1:『科捜研の女-劇場版-』9月3日公開
沢口靖子主演で、20年も続く人気ドラマ「科捜研の女」、初の劇場版です。世界同時多発不審死事件が起こり、榊マリコ(沢口靖子)が所属する科捜研(科学捜査研究所)が動き出します。被害者は突然奇妙な行動に出て、死に向かっていく……。この謎の死の背後にうごめく悪とは!
ドラマが未見でも実にわかりやすく「ドラマも観てみようかな」と興味を抱かせる作品になっていると同時に、ドラマファンも楽しめるように、これまでの人気キャラクターも登場。同窓会のような雰囲気も。改めて「榊マリコは沢口靖子にしか演じられない」と思わせる本作。彼女の魅力満載の「沢口靖子ショー」になっている点も楽しいです。
2:『シャン・チー/テン・リングスの伝説』9月3日公開
(C)Marvel Studios 2021
父と息子の対立なんて、まるで『スター・ウォーズ』のルークとダース・ベイダーのようです。闘うことを拒んだシャン・チーですが、再びバトルの場に立つことに。彼は、親友のケイティ(オークワフィナ)や仲間たちとともに、封印していた力を発揮していくのです!
バトルシーンは大迫力! お父さんの腕の10のリングの威力がすごいわ、後半は巨大龍も登場するわで、どうなることやらとハラハラ……。映画ファンは、香港映画の大スター、トニー・レオンとミシェル・ヨーの共演に注目です。
3:『ムーンライト・シャドウ』9月10日公開
吉本ばななのベストセラー小説を小松菜奈、宮沢氷魚主演で映画化。演出はマレーシア出身のエドモンド・ヨウ監督。さつき(小松菜奈)と等(宮沢氷魚)は恋人同士。二人は等の弟とその彼女とも仲良く、4人で過ごすことが増えていました。しかし、ある日、等と彼の弟の恋人が亡くなってしまいます。愛する人を失ったさつきと弟は、悲しみと向き合い、立ち直る方法を模索していくのですが……。
大切な人の死と向き合い、乗り越えていくのは辛い。その辛さを抱きしめながら生きていく人たちをやさしく包み込むような作品です。
4:『先生、私の隣に座っていただけませんか?』9月10日公開
オリジナル企画のコンテスト「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2018」の準グランプリ受賞作品を堀江貴大監督が映画化。漫画家夫婦の夫・早川(柄本佑)が浮気をしていることを知った妻・佐和子(黒木華)は、夫の不倫と自動車教習所の先生(金子大地)との恋を漫画として描きます。漫画を見た早川は、不倫がバレていることに驚くと同時に、妻の恋愛に嫉妬し始めるのです。
夫の浮気はリアルだけど、果たして妻の浮気は漫画の中の妄想なのか現実なのか……。浮気された妻が漫画で復讐を果たすというユニークな展開がお見事な夫婦映画の傑作。
5:『マスカレード・ナイト』9月17日公開
東野圭吾のベストセラー小説を映画化した『マスカレード・ホテル』のシリーズ第2弾。主演は前作に引き続き木村拓哉と長澤まさみ。ホテルに集まる人々も豪華ゲストが数多く出演しています。都内マンションで起きた殺人事件の犯人が、大晦日にホテル・コルテシア東京で開催されるカウントダウンパーティー「マスカレード・ナイト」に現れるとの情報が警察に入ります。警視庁捜査一課の刑事・新田浩介(木村拓哉)は、潜入捜査を開始。コンシェルジュに昇進した山岸尚美(長澤まさみ)の協力を得て、犯人逮捕に奔走するのです。
物語の構成は前作と同様ながら、やはり新田と山岸の丁々発止のやりとり&ホテルのゲストの中に潜む真犯人を推理するのは楽しい! 今回の犯人はどのように正体を隠し、トリックを仕掛けてくるのか。ミステリー映画の醍醐味を存分に味わってください。
6:『スイング・ステート』9月17日公開
アメリカの小さな町の選挙を利用しようとする民主党の選挙参謀の珍騒動を描いた政治コメディ。共和党のドナルド・トランプと民主党のヒラリー・クリントンが争った米大統領選で敗れた民主党選挙参謀のゲイリー(スティーブ・カレル)。彼は、農村部の票を取り戻すために退役軍人ジャック(クリス・クーパー)を田舎の町長選挙に担ぎだしますが、共和党の選挙参謀のフェイス(ローズ・バーン)がライバル候補の応援にやってきて、小さな町で民主党と共和党が火花を散らすことに……。
