60歳以上のパート主婦も健康保険・厚生年金に自分で入る人が増える?

令和元年「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、短時間労働者で厚生年金被保険者は約47万人、そのうち女性が34万人で昨年より10%増えています。令和4年10月からは、企業規模100人以上、2カ月継続勤務の見込み(現在は1年継続勤務見込み)なら、その他の条件を満たせば短時間労働者は社会保険に加入できるようになり、対象者は拡大されます。
 
令和6年10月には、企業規模50人以上の短時間労働者も社会保険加入対象となり、60歳以降でもパート主婦が健保・厚生年金に加入する可能性は高くなります。60歳は、年金保険料の支払い義務がなくなる年齢ですが、要件を満たしていれば、パート主婦も健保・厚生年金に加入することとなります。
 
60歳パート社会保険加入

60歳になってもまだパートを続けたい人は、厚生年金加入で何がお得になる?

 

パートの社会保険(健康保険・厚生年金)加入の条件

現時点(2021年・令和3年6月)での、短時間労働者の社会保険加入の条件は以下のすべてを満たすことです。

・被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時500人を超える事業所(2022年・令和4年10月から「100人を超える」、2024年・令和6年10月から「50人を超える」)または、労使合意に基づき短時間労働者を健保・厚生年金の対象とする申し出をした事業所に勤めていること。
・週の所定労働時間が20時間以上であること。
・雇用期間が1年以上見込まれること(令和4年10月から「2カ月以上」に)
・賃金の月額が8万8000円以上であること。
・学生でないこと。
 

パート主婦が60歳で社会保険(健康保険・厚生年金)に入ったら将来の年金はいくら増える? いつモトがとれる?

例を出して考えてみます。2021年6月現在、60歳のパート主婦(昭和36年5月1日生まれ)Aさんが、すべての要件を満たして、健康保険・厚生年金に加入すると仮定するとどうなるでしょう?
 
賃金月額(月給)8万8000円で社会保険に加入すると、厚生年金保険料は月額8052円、健康保険料は月額5121円を支払います(令和3年度協会けんぽ保険料額表・東京都より)。1年加入すると支払うのは、厚生年金保険料を年9万6624円、健康保険料(40歳以上なので、健康保険料には介護保険料を含む)を年6万1452円、合計15万8076円です。その他雇用保険も入ることになりますね。
 
パート主婦Aさんは、62歳から特別支給の老齢厚生年金を受けることができ、増額分は標準報酬月額8万8000円×5.481/1000×12カ月=年5787円です。計算していくと、支払った厚生年金保険料の元をとるのは約79歳まで長生きした場合となります。
 

【まとめ】パート主婦が60歳以降も健保・厚生年金に入ると本当に、得するの?

上記の計算をみると「健康保険料も支払うんでしょ? 手取りが減るのに、ほんとにお得なの?」と思うかもしれません。夫が会社員なら、健康保険の扶養(60歳以上の妻は年収180万円以内で入れます)に入ってしまえば、保険料は支払わなくてすむのですから……。
 
メリットとしてはパートで健康保険や厚生年金に加入できる人は、週20時間以上働いているため、雇用保険にも入ることができます。1年以上働いてから退職すると、賃金月額8万8000円の約6割(約5万2800円)の失業等給付を3カ月間、受けることができるのです。
 
また健康保険に加入していれば、業務外の病気やけがで働けなくなった時、最長で1年半傷病手当金を受けることができます。健康保険を民間の就業不能保険に見立てれば、決して保険料は高くありません。その上、老齢厚生年金は生涯にわたって増額されるのですから、社会保険加入はメリットも大きいのです。
 
【関連記事】
パート主婦が1年間、厚生年金に加入したら将来もらえる年金はいくら増える?
パートの社会保険拡大で得する人・損する人
専業主婦とパートがもらえる年金の違いとは?【動画でわかりやすく解説】
 
●参考資料
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r3/ippan/r30213tokyo.pdf

【抽選で10名にAmazonギフト券1000円分プレゼント】All Aboutで「お金」について、アンケートを実施中です!
回答いただいた内容をAll About記事企画の参考にさせていただきます
※2021/11/1~2021/11/30まで

「毎月の家計についてのアンケート」に回答する

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。