で入学式に参加される母親がほとんどである中、着物姿だと目立ちますが、正しいルールやマナーを押さえておけば、悪目立ちして浮くことはありません。着物も洋服と同じセミフォーマルな装いが基本。今回は入学式で着る、ふさわしい着物についてお伝えします。
入学式に着る、ふさわしい着物とは
入学式には、いわゆる「式」というフォーマルな場に適した服装が基本。別れや出会いを喜び、子どもの成長の節目に立ち会うという厳粛な姿勢で着るものです。着物を着る場合も同じように、式にふさわしいものがあることを心得ておかなければなりません。入学式にふさわしい着物は、準礼装(セミフォーマル)・略礼装といわれる「訪問着」「付け下げ(附下)」「色無地」から選ぶとよいでしょう。それぞれの特徴をまとめてみました。
■訪問着
- フォーマルからカジュアルまでオールマイティーに対応でき、年齢や結婚の有無に関わらず着ることができる着物
- 柄は「絵羽模様(えばもよう)」といい、模様が縫い目を渡って胸、肩、袖、裾につながるように描かれているのが特徴
■付け下げ(附下)
- 訪問着を簡略化して作られた着物
- 訪問着のように絵羽模様ではなく、柄が縫い目にかからないよう分割して配置されており、模様がすべて上向きになっているのが特徴
■色無地
- 黒以外の一色に染めて仕立てた、柄のない無地の着物
- 胸や袖、裾に柄のある訪問着に比べると、全体的に控えめな印象
- 一つ紋を入れた色無地は、よりフォーマルな場面で着ることができる
母親の着物、失敗しない着こなしのポイント
着慣れない着物ですが、気合いを入れすぎて悪目立ちしないようにしましょう。母親に求められるのは控えめな脇役的要素のため、着物を選ぶときは子どもよりも目立つことがないように配慮したいもの。礼装らしい落ち着いた色柄のものを選ぶと、入学式にふさわしいコーディネートになります。訪問着を着る場合に気をつけたいことは、主張しすぎない落ち着いた優しい雰囲気の色柄を選ぶこと。たとえば、ピンクや若草色、藤色など全体的に淡く上品で華やぎのある色味で、品のある花柄や古典柄がセレモニーの雰囲気にピッタリです。また、春らしい桜など季節に合った柄を選びましょう。
金彩がふんだんに施されていたり、大ぶりでインパクトの強い柄は派手になり、目立ちすぎるためNGです。またおろしたままのロングのヘアスタイルは着物に合いません。上品で清潔感が出るアップスタイルにして、顔まわりをスッキリさせましょう。
入学式に合う帯の選び方は?
袋帯か名古屋帯が一般的です。いずれも金糸や銀糸で吉祥文様などの古典柄を描いたものや光沢のあるものなど、控えめながらも華やかさがある上品な帯を選びます。不祝儀に付ける黒帯や派手すぎる帯は向いていないので気をつけましょう。■袋帯とは
- 幅約31cm(八寸二分幅)×長さ約4m20cm以上の帯で、袋状のつくりをしている
- 表と裏に別の生地が使われている
- 結婚式や成人式など礼装で使う格の高い帯
■名古屋帯とは
- 袋帯の次に格の高い、セミフォーマルからカジュアルな着物向きの帯
- 幅約30~31cm(八寸~八寸二分幅)×長さ約3m60cmぐらいのサイズ
- 太鼓になる部分は約30cm幅で、そのほかの部分が半分の幅になっていることが特徴
- 帯の長さが短い分、太鼓結びは一重太鼓しかできないので注意
いかがでしたでしょうか。子どもの特別なイベントである入学式。着物姿の方は少ないかもしれませんが、悩まれている方は思いきって着て出席してみませんか? 筆者の場合も子どもの入学式は3回とも着物を着ました。当日は着付けやへアセットなど大変でしたが、今となっては特別な思い出として残っています。
取材協力:晴れ着の丸昌 横浜店
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