マンション購入を希望。その後の資産運用もどうしたらいい?

マンションを現金で購入することは可能?

マンションを現金で購入することは可能?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、老後に向けてマンション裏現金購入を希望している30代の独身女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)

■相談者
深野先生万歳さん(仮名)
女性/会社員/38歳
東京都/借家

■家族構成
独身、一人暮らし

■相談内容
中古マンション購入、保険について、さらに今後の運用と合わせてご相談させてください。
●希望物件は、都心部の1LDK、諸経費込で2000万円まで、できれば現金での購入を希望しています。
●運用については、母から譲り受けた資金500万円を元手に、10年前より株式投資を始めました。今年2月に2000万円のうち半分を売却。今後は、投資信託と個別60銘柄(優待を楽しむのが主な目的、配当金は年15万円ほど)、さらには確定拠出年金(100%運用)をメインに10年、20年スパンで長期投資したく考えています。
60歳定年、年金は年収500万円が維持できるとすると65歳より約13万円(ただ昇給は望めません)、退職金は200万円予定です。なお現時点では介護の予定はありません。
●保険について。10年ほど前に共済に加入。2年前に毎週通院を要する疾病にかかりましたが保険対象外でありすべて貯蓄から引き出しました。FPの方に相談したところ一時払終身保険がよいそうですが、他にも種類がたくさんあり最適なものが分かりません。現時点の状態で、最適なものがありましたらご教授ください。

■家計収支データ
「深野先生万歳」さんの家計収支データ

「深野先生万歳」さんの家計収支データ



■家計収支データ補足
(1)住宅購入について
現在都心に住んでいるため、家賃が割高というのも住宅購入の動機のひとつ。幼少時より金銭面で苦労したため、ローンではなく現金での購入希望。購入時期は未定だが、おそらく50~60歳。なお、結婚の予定はなく、姉も未婚の場合は一緒に住みたいと考えている(購入資金はあくまで本人のみが負担。それについて姉に相談したことはまだない)。

(2)貯蓄目標について
40歳までに3000万円目指したいと考えているが、その後の目標設定(投資や心構えなど)について具体的に考えていない。そのことを多少不安に感じている。

■FP深野康彦からの3つのアドバイス
アドバイス1 同居するなら相手にも資金の負担を
アドバイス2 投資はDCに絞り、残りは徐々に現金化
アドバイス3 老後資金の備えを目標に、自分も楽しみ余裕を

アドバイス1 同居するなら相手にも資金の負担を

まずは、住宅から考えてみましょう。購入時期を50歳として、それまでにどの程度を資金が用意できるでしょうか。現在の貯蓄と投資のペースが続くとします。ただ、確定拠出年金(DC)は60歳以降でなくては引き出せないため、住宅資金からは外すと、貯蓄額は年間130万円ほど。12年後には1560万円が現在の貯蓄に上積みされていることになります。

結果、手持ち資金は2600万円ほど。しかも、この時点では投資部分は一切加算していないのですから、諸経費込みで2000万円の物件であれば、十分キャッシュで購入可能です。

また、購入に当たって気を付けたいのは、中古物件の場合、大規模修繕が早めに行われる可能性があるということ。空き部屋が多い物件だと、一戸が背負うコストもより大きくなります。中古ゆえ価格は抑えられていますが、その分、より慎重に物件選びをしてください。

気になるのはお姉さんとの同居について。お互い独身であれば、老後を迎えても姉妹同士、支え合っていけると思います。しかし、住居に関して、そのコストをすべて相談者の方が背負うのは、気持ちの部分でお姉さんは少し居づらいと感じるかもしれません。お姉さんにも収入があるという前提ですが、マンションの購入資金を出したなら、たとえば管理費は負担してもらうとか、経済的負担でバランスを取ることを検討してみてもいいと思います。

アドバイス2 投資はDCに絞り、残りは徐々に現金化

運用については、すでに10年以上のキャリアがあり、500万円から2000万円までに増やしたのですから、自分なりの投資法は持っているはず。今年、半分の1000万円を現金化したのも、いい選択だったと思います。

今後の運用ですが、老後に向けて利益確定をしながら、徐々に現金化していくスタンスがいいと思います。現在、貯蓄額(=現金)と投資額(=評価額)の比率は2対3。マンション購入する50歳のときは、15万円の配当も証券会社の口座に預けているとすれば、形の上での投資額は、貯蓄額の5倍ほどになっているはず。この状況は、やはり投資に偏り過ぎていると言わざるを得ません。

DCは拠出金額からして個人型だと思われますが、であれば上限額になりますから、60歳までは投資の積立はDCだけに絞り、しっかり所得控除の恩恵も受ける形が望ましいと思います。

50~60歳にかけて投資額はDCも含めて、全体の3分の1程度に落としていく。定年後、さらに投資比率は落としていくとことをオススメします。投資は十分利益を得られてきましたが、リスクを背負っていることに変わりありません。高齢になるほど、損失を取り返す時間も少なくなります。老後の生活資金の中心は現預金で備えておく意識が重要です。

アドバイス3 独身である以上、死亡保障の必要性は低い

マンション購入後、新たに発生するのは持ち家のランニングコスト。固定資産税が月1万円、マンション管理費を1万5000円とすれば、それでも現在の家賃より5万円、家計支出を抑えることができます。

結果、貯蓄ペースは年間205万円にアップ。60歳までに2050万円、上乗せできる金額です。さらに退職金200万円と、住宅購入によって残った貯蓄と加算すると、薬2850万円となります。

老後の生活費を現在と同じとするなら、年金13万円とほぼ同額。つまり、貯蓄に手を付けなくても、普段の生活は公的年金で足りる計算になります。もし、住宅購入後、貯蓄に目標やモチベーションがないと感じるなら、まずは現状維持に努めるといったところでしょうか。

しかし、個人的には、多少貯蓄がペース落ちても、もっと自分自身のために支出をしていいのでは、と思います。老後資金ももちろん大切ですが、まだ30代です。今を楽しむことも考えてみてください。

最後に保険について。2年前の疾患が今どういう状態かはわかりませんが、医療保障は現在の共済を継続してもいいですし、入り直すなら、保険料掛け捨ての医療保険(あるいはがん保険)で入院給付5000円のシンプルなもので十分。不足分は十分に貯蓄でカバーできます。

また、一時払いの終身保険への加入を勧められたとのこと。しかし、加入する必要は全くありません。死亡保障自体、不要ですし、貯蓄性を求めるのなら、預金やDCで増やした方が合理的です。

相談者「深野先生万歳」さんから寄せられた感想

アドバイスいただきありがとうございます。マンション購入については、おそらく先のことではありますが、姉も正社員でずっと働いており姉にもプライドがあろうことに認識が及びませんでした。認識させていただきありがとうございます。現状未定な部分は多いのですが、お互い無理せず仲良くやっていける形で進めていければと思います。投資について、今までの成功経験を過信せず、50歳から60歳で全体の三分の一という目安、よくよく覚えておくようにいたします。保険についても近々にシンプルなもので一旦検討して みたいと思います。このたびは、お忙しいところ、貴重なアドバイスをいただきありがとうございました。大変わかりやすいご説明で、とても参考になりました。


教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん

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業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ





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