アストラゼネカ社製ワクチン……国内でも40代以上を対象に接種開始

アストラゼネカ社製の新型コロナワクチン

アストラゼネカ社製の新型コロナワクチンの接種が始まりました。特徴や注意点は?

40歳以上を対象とした新型コロナウイルス感染症のアストラゼネカ社製ワクチンの接種が始まりました。アストラゼネカ社製ワクチンは、モデルナ社製やファイザー社製のmRNAワクチンと異なり、ウイルスベクターワクチンです。欧米やアジアでも多く使用されていますが、どのような特徴があるのでしょうか。
 

アストラゼネカ社製ワクチンの特徴・ウイルスベクターワクチンとは

アストラゼネカ社製のワクチンは「ウイルスベクター」を使ったワクチンです。少し専門的になりますが、「ベクター」とは「運び屋」という意味で、コロナウイルスの感染に必要なスパイクタンパク質のアミノ酸配列をコードする遺伝子を、病原性のないサルアデノウイルスに組み込んだ製剤です。

このワクチンを接種すると、遺伝子がヒトの細胞内に取り込まれ、ウイルスのスパイクタンパク質が産生されます。スパイクタンパク質に対する中和抗体が産生されることで、細胞性免疫が誘導され、新型コロナウイルス感染症の予防ができると考えられています。

海外ではすでに18歳以上に使用されていますが、日本では2021年9月4日現在、原則として40歳以上が接種対象です。
 

アストラゼネカ社製ワクチンの有効率・特徴・メリット

厚生労働省によると、アストラゼネカ社製ワクチンの有効率は、従来株に対しては約70%、デルタ株に対しては約60%と報告されています。特徴・メリットとしては、モデルナ社製やファイザー社製ワクチンに比べて保存しやすいことと、日本でも製造可能になっていることが挙げられるでしょう。

少し数値が異なりますが、日本感染症学会ワクチン委員会が報告している発症予防効果を比較すると、従来株に対しては
  • ファイザー社製……95%
  • モデルナ社製……94%
  • アストラゼネカ社製……76%
となっております。

アストラゼネカ社製ワクチンも2回の筋肉注射を行いますが、1回目と2回目の接種間隔は4~12週間空けることになっています。8週間以上空けた方が免疫効果は良いと考えられています。

ワクチンの保存方法で比較すると、
  • ファイザー社製……-75℃前後で6カ月冷凍保存
  • モデルナ社製……-20℃前後で6カ月冷凍保存
  • アストラゼネカ社製は、2~8℃で6カ月冷蔵保存
と、かなり違いがあることがわかるかと思います。
 

アストラゼネカ社製ワクチンの副反応・デメリット・注意点

アストラゼネカ社製の主な副反応は、注射した部分の痛み、頭痛、関節や筋肉の痛み、倦怠感、疲労、寒気、発熱等です。ファイザー社製やモデルナ社製とそう変わりませんが、違う点として、これらの症状が2回目の接種時より1回目の接種時の方が発現頻度が高い傾向が見られていることが挙げられます。

まれに起こる重大な副反応として、ショックやアナフィラキシー、ワクチン接種後に血小板減少症を伴う血栓症、手足のむくみや低血圧などの毛細血管漏出症候群などがあります。

デメリットとしては、
  • ファイザー社製やモデルナ社製よりも効果がやや悪いこと
  • 若年者の血栓症のリスクの可能性が指摘されていること
  • 接種間隔が長く十分な抗体ができるまでに時間がかかること
が挙げられます。
 

より効果が高く自分に合ったワクチンは? ワクチン接種で迷われている方へ

まず、ファイザー社製やモデルナ社製でアレルギーの出る可能性がある人は、アストラゼネカ社製ワクチンの方が望ましいと言えます。また、1回目で副反応がなければ、2回目はより軽くなる可能性があります。

今感染拡大が続いているデルタ株に対しては、2021年7月時点のイギリスで、ワクチンによる発症予防効果は、ファイザー社製ワクチン1回接種後で35.6% 2回接種後で88.0%、アストラゼネカ社製ワクチン1回接種後で30.0% 2回接種後で67.0%と報告されています。少しでも効果が高いワクチンを選びたいと考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、感染拡大期は検討中・待機中に感染してしまわないことを優先して考えることも重要です。ワクチンによって接種できるタイミングが異なる場合は、できる限り早い段階で接種できるワクチンを接種していくことが大切かと思います。

■参考
アストラゼネカ社の新型コロナワクチンについて(厚生労働省)
・『COVID-19 ワクチンに関する提言 (第2版)』(日本感染症学会 ワクチン委員会)
 
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