今までは健康的な食事=自炊という見方が強い傾向にありましたが、時代はどんどん変化し考え方も変わっています。今回は管理栄養士の筆者がセブン-イレブンの商品だけを用いて1日の食事の献立を考えてみました。さらに、栄養価計算をして感じた感想やコンビニ食をとり入れるときのポイントをまとめました。
セブン-イレブンの商品だけで筆者が選んだ「1日の献立」
コンビニに入っていざ商品を選ぼうと思うと、先を読んで食事を購入することがとても難しいと感じました。通常、コンビニで食事を購入するときはすぐに食べるものを選んでいたと気づいたのです。筆者にとっては1日の献立を考えてからコンビニ食を買うことが非日常的な行動だったので、あとから振り返ると反省点もありますが、どんな商品があるのか完璧に把握できていないなかで、主食・主菜・副菜と全体のバランスを意識して選んでみた結果がこちらです。■朝食
・おむすび 塩むすび
・さばのみぞれ煮
・うの花(1/2の量)
・シャキシャキ食感の ごぼうサラダ(1/2の量)
・フリーズドライみそ汁 とうふ
【エネルギー量604kcal、たんぱく質19.7g、脂質30.1g、糖質41.1g、食物繊維4.6g、塩分相当量4.4g】
朝は和食で揃えてみました。うの花やごぼうサラダは1袋では多いので1/2の量にしています。残りはお弁当のおかずにするなど別の用途として活用することもできそうです。
■昼食
・バターチキンカレー
・ミニナン(1枚)
・たことブロッコリーバジルサラダ
【エネルギー量453kcal、たんぱく質17.4g、脂質19.9g、糖質35.0g、食物繊維11.2g、塩分相当量3.4g】
昼はカレーをメインとし、野菜のとれるサラダを追加。カレーだけではたんぱく質が少ないので副菜からもとれるようにたこが入っているものを選びました。味のクオリティも高く、おいしさに驚きました。
■夕食
・シンプルが旨い カップ炒飯
・麻婆茄子
・千切りキャベツ
・うま塩キャベツの素
【エネルギー量674kcal、たんぱく質14.2g、脂質40.8g、糖質59.9g、食物繊維6.3g、塩分相当量4.2g】
同じような食事だと飽きてしまうので、マンネリ化を防ぐために夜は中華で揃えてみました。チャーハンと麻婆茄子は冷凍なので、買い置きしておくと便利です。
セブン-イレブン商品で作った献立の給与栄養量から分析してみると
筆者が考えた献立の1日の給与栄養量は次の通りです。【エネルギー量1731kcal、たんぱく質51.3g、脂質90.8g、糖質136.0g、食物繊維22.1g、塩分相当量12.3g】
料理の量を自分に合った量に調整したので、自然と推定エネルギー必要量に近づく結果になりました。ただ、夕食の脂質の量が多くなり、全体的にはたんぱく質が少なく脂質に偏った食事内容に。
日本人は食物繊維が不足していることが問題視されています。しかし、毎食野菜のおかずをとるように心がけることで目標値(男性21g、女性18g)に近づけることは比較的簡単に実現できることがわかりました。
筆者が難しいと感じたのは塩分の部分でした。料理1つ1つの塩分量が高いため、単品の組み合わせではどうしても高くなってしまいます。2020年度版の食事摂取基準における食塩の摂取目標量は男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満となっていますので、筆者の立てた献立では約2倍の量になってしまいます。塩分のとり過ぎはよくないことは知っていても、実現するのはなかなか難しい問題だと感じました。
コンビニで食事を選ぶときのポイント
中食や外食は現代のニーズに合っており否定する考えは全くありません。ただ、自炊よりは価格が上がってしまう、塩分量が高いなどの短所は知っておいた方がよいでしょう。コンビニで食事を選ぶ際のポイントをまとめてみました。・野菜のおかずを一品プラス
野菜には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維には便通改善や脂質の排出を促す、血糖値の上昇を緩やかにするなどの作用があり、生活習慣病の予防にも役立つ栄養素です。追加で一品、野菜のおかずを付けるだけでも摂取量が増やせますので意識してみましょう。
・スープを飲み過ぎない
スープや味噌汁などの汁物は胃腸に溜まるので満足感を得られやすいというメリットがあります。ただし、味付けの濃いものがほとんどで、平均的に1~2gの塩分が含まれています。汁物をとる頻度をよく考え、乾燥野菜などの具材をプラスして副菜代わりにする食べ方もおすすめですよ。
・複数の商品を組み合わせて
例えば豚丼・カツ丼・カレーなどの単品料理よりも、おにぎりと焼き魚と和惣菜などの組み合わせの方が摂取できる栄養素の種類が増えます。お弁当でも幕内弁当などがありますね。カロリーだけを意識するのではなく、品目数を意識するとバランスよく食事を組み立てることができますよ。
今は、昔よりも小さめサイズのお弁当や惣菜が増えており、複数のおかずを組み合わせた食事がしやすくなっています。また、手作りの食事は実際のカロリーが把握しづらいのですが、栄養表示のあるコンビニ商品は計算が簡単にしやすいというメリットも。
コンビニ商品は塩分が多めという懸念点はありますが、毎食毎日続くものでないのであれば他の食事時に調整することも可能です。「疲れたときはコンビニに頼る」を自分に許して、上手に活用していきましょう。