筋膜リリースとは? 筋肉・筋膜のしくみと
筋膜はボディスーツのように体全体を覆う
そもそも筋肉は筋線維が束となって構成されており、筋膜で包まれています。筋膜は筋線維1本1本を包む筋内膜、いくつかの筋線維を束ねて覆っている筋周膜、そして筋全体を覆う筋外膜と大きく3つに分けられます。鶏肉などを調理する際、皮と肉の間に薄い半透明の膜が見られますが、これが筋外膜にあたる部分です。皮は皮膚の部分、肉は筋肉、そしてその間に見られる膜が筋外膜と考えるとイメージしやすいかもしれません。
筋膜は主にコラーゲン(タンパク質)でできており、約85%が水分といわれています。そのため水分不足やデスクワークなど同じ姿勢で長く過ごすこと、筋疲労による筋肉の柔軟性低下などによって、よれたりねじれたりしてしまうことがあります。筋膜がスムーズに動かなくなると、膜の中にある筋肉そのものの動きも妨げられるようになってしまうため、筋膜の癒着を改善させることが大切です。「リリース」という言葉は「解除する」「解きほぐす」という意味がありますが、筋膜リリースでは、よれてねじれた筋膜をより良い状態に改善させることを目的としています。
筋膜リリースとストレッチの3つの違い
筋膜のよれやゆがみを改善し、スムーズな動作をもたらす筋膜リリース
1. 対象の違い
ストレッチは主に筋肉に対して行うものですが、筋膜リリースは筋膜にアプローチするため個別の筋肉ではなく広い範囲で行うことがあります。また表層だけではなく深部にある筋膜にまで対象が及びます。
2. 目的の違い
ストレッチは筋肉の柔軟性を向上させ、関節の動く範囲(関節可動域)をひろげることを目的としますが、筋膜リリースは筋膜のよれやねじれ、癒着などを解きほぐし、姿勢改善やスムーズな動作を行えることを目的とします。
3. 時間の違い
反動をつけずゆっくり伸ばす静的ストレッチは通常20~30秒ほどかけて行いますが、筋膜リリースの場合はコラーゲン繊維を伸ばす必要があり短くても30秒程度は必要とされ、より時間をかけて伸ばす場合もあります。
自分でできる簡単な筋膜リリースの方法・実践ポイント
足裏の筋膜リリースにはテニスボールが使いやすくてオススメ