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Facebookが「Meta(メタ)」に社名変更。ところで「メタバース」って、いったい何のこと?

Facebook(フェイスブック)は、社名を「Meta(メタ)」に変更しました。同社が今後、「メタバース」に力を入れていくことを示すための名称です。そもそも、メタバースとは何でしょうか。

鈴木 朋子

執筆者:鈴木 朋子

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Facebook(フェイスブック)は米国時間10月28日、社名を「Meta(メタ)」に変更しました。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)によると、SNS事業に加えて「メタバース」の構築に事業が広がっているため、事業のすべてを表す社名にしたとのこと。ただし、これまで手掛けてきた「Facebook」「Instagram」「Messenger」「WhatsApp」はサービス名を継続します。
開発者会議で語るマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)

開発者会議で語るマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)

メタバースに注目しているアメリカの企業は、メタだけではありません。マイクロソフトは米国時間11月2日、Web会議ツール「Microsoft Teams」を2022年にメタバース向けに拡張する
「Mesh for Microsoft Teams」を発表しました。

ところで、大手IT企業がこぞって実現を目指す「メタバース」とは、いったい何でしょうか。
 

メタバースとは?

メタバースとは、デジタルで構築された仮想空間の中で、人々と交流したり、サービスやコンテンツを利用したりする世界を指します。元々はアメリカのSF作家ニール・スティーブンソン氏が1992年に発表した小説「スノウ・クラッシュ」に書いた仮想空間の名称で、「メタ(超越)」と「ユニバース(宇宙)」を合わせた造語です。

メタバースをイメージするなら、任天堂のゲーム「あつまれ どうぶつの森」が分かりやすいでしょう。「あつまれ どうぶつの森」は、ユーザー達が特に目的もなく、自分の分身である「アバター」を使って、虫を取ったり、家を建てたりしてその世界を楽しみます。ユーザー同士で繋がると会話もできますね。

もっと仮想空間をリアルに感じるために、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(混合現実)といったテクノロジーも使われます。VRゴーグルをかぶってサービスの中に入れば、自分の視点で仮想の世界を見回すことができます。置いてあるモノを手に取り、出会ったアバターと会話もできます。

メタやマイクロソフトが構築する会議システムでは、世界中に散らばっている参加者が仮想空間の一か所に集まり、同じスライドを見て話し合うことができます。アバターの方向から声がして相手の表情や手振りも見られることで、実際に人がそこにいるように感じられます。
マイクロソフトが提供する「Mesh for Microsoft Teams」(出所:マイクロソフト)

マイクロソフトが提供する「Mesh for Microsoft Teams」(出所:マイクロソフト)

実はこうしたサービスは以前からあります。「セカンドライフ」(リンデンラボ)をご存じでしょうか。VRゴーグルなどを使う没入感はないものの、仮想空間をアバターで利用することに新鮮さを感じる人が多く、サービス開始当時は爆発的な人気を集めました。現在もサービスは続いていますが、利用している人は少ないようです。
 

メタバースで何ができる?

メタバースが注目された理由の一つに、コロナ禍で人々が対面することが難しくなったことが挙げられます。特に、大人数で集まるイベントやコンサートの実施は見送られることが多くなりました。

そんな2020年8月、シンガーソングライターの米津玄師さんが、バトルゲーム「FORTNITE(フォートナイト)」の空間でイベントを開催しました。コンサートとは趣の違うイベントではありましたが、雷が鳴ったり、紙吹雪が降り注いだりする演出もあり、アバターで参加している観客はまるでその場にいるような感動を覚えたことでしょう。
メタが作成したメタバースのイメージ(出所:メタ)

メタが作成したメタバースのイメージ(出所:メタ)

メタバースは、エンタテインメントだけに活躍するものではありません。ビジネスにも役立つことが期待されています。アバターの販売などVRならではの新規ビジネスや、新たなマーケティング施策も行えるでしょう。また、現実には再現が難しい製造現場のシミュレーションや、医師が手順を覚えるためのトレーニングをVRで行うケースも増えてきています。

VRゴーグルなどの機材や高性能なパソコンなど、メタバースを楽しむためにはある程度の費用と知識が必要です。プラットフォームの整備にまだ時間が掛かると見られていることもあり、メタバースの普及は少し先になるかもしれません。でも、IT企業が乗り出したメタバースで私たちの生活がどう変わっていくのか、今後がとても楽しみですね。



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