お金の悩みを解決!マネープランクリニック/30代シングルの方のお金悩み相談

38歳会社員、貯蓄8200万円。労働で精神的・肉体的に疲弊し、今の働き方をいつまで続けるか……(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回のご相談者は、今の働き方をいつまで続けるかを悩んでいる38歳の男性会社員の方。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 生活を変えるきっかけになるなら、マンション購入OK

一般論としては、家を購入し長期にわたるローン返済を考慮すると、働き方が変わる可能性があったり、家族構成が変わる可能性がある場合は、慎重に検討すべきです。しかしながら、Kさんの場合は、金融資産が十分にあり、現時点で、キャッシュで購入しても問題ありません。逆に、家を買うことをきっかけにして、今の生活を変えるという発想でもいいように思います。
 
Kさんのご相談で気になるのは、家を買うか買わないか、買うならいつか、ということではなく、今の働き方に心身ともに疲弊されていることです。より負担の少ない働き方を考えておられるとのことですが、働き方とともに、生活の変化もKさんの場合は、大切なのではないかと思います。
 
おそらく家を買わずに、転職で収入が減少しても、生涯、金銭的に困ることはないでしょう。現在も、家計管理は多少ゆるくても、しっかり貯蓄ができています。少し貯蓄ペースがダウンしたとしても、問題ないでしょう。
 
コロナ禍の今、ストレスを発散したり、生活にうるおいを与えるような行動は、なかなか難しいことです。Kさんがうまく対応できているのか心配になります。家を買う、という大きな決断をすることで、生活に張りが出てきたり、住まいを整えていく楽しみを見つけることができれば、仕事オンリーの生活を変えることができるのではないでしょうか。
 

アドバイス2 年収が減っても年間300万円程度の貯蓄も可能

仮に来年、家を購入し、働き方も変えて、手取り年収が550万円程度になったとします。住居費は固定資産税を考慮しても現在の16万円から4万円程度に抑えることができますので、毎月の支出は約20万円。年間で240万円です。手取り年収が550万円になっても、年間300万円は貯蓄できることになります。60歳までの21年間で6300万円です。
 
これだけでも、老後資金としては、十分ではないでしょうか。
 
現在の金融資産の大半は投資に回っています。Kさんが徐々に売却して、証券口座に移している、という段階ですから、家を購入するのであれば、株式はいったんすべて売却し、購入資金にあてることをおすすめします。できるだけ現預金を手元に残しておくことも重要です。
 
6000万円程度の購入予算で、諸費用を300万円とすると、手元には1900万円が残ります。Kさんからすると、やや不安に思われる金額かもしれませんが、上記のとおり、年収が減少しても、60歳までに6300万円上乗せでき、さらに確定拠出年金が現時点でも1000万円ありますから、合計すると9200万円です。何も心配することはありません。貯蓄のペースが少し落ちたとしても、老後資金への影響は小さいと言えるでしょう。
 
マンションについては、ある程度の広さがあり、売却しやすいなどの立地面にも注意してください。都心である必要はありませんが、終の棲家とするには、まだ若すぎます。今後の買い換えの可能性も考慮しておくといいでしょう。
 

アドバイス3 長い人生。一度立ち止まって自分の時間を大切に

マネープランとしては、家を購入してもいいし、しなくてもいい。転職して負担の少ない働き方にしてもいいし、多少家計管理が甘くても現状のままでいい、ということになります。
 
ただし、このまま仕事を続けていくと、健康不安があり、働けなくなることが一番のリスクとなるのではと心配になります。Kさんはまだ38歳。ここまで仕事を頑張ってこられ、これだけの金融資産を築かれたのは立派です。しかし人生はこの先もまだまだ続きます。一度、人生のアクセルを緩め、少し立ち止まって自分の時間を大切にしてもいいのではないでしょうか。
 
Kさんは自分の中で、ある程度答えを出しておられるのだと思います。生活パターンを変えるきっかけになるのであれば、思い切って家を買う、という選択もありだと思いますよ。
 
どうか、健康第一で、Kさんが納得のいく決断をされることを願っています。
 

相談者「K」さんから寄せられた感想

アドバイスについて大変ありがたいです。現在の仕事を続けるべきでないとは思っておりますが、家を買う・買わないにかかわらず、やはり何とかして次の仕事を見つけないことには、当面は現状維持せざるを得ないのかな……と理解いたしました。ありがとうございました。

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教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん  
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子


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