選挙といえば、日本も政界がいろいろとにぎやかな状況なので、実にタイムリーな映画かも。選挙には秘策が必要で、それがこの映画のキモになっています。ラストはなかなか爽快な展開。政治を描いているものの、難しくなく、楽しく見られる良作です。
7:『空白』9月23日公開
(C)2021「空白」製作委員会
中学生の少女がスーパーで万引きをしようとしたのを店長(松坂桃李)が見つけ、逃げる彼女を追いかけますが、車道に飛び出した少女はトラックに轢かれて亡くなってしまいます。娘を失ったショックから、しつこく追いかけた店長に「本当に万引きをしたのか!」と迫る父(古田新太)。やがて彼は店長に嫌がらせをするように……。
古田新太演じる父の狂気と松坂桃李演じる店長の憔悴ぶりが真に迫っていて、その迫力に圧倒されてしまいます。しかし、絶望的な物語かと思いきや、娘の死をきっかけに、父親は娘、離婚した妻、周囲の人々との関係を見つめ直すきっかけを得るのです。希望の光が見えてくる展開が素晴らしく、2021年のベスト10に入る傑作です。
8:『総理の夫』9月23日公開
原田マハの小説「総理の夫 First Gentleman」を映画化。少数野党の党首である妻の凛子(中谷美紀)がある日、総理大臣に。鳥類学者の日和(田中圭)は突然“総理の夫”となり、自身の研究を進めながらも彼女を支えようとするのですが、彼の生活は一変してしまい、思いもよらないことが起こったりするのです。
中谷美紀の総理大臣としてのスピーチが熱く胸を打つ。彼女には知性と品格があり「こんな総理大臣がいたら」とつい思ってしまいます。中谷美紀と田中圭の愛情深いけど、少しチグハグな夫婦ぶりは本作のユーモアの要。楽しく見られるライトな政治と夫婦の映画です。
9:『MINAMATA―ミナマタ―』9月23日公開
水俣病を写真を通して世界に知らしめた写真家ユージン・スミスとアイリーン・美緒子・スミスの軌跡を描いたジョニー・デップ製作&主演作。酒浸りの写真家ユージン・スミス(ジョニー・デップ)のもとにアイリーン(美波)が訪れ、チッソ工場が垂れ流す有害な汚染水により水俣病になってしまった人々を撮影してほしいと頼みます。彼は日本で、病に苦しむ人と対峙し、その姿を撮影していきますが、チッソ関連の人物の妨害にあってしまい、命の危機にさらされるのです。
ユージン・スミスとアイリーン・美緒子・スミスによる写真集「MINAMATA」をベースにした本作は社会派映画である一方、写真家が主人公なだけに、映像も美しい。異国の地で、言葉ではなく、写真で共闘した姿が胸を打ちます。ジョニー・デップもさすがの名演! 勇気ある人々の行動、声を上げることの大切さも描いた、今こそ見るべき作品です。
10:『整形水』9月23日公開
(C)2020 SS Animent Inc. & Studio Animal &SBA. All rights reserved.
メイクアップアーティストのイェジは自分のルックスにコンプレックスを抱いていました。ある日、美しくなれる整形水の存在を知った彼女。その水を試してみると、体中の贅肉がはがれ、美しい顔とボディを手に入れることができたのです。しかし「もっと美しく」と欲を出した彼女は使い方を間違え、顔と体は次第にボロボロに……。
美への追及はとどまるところを知らず「もっともっと!」と求めるうちに、自分や周囲の人々を痛めつけることになってしまう。そしてゆがんだ美を追求する人物に目を付けられたヒロインが辿る末路には怖さを通り越してビックリ! かなりエグくて見応えがある、韓国ホラーアニメです。
バラエティに富んだ10作品。社会派映画から、マーベル、そして韓国ホラーまで、みなさんの好みの映画はあったでしょうか? 感染対策をばっちり整えて、劇場で鑑賞してくださいね。